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日本語教員試験の勉強時間 残り38日の直前計画と来年度プラン

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

日本語教員試験の勉強時間 残り38日の直前計画と来年度プラン

連載「日本語教員試験 攻略シリーズ」の第4回です。第1回では、note やブログに公開されている合格・不合格の体験記33人分(1回目で合格25人・不合格を経験8人)を読み込み、「受かる人」と「落ちる人」の違いを整理しました。今回は、その33人が どれだけの時間を、どう使ったか を見ていきます。

令和8年度の試験は 11月8日(日)。この記事が公開される10月1日から数えると、本番まで 38日 です。出願はすでに締め切られているので、この記事は「出願済みで、残りの38日をどう使うか」を考えている人と、「来年度(令和9年度)に受けるつもりで、どれくらいの時間を見込めばいいか」を知りたい人の両方に向けて書きます。

私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、日本語教員試験の500問も、基礎試験の5区分を公式の出題割合に合わせて配分しています。体験記を読んで目立ったのは、合計時間の多い少ないより、机に向かえない時間をどう数え、どう使ったか の違いでした。1問ずつ解けて、忘却曲線で復習が自動で出てくる作りにしているのは、この細切れの時間を積み上げやすくするためです。なお、アプリには聴解(音声)の問題は入っていないので、その練習のしかたはこの記事の中で別に書きます。


合計時間を書いた合格者は、33人中4人だけ

まず数字から。合格者25人のうち、勉強時間の合計を本文にはっきり書いていた人は4人だけ でした。

  • meiphan さん(試験ルート・日本語教育の予備知識ゼロ): 150時間。8月27日から11月1日までの約2か月で、「直前2か月間・独学150時間で一発合格できました。」と書いています
  • kokoro さん(試験ルート・約8か月): 目標を500時間に置き、「結果的に、実際の学習時間は500時間を超えました。」(掲載媒体には講座の案内があります)
  • nihongo_kyoin さん(試験ルート・受験年度の記載なし): 「勉強時間は合計約550時間です。」(有料記事。根拠は無料部分だけです)
  • 嘉成 さん(基礎免除で応用のみ・日本語教師歴10年以上): 「1~10月で650時間以上勉強しました。」(ブログには書籍の販売リンクがあります)

4人中3人が500時間以上です。ただ、試験ルートの3人だけを見ても150時間・500時間超・約550時間と開きが大きく、この記事では 平均や中央値は出しません。理由は3つあります。

1つ目は、人数が4人しかいないこと。2つ目は、「超」「以上」という書き方が入っていて、正確な値が分からないこと。3つ目がいちばん大きく、人によって「何を勉強時間に数えたか」が違う ことです。

meiphan さんは、スマホのアプリで用語を確認していた時間について「このスキマ時間学習は試験勉強150時間のカウント外です。」と、わざわざ断っています。反対に、嘉成さんの650時間には通勤中や家事中、動画を見た時間も入っています。同じ「◯時間」でも、中身が違うのです。

合格者でも「期間だけ」書いた人のほうが多い

合計時間は書いていなくても、勉強した期間を書いている合格者はもっといます。

  • 1か月: 1人(そらもようさん。ルートの記載はありませんが、読解・聴解だけに触れています)
  • 1か月ちょっと前から: 1人(丸木まるか さん・試験ルート。「勉強開始は試験の1ヶ月ちょっと前」)
  • 2か月〜約3か月: 2人(試験ルート)
  • 約5か月〜約半年: 2人(試験ルート)
  • 約7か月、4〜10月: 2人(応用のみ)

短い期間で受かった人がいる一方で、不合格だった人の期間 も見ておく必要があります。令和7年度に基礎75点で不合格になった にんじんけーき さんは、8月の締め切り直前に受験を決め、約3か月(実質2か月)の準備でした。振り返りの最初に挙げているのは「勉強時間が圧倒的に足りていなかった」です。合格基準の8割程度に、あと5点届きませんでした。

合格した人の中にも、あとから冷や汗をかいた人がいます。9月から約3か月で試験ルートに合格した o35xk さんは、その年の試験ルートの合格率を後で知り、来年受ける人に向けて「9月から勉強すんなよ!」と書いています。

民間の目安は400〜600時間。公式の目安は無い

養成講座や出版社の解説記事では、400〜500時間以上、あるいは400〜600時間程度という目安が出ています。ただ、その根拠は、出題範囲の近い別の試験(日本語教育能力検定試験)の目安や、講座を受けた人へのアンケートです。文部科学省は、必要な勉強時間の目安を出していません。

体験記の中では、nihongo_kyoin さんが、3か月前の正答率が75%前後で、400時間を超えたあたりから85%が安定したと書き、「400時間=合格できるかもしれない」という見方を示しています。ただしこの人は受験年度を書いておらず、別の試験の言葉で説明している部分もあるので、一人の経験として読むのがよいと思います。

時間の数字は目安にはなりますが、合否を決めるのは結局、基礎試験の5区分それぞれで6割程度、合計で8割程度 を取れるかどうかです(文部科学省 令和8年度 試験案内)。基礎から受けた人の合格率は令和6年度と7年度で大きく違い、その読み方は前回の第3回で整理しました。


【A】出願済みの人へ:残り38日の直前計画

ここからは、令和8年度に出願済みの人向けです。38日は、1日3時間なら約110時間、1日5時間なら約190時間になります。これまでの積み上げによって、残り38日でやるべきことは人それぞれですが、「全部をもう一度やり直す」時間はありません。

体験記の合格者も、直前は時間の使い方を変えています。kokoro さんは9〜10月を1日5〜7時間に増やし、lucky_impala119 さんは「試験前1か月は時間がなさすぎて5時起きで勉強してました。」と書いています。meiphan さんも、最後の約10日間(10月22日〜11月1日)を約45時間の弱点補強にあてていました。

次の図は、体験記と公式の合格基準から編集部が組んだ例です。合格者がこのとおりにやったという実績ではありません。

1週目(10/1〜10/7):区分ごとの得点率を出す

基礎試験は、合計が8割程度あっても、どれか1つの区分が6割程度に届かなければ不合格 です。しかも基礎が合格点に達しないと、応用試験は採点されません。だから最初にやるのは、苦手な分野を「感覚」ではなく 区分ごとの正答率 で確かめることです。

5区分のおおよその出題割合は、社会・文化・地域が約1〜2割、言語と社会が約1割、言語と心理が約1割、言語と教育が約3〜4割、言語が約3割です。問題数の少ない区分は、数問の取りこぼしで6割を割り込みます。

私たちのアプリには本番形式のテストがあり、解き終わると合格率と弱点のカテゴリをグラフで確認できます。どの区分から埋めるかを決める最初の材料として使えます。

2〜3週目(10/8〜10/21):6割を切る区分から埋める

得点率の低い区分から順に手を入れます。言語と教育や言語のような大きい区分に目が行きがちですが、言語と社会・言語と心理(各約1割)を後回しにしない ことが大事です。

このとき、正解を覚えるより、なぜその答えなのかを自分の言葉で説明できるかで確かめます。にんじんけーきさんは不合格の原因として「「人に説明できるレベル」まで落とし込めていなかった」ことも挙げていました。

4週目(10/22〜10/28):間違えた問題だけを回す

ここからは新しい範囲を広げるより、一度間違えた問題を解けるようにする 時間です。meiphan さんは後半、間違えた問題だけの解説をノートに写して集中的に潰し、「解ける問題をいくら何度も解いても、得点力は一切上がりません。」と書いています。

私たちのアプリでも、「間違えた問題だけ」に絞って出題でき、解説の用語をタップすると専用の用語辞書が開きます。本を別に広げなくても、その場で意味を確かめながら解き直せる作りです。あわせて、日本語教育の参照枠・評価法・最新の施策と統計のように、公式サンプルにも出ているテーマを確認しておきます。

5週目(10/29〜11/4):本番の時間割で通す

本番は、基礎 10:00〜12:00、応用の読解 13:20〜15:00、聴解 16:10〜17:00 という長丁場です。聴解は最後の枠で、遅刻すると受けられません。1度は 同じ時間割で、基礎から聴解まで通して解く 日を作っておくと、午後の集中力の落ち方が分かります。時間配分の細かい話は第9回で扱います。

最後の3日(11/5〜11/7):広げない

新しい範囲には手を出さず、間違えた問題の見直しと体調の管理に使います。受験票は10月中旬(予定)にマイページで発行され、A4 で印刷して持参 します(スマホでの提示はできません)。kokoro さんは直前も8時間の睡眠を取ったと書いています。

聴解と音声は「毎日少しずつ」

38日のあいだ、区分の穴埋めと並行して続けたいのが、音声(アクセント・調音)と聴解です。私たちのアプリの問題は文字の問題なので、誤用の種類やフィードバックの用語といった 聴解の土台になる知識 の確認には使えますが、アクセントの聞き分けや調音点・調音法の問題は入っていないので、音声は別に練習が必要です。

体験記にあった練習のしかたは、次のようなものでした。

  • 調音点・調音法の表を、毎日3分×3回、何も見ずに書く(kokoro さん)
  • リスニングを1.5倍速で聞く(嘉成さん「リスニングは、1.5倍速で聞いてました。」)
  • 職場の昼休みにリスニングをする(lucky_impala119 さん)
  • 音声問題を通勤中や車の中で流す(o35xk さん・kokoro さん)

聴解の対策は第8回でくわしく扱います。

基礎免除で、応用だけ受ける人は

経過措置や養成課程の修了で基礎試験が免除される人は、図の1〜3週目を読解と聴解の練習に置き換えてください。応用だけで受けた嘉成さんの650時間以上には、10年以上の教師経験の上に積んだ時間という前提があります。必要な時間は、ルートと経験で大きく変わります。


【B】来年度に受ける人へ:3か月・半年の計画

令和9年度の試験日と方式は、まだ発表されていません。文部科学省は令和9年度以降の CBT(コンピューターで受ける方式)への移行を検討していて、令和9年2月に試行調査(合否判定なし)を予定し、詳細は令和8年10月頃に公表するとしています(この記事を書いた時点では未公表です)。

日程が分からなくても、時間の見込みは立てられます。図の下半分は、民間の目安と公式の出題割合から編集部が組んだ例です。

  • 3か月(約300時間・1日約3.3時間): 民間の目安には届かないため、養成講座を受けたことがある、別の試験で勉強したことがあるなど、基礎知識がある人向け です。未経験の人には短い計画です
  • 半年(約400〜500時間・1日約2.2〜2.8時間): 民間の目安の時間に合う期間です。社会人なら平日2時間・週末3〜4時間の配分が一つの例になります

どちらも流れは同じで、「範囲を1周 → 区分ごとに解いて解説で理解 → 区分別の得点率を管理して6割未満を補強 → 本番の時間割で通す」です。解説で正解の理由と各選択肢の正誤まで確かめられれば、1周目から問題を解きながら理解を進めることができます。聴解の練習は、3か月なら2か月目、半年なら3〜4か月目には始めておきます。

スキマ時間は「数えない時間」ではなく「積み上げる時間」

来年度に受ける人ほど、スキマ時間の使い方で差がつきます。合計650時間以上の嘉成さんは、1日平均2時間を通勤中や家事中も含めて積み(15分刻みの日も多かったそうです)、手帳に毎日記録していました。kokoro さんは1分単位で記録しています。

時間を記録すると、自分が今どれくらい積めているかが分かり、計画の遅れにも早く気づけます。私たちのアプリで忘却曲線による復習の自動出題を入れているのも、1回数分の時間を、忘れかけた問題の解き直しに回せるようにするためです。

もう一つ、現職の日本語教師で経過措置を使う人は、令和10年度の試験が経過措置を受けられる最後の試験 です。ルートの条件は第2回で整理しました。


まとめ:時間より「区分ごとの6割」を先に確かめる

  • 勉強時間の合計を書いた合格者は 4人だけ(150時間・500時間超・約550時間・650時間以上)。数え方が違うので平均は出せない
  • 民間の目安は400〜600時間程度。公式の目安は無い
  • 出願済みの人は、残り38日を 区分ごとの得点率 → 6割未満の区分 → 間違えた問題 → 本番の時間割で通し の順に使う
  • 音声と聴解は、38日のあいだ 毎日少しずつ
  • 来年度の人は、基礎知識があれば3か月、なければ半年を一つの目安に。スキマ時間は記録して積み上げる

次回の第5回では、「何で勉強するか」を扱います。日本語教員試験には過去問が存在しないという事実から出発して、教材を選ぶときの5つの基準を整理します。


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※この記事は2026年9月28日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ず文部科学省の日本語教員試験のページで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。

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