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メンタルヘルス・マネジメント検定I種に落ちる原因と直前チェック

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

メンタルヘルス・マネジメント検定I種に落ちる原因と直前チェック

メンタルヘルス・マネジメント検定 I種 攻略シリーズの第10回、最終回です。この連載では、note やブログに公開されているI種の合格・不合格体験記33人分を読み込み、大阪商工会議所の公式情報と突き合わせて、合格に効くやり方を整理してきました。

最終回のテーマは 「落ちた人」 です。体験記の中から不合格の記録を9件(筆者8人)拾い出し、何が原因だったのか、再挑戦で何を変えたのかをまとめます。そのうえで、第41回(2026年11月1日)まで残り約4週間の今日から、本番当日までにやることをチェックリストにしました。

私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、I種では選択問題の形式の500問を用意しています。不合格の記録には、論述だけでなく、選択の読み違いや見直し不足で点を落とした例も含まれていました。アプリで「間違えた問題だけ」に絞って解き直せるようにしているのは、そうした取りこぼしを本番の前につぶせるようにするためです。


不合格の記録9件、原因の内訳

まず前提として、I種の合格基準は 選択と論述の合計105点以上、かつ論述25点以上 です(公式「試験について」)。選択だけの基準点はありません。つまり、落ち方には「論述が25点に届かない」と「論述は届いたが合計が105点に届かない」の2通りがあります。

体験記33人のうち、不合格の記録は9件(筆者8人)ありました。I種に合格した人が、過去の不合格を振り返って書いているものも含みます。本人が書いている原因で分けると、次のようになります。

  • 論述が原因: 5件
  • 選択が原因(論述は基準を超えたのに、合計が届かない): 2件
  • 原因の記載なし: 2件(有料部分のため読めない、または「過去1度不合格」とだけ書かれている)

論述が原因の5件が多いのは予想どおりですが、選択で落ちた人が2件いる ことも見逃せません。どちらも論述は25点を超えていました。


論述で落ちた5件:共通するのは「書いたのに点にならない」

解答用紙はすべて埋めたのに22点

2025年11月の回で不合格になった nyankichi0529 さんは、社労士の資格を持つ人です。結果はマークシート90点、論述22点。選択は十分でしたが、論述の基準にわずかに届きませんでした。

「筆記であと3点足りませんでした。」

本人は「原稿用紙はすべて埋めたのに22点。」と書き、的外れなことを書いてしまったのだろうと振り返っています。空欄を作らないことは大事ですが、埋めること自体は目標にならない ことを示す例です。論述の模範解答・採点基準は公式に公開されておらず、答案の開示や採点についての問い合わせにも応じてもらえません(公式「受験要項」)。何が足りなかったのかを本人が確かめる手段がないのも、I種の論述の難しさです。

「やったつもりで落ちた」

産業保健師の nice_prawn2607 さんは、2024年の第37回で不合格、2025年の第39回で合格しました。記事の中で、不合格の経験を「やったつもりで落ちた」と表しています。原因は「記述対策が甘かった」。無料部分では、1回目の答案を次のように分析しています。

  • 設問に答えていない
  • 抽象的でぼやけている
  • キーワードが不足している
  • 採点する人が点を入れにくい構造だった

1回目は時間いっぱいまで書き切ったので、合格したと思っていたそうです。nyankichi0529 さんと同じく、量は書けていても、設問が求めていることにキーワードで答えていなかった というのが本人の見立てです。

準備2か月で論述10点

rakentaa_0729 さんは、2024年11月の回を準備期間2か月で受けました。論述は問題を見た瞬間に頭が真っ白になったものの、書けるだけ書いて「なんと10点取れてました!」と書いています。

ほかの2件も論述です。konami_tsukushi さんは2024年の回について「論述問題であと一歩届かず。」と書いています。また、bold_broom6276 さんは、5〜6年前に2〜3回目の受験で合格するまで、論述だけ得点が取れずに不合格だったと振り返っています(有料記事で、無料部分から読める範囲)。


選択で落ちた2件:論述を超えても、合計が届かない

論述28点、でも選択が11点足りない

先ほどの rakentaa_0729 さんは、翌2025年11月の回にも挑戦しました。今度は論述28点で基準を超えます。ところが結果は不合格。「選択問題が11点足りませんでした」(rakentaa_0729)。

本人は原因を、テキストの理解が進むのが楽しいという段階で止めてしまい、選択問題を自分のものになるまで復習しなかったことだと分析しています。

「選択問題に対して「おごり」があったんだと思います。」

最も適切なものと最も不適切なものを読み間違えて、毎回点を落としていたこと、当日薄着で体が冷えたことも、反省点として挙げています。

論述は基準超え、合計あと1点

人事部員の mynote_k さんは、1回目の受験で論述の基準を超えたものの、「全体であと1点足らず・・・」で不合格でした。

論述25点ぎりぎりで通るなら、選択は80点が必要です。第1回で紹介したとおり、論述の点数を書いている合格者7人は26〜39点に散らばり、25〜30点のぎりぎり合格が多くいました。論述の練習に時間を振るほど、選択は「落とさない」ことが大事になります。


再挑戦で変えたこと

不合格から合格した人(あるいは点数を大きく伸ばした人)が、2回目で何を変えたのかを並べます。

論述10点 → 28点:キーワードで書く練習

rakentaa_0729 さんは、2025年の準備で「キーワード練習」に取り組み、それが役立って論述28点につながったと書いています(rakentaa_0729)。10点から28点へ、18点の上積みです。

合計あと1点 → 合格:苦手な章の記録と、キーワードの整理

mynote_k さんは2回目の2024年11月の回で合格しました。選択は、ルーズリーフで自作の解答用紙を作って日付ごとに記録し、苦手な章を見つけて潰しました。論述は、要点を情報カードにまとめ、関連するキーワードごとにファイルに整理しました。本番ではワーク・エンゲイジメントと仕事の要求度-資源モデルの両方が出て、この整理が生きたそうです。本人は「関連するキーワードごとにしたのが大正解!!」と書いています(mynote_k 対策まとめ)。

2週間で不合格 → 2週間で合格:やり方を変えた

nice_prawn2607 さんは、1回目も2回目も準備期間は同じ2週間でした。2回目で変えたのは期間ではなく、記述対策のやり方だと本人は書いています(具体的な方法は有料部分)。準備期間が短いこと自体より、設問に答える書き方を身につけたかどうか が差になった例です。

論述だけ取れない → 経営者の視点で書く

bold_broom6276 さんは、論述の根本的な考え方として「経営者的視点からの解答を求められている!」と書いています。自分の意見ではなく、組織全体の取り組みとして答える、という意味です。I種の到達目標が、メンタルヘルスケア計画や専門機関との連携などを「企画・立案・実施」できることとされている(公式「試験について」)こととも合っています。

4人に共通しているのは、「もっと勉強した」ではなく「書き方・復習のしかたを変えた」 ことです。


「II種で十分」という声と、I種を取る価値の声

落ちた人の中には、次は受けないと決めた人もいます。nyankichi0529 さんは、来年は「おそらく受けない」と書いています。I種を取るべきかどうかについては、体験記の中でも意見が分かれていました。

II種で十分、という声

  • 精神科の産業医である おおた産業メンタルラボ の筆者は、I種・II種・III種をすべて受けたうえで、「Ⅱ種を取ればそれで十分!」と結論づけています
  • 合格者の しゅり さんも、「正直なところ、2種まで取れれば問題ない気がします」と書いています

I種を取る価値がある、という声

  • nice_prawn2607 さんは、保健師にとってI種は「必須ではないが持っていたら一目置かれる資格です。」と書き、それ以上に「人に説明できるレベル」まで理解を深めることで、アウトプット力が上がったことを価値に挙げています
  • 企業内EAPの かい* さんは、I種に合格して「世界が変わった」と書いています

判断の目安は、I種の対象が「人事労務管理スタッフ、経営幹部」で、社内のメンタルヘルス対策を推進する側に向けた内容だという点です(公式「試験について」)。自分が部下のケアをする管理職の立場ならII種、会社の計画を立てて専門家と連携する立場ならI種、と考えると選びやすくなります。なお、合格しても更新制度はなく、名刺に「●種合格」と書くことができます(公式 よくあるご質問)。


本番4週間前からのチェックリスト

ここまでの失敗と、公式の受験要項をもとに、今日(10月3日)から本番当日までにやることを1枚にまとめました。

いくつか補足します。

  • 論述の手書き練習は、今日から始める。論述の過去問に手を付けたのが試験2週間前だった合格者は、それを後悔として挙げています。本番形式(時間と字数)の練習をしていなかったために、最後の設問が半分空欄になった人もいました。4週間あれば、1時間の通し演習を何本も積めます
  • 教材を増やさず、今年度の範囲に合わせる。第41回から改訂後の内容に準拠して出題され、法令は2026年4月1日時点で成立しているものが対象です(公式「試験について」)。これまでの試験問題はすべて改訂前の時期の出題なので、改訂で新しく入ったテーマや成立済みの法改正(第7回・第8回)は、自分で予想設問を作って補います。残り4週間で新しい教材に手を広げるより、いま使っている教材を回し切るほうが確実です
  • 選択は「落とさない」仕上げ。rakentaa_0729 さんの読み間違い、見直し不足で自己採点より多く間違えていた例のように、選択の失点は知識不足だけではありません。設問の「適切/不適切」に印を付けてから選ぶ習慣を、1週間前までに付けておきます。論述の手書き練習に机の時間を使う分、選択は通勤などのスキマ時間に回すと両立しやすくなります。私たちのアプリでは、「間違えた問題だけ」「未回答だけ」に絞って解き直せ、本番形式テストで弱点カテゴリをグラフで確認できます。全問の解説に正解の理由と各選択肢の正誤があり、用語はタップで専用の用語辞書が開くので、分からない箇所のためにテキストを開き直さなくても、選択問題はアプリの中で仕上げまで進められます
  • 受験票は10月13日に発送 されます(公式「受験要項」)。集合は選択が13:30、論述が16:00で、集合時刻に遅れると受験できません。使えるのはHBかBの黒鉛筆またはシャープペン、プラスチック消しゴム、情報通信機能のない腕時計です。スマートフォンは時計としても使えません
  • 休憩時間は最後の暗記に使う。当日の選択で出たテーマは論述に出にくいとみて、それ以外を重点的に見直した合格者の ひぐ さんは、大問2つとも的中させたと書いています。ただしこれは体験談で、必ず当たる方法ではありません
  • 論述は下書きに時間をかけず、空欄を作らない。2022年に合格した こか さんは、「論述の24点と25点では雲泥の差です!」と書いています(こかさんは論述対策の note を販売しています)。ひぐさんも、完璧を諦めて「書いたもん勝ち!の精神でいきました。」と振り返っています

論述の字数・問題数・採点の方法は公式には公表されていません。ここで書いた論述の進め方は、合格者・不合格者の体験記にもとづく民間の情報です。


来年(2027年11月)に受ける人へ

第41回の申込は9月17日に締め切られています。I種の試験は11月の年1回だけなので、これから受けたい人の次のチャンスは2027年11月の回です。日程と申込期間はまだ発表されておらず、公式のよくある質問では、次年度の日程は3月下旬から4月以降に案内するとしています(公式 よくあるご質問)。

時間がある人に伝えたいのは、次の2つです。

  • 論述の練習を早く始める。不合格の5件は論述が原因でした。キーワードを書き出す練習と、時間と字数を測った手書きの練習は、本番の数か月前から少しずつ積み上げておくと、直前期に慌てずに済みます
  • 選択も「理解できた」で止めず、解けるまで復習する。論述を基準ぎりぎりで通すなら、選択は80点が必要です。1年あれば、一度解けた問題を時間をおいて解き直す復習を何度も回せます。忘却曲線に沿って復習の問題を自動で出してくれるアプリを使えば、復習の予定を自分で管理する手間も省けます

今年受ける人の結果は、I種は2027年1月8日からWEB成績票で確認でき、合格証は1月15日に発送されます(公式「受験要項」)。もし届かなかったとしても、点数を見れば「論述で落ちたのか、合計で落ちたのか」は分かります。この記事で紹介した人たちのように、原因に合わせてやり方を変えれば、次の挑戦につなげられます。


連載全10回のふり返り

最後に、この連載で伝えてきたことを1回1行でふり返ります。

  1. 第1回: 体験記33人を読むと、合格率約2割のI種で合否を分けたのは論述だった
  2. 第2回: 合格基準は合計105点以上かつ論述25点以上。論述25点なら選択は80点が必要
  3. 第3回: 合計時間を書いた合格者5人の中央値は100〜120時間。本番まで5週間なら論述中心に逆算する
  4. 第4回: 教材は解説の質・版の新しさ・復習の仕組みで選ぶ。選択問題は、解説と用語辞書がそろったアプリ1つで完結できるものを選べば本を別に用意しなくてよい
  5. 第5回: 選択は大問9・50問の構成が毎回同じ。章別の正答率を記録し、読み違いを減らす
  6. 第6回: 論述はキーワードを書き出してから文章にする。下書きに時間をかけず、空欄を作らない
  7. 第7回: 山は、過去に出たテーマより、第6版の改訂箇所と成立済みの法改正に張る
  8. 第8回: 4つのケア・ストレスチェック・職場復帰の5ステップは、厚生労働省の一次資料で押さえる
  9. 第9回: 選択は途中退出する人が多く、論述の60分は全員が足りない。手書きで時間と字数を測って練習する
  10. 第10回: 不合格9件のうち5件は論述、2件は選択が原因。再挑戦した人は書き方と復習のしかたを変えていた

まとめ:落ちた人から学べるのは「量より、書き方と仕上げ方」

不合格の記録9件から見えたことをまとめます。

  • 原因は 論述5件・選択2件・不明2件。論述が多いが、論述を超えて選択で落ちた人もいる
  • 論述は 埋めても22点 の例がある。設問に答え、キーワードで書くことが大事
  • 選択は 理解できた段階で止めず、読み間違いを減らして80点以上を固める
  • 再挑戦した人は、キーワード練習・章別の記録・経営者の視点 など、書き方と復習のしかたを変えていた
  • 本番4週間前の今日からは、論述の手書き通し練習と、選択の仕上げを並行する

メンタルヘルス・マネジメント検定 I種 攻略シリーズは、今回で最終回です。10回分の内容が、11月1日の本番に臨む人、来年挑戦する人の準備に役立てばうれしいです。


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※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ずメンタルヘルス・マネジメント検定試験の公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。

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