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日本語教員試験の応用試験・読解対策 60問100分と2択の絞り方

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

日本語教員試験の応用試験・読解対策 60問100分と2択の絞り方

日本語教員試験 攻略シリーズの第7回です。この連載は、第1回で紹介したとおり、令和6年度・令和7年度に受けた人の体験記33人分を読み込み、文部科学省の公式情報と突き合わせて書いています。今回のテーマは、応用試験の前半にあたる 読解(100分・60問) です。

読解について書かれた体験記を読むと、同じ言葉が何度も出てきます。

3人とも、令和7年度に合格しています。

私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、日本語教員試験の500問を作る前にこの体験記を読みました。読解でいちばん多かったのは、この「2択までは絞れるのに最後の1つが決められない」という種類の声です。最後の2択を分けるのは、選択肢に出てくる用語を、場面に当てはめて使えるくらい正確に知っているかどうかです。アプリの500問すべてに、正解の理由だけでなく「ほかの選択肢がなぜ違うのか」まで解説を付けているのは、この理由からです。なお、アプリの問題は基礎試験の5区分の知識を問う問題で、読解の長文の形式や聴解の音声の問題は入っていません。

今回は、本番まで35日の人(令和8年度に出願済みの人) には読解の時間の使い方と2択の絞り方を、来年度に受ける人 には読解に向けた準備の順番をまとめます。


読解はどんな試験か

まず公式の事実から確認します(令和8年度 試験案内)。

  • 時間と問題数: 読解は100分・60問、選択式で1問1点。1問あたりに直すと 100秒 です
  • 当日の位置: 11月8日は基礎試験(10:00〜12:00)と昼休憩のあと、13:20〜15:00 が読解(着席 13:00)。そのあと休憩をはさんで聴解です。令和7年度から「基礎 → 読解 → 聴解」の順になりました
  • 合格基準: 読解だけの基準はありません。応用試験は読解60点と聴解50点を合わせた110点で、総合得点の6割程度が基準です(年度によって調整あり)
  • 出題の範囲: 試験案内は応用試験について「区分を横断する出題のため、領域ごとの出題割合は示していません。」としています。基礎試験の5区分の知識を、教育の場面に当てはめて使う問題です

公式に出ている読解のサンプル(試行試験の一部)は、ロールプレイを行った会話クラスの資料を3つ読んで、5つの問いに4つの選択肢から答える形でした(出題内容及びサンプル問題)。受験者の記事でも、本番の読解は文章を読んで5つの設問に答える形だった(ひなた)、すべて4択だった(21世紀でくのぼう)と書かれています。

なお、日本語教員試験の問題は持ち帰れず、記憶による再現を含めて公開・共有が禁止されています。この記事でも本番の問題は再現せず、受験者が書いた手応えと解き方だけを紹介します。


手応えがなくても、点は取れている

読解の点数を書いている合格者は5人いました。60点満点で 45〜51点、割合にすると75〜85%です。

注目したいのは、点数と手応えが食い違っていることです。冒頭の3人のほかにも、「読解問題で確信を持てる問題が少なかったこと、」と書いた合格者がいます(oyakodearete)。49点のげんさん(自身で日本語教師向けのサイトを運営している方)も、「2択で迷う問題が結構ありましたが、意外にもできていた」と振り返っています。

一方で、ゆきさんは「読解は手ごたえあったのですが、」と書いていて、実際に5人の中でいちばん高い点でした。neino_san724さんは、試験当日の記事で「正直、対策問題集よりも読解は難しかったように思います。」と書いています(neino_san724)。

受験者の声を並べると、年度による違いもあります。令和6年度の読解は比較的解きやすかったという声があり、令和7年度は「2択で迷った」という声が目立ちました。令和8年度がどうなるかは分かりません。本番で「全然分からない」と感じても、それは多くの合格者が感じたことだと知っておくと、途中で崩れにくくなります。


2択の絞り方:知識型は確実に、問題解決型は割り切る

読解の解き方を最も具体的に書いていたのは、令和6年度・7年度と続けて受けたげんさんです。げんさんは読解の問題を、知識で答えが出る「知識型」と、実践の場面を想定して答えを出す「問題解決型」に分けて考えています。そのうえで、攻略のカギを「数少ない知識型問題を確実に得点する」ことだとし、次のように書いています。

「知識型を手堅くとって、問題解決型は最悪2択まで持ち込めれば、それで十分合格ラインに届く」

問題解決型の問題は、問題文にある背景・目的・場面・条件で答えが変わるので、答えに直結するポイントを見落とさないことが大事だといいます。それでも判断できない問題については、「あまり時間をかけ過ぎず次に行く勇気が必要ですね。」とも書いています。

この考え方を、解くときの手順に直すと次のようになります(体験記をもとに編集部が整理したものです)。

  1. 設問を先に読み、「何を聞かれているか」をつかんでから資料を読む
  2. 知識だけで答えが決まる問題は、その場で確実に答える
  3. 場面の問題は、資料にある学習者のレベル・授業の目的・条件に線を引き、合わない選択肢から消す
  4. 2択まで残ったら、2つの違いを一言で言えるかを考える。言えなければ、どちらかにマークして先へ進む

4の「2つの違いを一言で言える」かどうかは、結局のところ基礎の知識で決まります。令和6年度に不合格になり、令和7年度に基礎89点・読解46点で合格した mcylio さんは、応用試験の対策について「まず基礎知識をさらに深く理解することを意識しました。」と書いています。1回目の反省として、評価の用語は知っていても、教育の現場での使い方やグラフの読み方が分かっていなかったことも挙げています。用語を「聞いたことがある」だけの状態だと、最後の2択で決め手がなくなる、ということです。

私たちのアプリでも、この「決め手」を作ることを考えて解説を書いています。解説では正解の理由と各選択肢の正誤を確かめられ、解説の中の用語をタップすると専用の用語辞書が開きます。参照枠・評価法・教授法のように読解の資料にもそのまま出てくる用語を、本を別に用意しなくても意味と使い方まで確認できる作りです。


100分の使い方:15問ごとに目標時刻を決める

1問100秒あるので、読解は基礎試験(1問約72秒)より時間に余裕があります。読解は時間に余裕があったと書いている受験者もいます。ただし、時間の目安を持たずに1問ずつ考え込むと、100秒はすぐに過ぎます。

  • 15問ごとに目標時刻を決める: 令和6年度に受けた fujita1339 さんは、解答用紙が15問ずつ4つのブロックに分かれていたので、「ちょうど時間の目安として1ブロックが25分。」と目標時刻を書き出し、どの地点も10分ほど前に通過できたそうです。令和8年度の時間割に当てはめると、13:45・14:10・14:35・15:00 が通過の目安です(令和8年度の解答用紙が同じ区切りかは未確認です)
  • 1問1分で1周する: ひなたさんは「一問あたり1分程度で解けば、余裕を持って見直す時間を作ることができます。」と書いています。勉強を始めたころは1問に3〜4分かかっていたので、早めに時間を測ってみることを勧めています
  • 設問を先に読む: 令和7年度に独学で合格した meiphan さんは、最初は長文を読んでから問1に進んでいましたが、問われない情報まで読む必要はないと気づき、先に問1〜問5の問題文にざっと目を通してから長文を読む形に切り替えました。「このほうが圧倒的に早く解けるようになります。」とのことです

もう一つ、体力の問題があります。令和7年度から読解が基礎試験のすぐ後になり、げんさんは「午前中に基礎試験を受けて消耗している身としては、正直かなりきつかったです。」と書いています。本番前に一度は、100分を通して解く練習をしておくと安心です。1日全体の時間配分と当日の過ごし方は、第9回でくわしく扱います。


【本番まで35日の人へ】読解のためにいまやること

試験ルートで基礎から受ける人は、まず基礎試験です。基礎試験が合格点に届かないと応用試験は採点されません。公式の数字から計算すると、令和7年度に試験ルートで基礎試験に合格した人のうち、96.9%が応用試験にも合格しています(くわしくは第3回)。基礎の知識を固めることが、そのまま読解の「知識型」を取る力にもなります。

そのうえで、読解については、次の3つを残りの期間に入れておきたいところです(体験記をもとに編集部が組んだ例です)。

  • 週に1回、時間を測って解く: 25分で15問、または100分で60問。13:45・14:10・14:35 の通過時刻を意識する
  • 迷った2択を言葉にする: 答え合わせのとき、残った2つの選択肢の違いを一言で書く。書けなかった用語は、基礎の区分に戻って確認する
  • スキマ時間は基礎の知識に使う: 読解の資料に出てくる用語は、基礎の5区分の範囲です。私たちのアプリでは、忘却曲線に合わせて復習の問題が自動で出て、「間違えた問題だけ」に絞って解き直せます。本番形式のテストでは、合格率と弱点のカテゴリをグラフで確かめられるので、読解の前に穴のある区分を見つける使い方ができます

基礎免除で応用試験だけ受ける人へ

養成機関ルートや C・D ルートなどで基礎試験が免除される人は、12:00〜13:00 に入室し、読解から受けます。応用試験は110点のうち60点、半分以上が読解の配点です。点数を書いていた5人の中では、ゆきさんや mcylio さんのように、聴解のほうが読解より点の割合が低い人もいました。聴解の対策は次回(第8回)で扱います。

現場の経験については、「ある意味、経験に助けられたように思います。」と書いた合格者がいる一方で(ゆっちぃ)、げんさんは、ほぼ未経験の試験ルートの合格者のほうが応用試験の合格率が高いことを挙げ、経験の有無より基礎知識を身につけることに専念するほうがよいと書いています。経験があってもなくても、選択肢の用語を正確に知っているかどうかが最後の2択を分ける、という点は同じです。


【来年度に受ける人へ】読解の準備は基礎の後でいい

令和9年度の日程と方式はまだ発表されていません。令和9年度以降は CBT 方式への移行が検討されていて、令和9年2月に CBT の試行調査(プレテスト、合否判定なし)が予定されています。詳細は令和8年10月頃に公表予定とされていますが、この記事の時点では確認できていません。読解の形式が CBT でどうなるかも分からないので、公式の発表を待ちましょう。

形式がどうなっても、読解が「基礎の知識を場面で使う試験」であることは変わらないはずです。mcylio さんは、3月頃から6月まで基礎を固め、7月から応用試験の対策に入っています。読解の長文に早く慣れることより、まず5区分の用語を「説明できる」ところまで進めることが先です。


まとめ:読解は「迷っても点は取れている」試験

  • 読解は100分・60問・1問100秒。基礎の5区分を横断して、教育の場面に当てはめる問題
  • 合格者の読解の点数は45〜51点。多くの人が「2択で迷った」「自信がない」と書きながら合格している
  • 知識型は確実に取り、問題解決型は2択まで絞ったら割り切って先へ進む
  • 15問ごとに25分、または1問1分で1周して見直し。設問を先に読む
  • 最後の2択を分けるのは基礎の知識。本番まで35日の人は、読解のためにも基礎の穴を埋める

次回の第8回は、応用試験の最後、聴解(約50分・50問) です。音声が1回しか流れないとされる試験で、どう取りこぼしを減らすかを体験記から整理します。


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※この記事は2026年9月28日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ず文部科学省の日本語教員試験のページと試験案内で確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。

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