メンタルヘルス・マネジメント検定I種の教材の選び方

連載「メンタルヘルス・マネジメント検定 I種 攻略シリーズ」の第4回です。第1回から、I種の受験者33人の体験記を読み込み、主催の大阪商工会議所の公式情報と突き合わせて攻略法を整理しています。
今回のテーマは 教材の選び方 です。I種向けの教材はII種・III種に比べて驚くほど少なく、体験記でも、市販のI種用の教材は数えるほどしかない、と書く人が複数いました。選択肢が少ないぶん、「どの本を買うか」より大事なのは、手元の教材が今年の試験に合っているか、そして選択と論述の両方をどう回すか です。
そして2026年度は、その見きわめがとくに大事な年です。第41回(2026年11月1日)から、出題の基準になるテキストの版が変わるからです。
この記事では、書名の比較はしません。代わりに、体験記33人の勉強法から見えてきた 教材を選ぶときの5つの基準 と、その基準で選んだ教材で 選択問題をスマホ1つで仕上げ、論述は手書きで練習する組み立て を整理します。
先に立場を明かしておくと、私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、I種の選択問題の形式のオリジナル問題500問もその中にあります。体験記の勉強法を読んで、選択問題は解説の質と復習の仕組みで差が出ると考え、全問に正解の理由と各選択肢の正誤の解説をつけました。この記事で基準に当てはめる例として自分たちのアプリを挙げるのは、そのためです。
2026年度の前提:出題の基準が変わった年
教材の話の前に、試験の事実を3つ確認しておきます。
- 第41回から出題の基準が新しい版になる: 主催者は、2026年11月1日の第41回公開試験から、2026年6月に発行された公式テキスト第6版に準拠して出題するとしています。第5版発行以降の法令等の改正、統計調査の結果の更新、職場のメンタルヘルス対策をめぐる動向を盛り込んだ、という説明です(大阪商工会議所 2026年6月16日のお知らせ)
- 法令は「4月1日時点で成立」が基準: 法令については、その年の4月1日時点で「成立」している法令に準拠して出題するとしています。施行がまだ先の法改正でも、成立していれば範囲に入りうるということです。統計調査の最新の結果(公表済みのもの)を出題することがある、とも書かれています(大阪商工会議所「試験について」)
- 主催者は過去問題集を出していない: 公式サイトには「大阪商工会議所では、過去問題集は発行しておりません。」と明記されています(大阪商工会議所)。公開されているのは、各回の選択問題の模範解答(正解の番号だけ)のPDFで、問題文も解説も載っていません(例: 第37回)
体験記では「公式過去問題集」という呼び方がよく出てきますが、主催者が出している過去問題集はありません。どの問題集・アプリを使うにしても、下の基準で中身を見て選ぶことになります。
教材を選ぶときの5つの基準
体験記33人の勉強法と、失敗した人の振り返りを並べると、I種の教材に求められていたことは次の5つにまとまりました。

基準1:解説の質(なぜその答えになるかまで書いてあるか)
公式に公開されているのは正解の番号だけです。I種の選択問題は「最も適切なもの」「最も不適切なもの」を選ぶ4択なので、番号だけ分かっても、残りの3つの選択肢のどこが誤りなのか が分からなければ、同じ論点を言い換えて出されたときに解けません。
合格者が目指していたのも、そのレベルでした。こかさん(人事労務担当者で、論述対策のnoteを販売している筆者です)の目標は「目指すレベル:設問文を読み、選択肢の誤っている箇所を指摘・修正できるレベル」です(こかの投資ブログ)。
だから教材を選ぶときは、正解の理由だけでなく、各選択肢の正誤まで解説しているか を見てください。解説がここまで書いてあれば、分からなかった問題のたびに別の本を開いて調べる必要がなくなり、問題を解きながら理解まで進められます。解説の中の専門用語をその場で引けると、なおよいでしょう。選択肢の誤りを直す作業は、そのまま論述で書くキーワード集めにもなります。
なお、論述の模範解答は主催者が発表していません(大阪商工会議所 受験要項)。市販の問題集にある論述の解答例は著者によるもので、「これと同じなら満点」というものではない点も押さえておきましょう。
基準2:版の新しさ(今年の出題基準・法令に合っているか)
2026年度にとくに大事なのがこれです。第41回から出題の基準が第6版に変わり、法令は4月1日時点で成立しているものが基準になります。古い年度の教材をそのまま使うと、更新された法令や統計の数字とずれることがあります。2025年に受験した rakentaa_0729さんは、手元の過去問題集が2年前の年度版だったことに、試験の2か月前になって気づいています(rakentaa_0729)。
今年はさらに、過去問そのものがすべて旧版の時期の出題 という事情があります。どの過去問も第5版以前の時期に出題されたものなので、第6版で新しく入ったテーマや、更新された統計・法令は、過去問だけでは練習できません。教材を選ぶときは、発行や更新の時期を確かめ、問題を解くときも「この法令・統計は今も同じか」を意識しておきましょう。
基準3:問題数(周回しても答えを覚えきらない量があるか)
体験記では、選択問題の過去問を3〜4周する人が多く、多い人は6周していました。ただ、I種は年1回の試験なので、選択問題の過去問は1回50問、数年分を集めても量に限りがあります。周回するほど「問題を覚えた」状態に近づき、正答率の数字が実力より高く見えてきます。
そこで大事になるのが、初めて見る問題で理解を試せるだけの量 です。過去問とは別に作られた問題を、解説で理由を確かめながら数多く解く。今年は過去問が旧版時代のものなので、なおさらこの量が効きます。
基準4:スキマ時間で回せるか
第3回で見たとおり、合計時間を書いた合格者の勉強時間は中央値で100〜120時間でした。I種は人事労務管理スタッフ・経営幹部向けのコースで、体験記でも人事労務や産業保健の仕事をしながら受けた人が目立ちました。まとまった時間を毎日取れる人ばかりではありません。
しかもI種は、勉強時間の大半を論述に回すべき試験です(第1回・第3回)。机に向かえる時間は論述の手書き練習に使い、選択問題は通勤や昼休みなどのスキマ時間に、スマホだけで仕上げられる形 にしておくと、時間の配分がぐっと楽になります。重い本を持ち歩かずに1問ずつ解けるかどうかは、社会人にとって小さくない差です。
基準5:復習の仕組み(間違いを記録し、弱点が見えるか)
選択問題で点を伸ばした合格者の多くは、間違いを記録 していました。
- こかさんは、章ごとの点数をスプレッドシートに記録し、正答率が80%未満の章に色が付くようにしていました
- mynote_kさんは、ルーズリーフに回答用紙を作り、解いた日付も書き込んで、毎回間違えるところや苦手な章を見えるようにしていました(mynote_k)
効果ははっきりしていますが、この記録を紙やスプレッドシートで続けるのは手間がかかります。教材の側に、間違えた問題を自動で出し直し、弱点を数字で見せてくれる仕組み があれば、その手間はまるごと要らなくなります。
5つの基準をスマホ1つで満たす

5つの基準を並べると、選択問題の対策は 解説のしっかりした問題を、スキマ時間に数多く解き、間違いを自動で復習する ことに尽きます。これはスマホのアプリがいちばん得意なところです。
冒頭で書いた私たちのアプリ、ナレッジバンドルで言えば、I種の教材には次の仕組みがあります。
- 解説の質: オリジナル問題500問の全問に、正解の理由と各選択肢の正誤の解説が付いています。解説の中の用語をタップすると専用の用語辞書が開くので、分からない言葉のために本を開く必要がありません。それでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問したり、Google検索したりできます
- 問題数: 過去問とは別に作られたオリジナル問題なので、答えを覚えてしまった過去問ではなく、初めて見る問題で理解を試せます
- スキマ時間: 1問ずつスマホで解けるので、通勤や昼休みの数分がそのまま演習時間になります
- 復習の仕組み: 間違えた問題は忘却曲線に合わせて自動で出題され、「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」に絞って解き直せます。本番形式のテストで合格率と弱点カテゴリをグラフで確認できるので、自分で表を作らなくても「どこが苦手か」が数字で見えます
選択問題の目標は80点です(第5回でくわしく扱います)。2024年に合格したおざわさんの言葉を借りれば、「まずは逃げずに過去問を見よ!」(おざわ)。問題から入り、解説で理解し、間違いを繰り返しつぶす。この流れは、スマホ1つで完結させられます。
論述は、手書きの練習で仕上げる

一方で、I種の論述(50点・1時間)は、4択の問題演習だけでは仕上がりません。これは体験記でもほぼ一致した声です。論述で問われるのは、キーワードを知っているかどうかに加えて、時間内に手で書き切れるかどうか だからです。
論述の練習は、本を増やすことではなく、次の3つです(書き方は第6回、山の張り方は第7回でくわしく扱います)。
- キーワードを集める: 選択問題の解説と用語辞書で覚えた用語が、そのまま論述の材料になります。4つのケアやストレスチェック制度、職場復帰支援の手順などは、厚生労働省が指針や手引きを無料で公開しているので、一次資料で骨組みを確かめられます(第8回で扱います)
- キーワードから文章にする: 設問を読んだら、まず書くべきキーワードを書き出し、それをつないで文章にします
- 時間と字数を測って手書きで書く: 体験記では、方眼ノートや原稿用紙で字数と時間を測って練習した人が6人いました。本番は手書きで、時間が足りなくなる人がほとんどです
選択問題をスマホのスキマ時間で仕上げておけば、机に向かえる時間はこの手書き練習に集中させられます。
今年受ける人・来年受ける人の組み立て
今年(11月1日)受ける人:残り約5週間
- 選択問題は、スキマ時間に解説つきの問題で回し、間違えた問題だけを繰り返す。本番形式のテストで弱点カテゴリを確かめ、そのカテゴリの問題を集中して解く
- 机に向かう時間は論述を優先し、キーワードの書き出しと、時間を測った手書き練習に使う
- 法令・統計は、2026年4月1日時点で成立しているものが基準。古い年度の教材を使っている人は、数字や制度が今も同じかを確かめる
来年(2027年11月)受ける人:時間があるうちに選択を固める
- 第6版で出題された今年の問題が、来年以降の過去問に入ってきます
- 春〜夏のうちに選択問題を解説つきの問題で固めておくと、秋以降を論述の手書き練習に使えます
まとめ:教材は「5つの基準」で選ぶ
- 2026年度は第41回から出題の基準が第6版に変わる。法令は4月1日時点で成立しているものが基準
- 主催者は過去問題集を出しておらず、公開されているのは正解の番号だけ
- 教材を選ぶ基準は 解説の質・版の新しさ・問題数・スキマ時間で回せるか・復習の仕組み の5つ
- 過去問はすべて旧版時代の出題。初めて見る問題で理解を試す 量があると安心
- 選択問題は、解説と用語辞書のそろったアプリなら スマホ1つで理解から復習まで 完結できる
- 論述は4択では仕上がらない。キーワードの書き出しと 時間を測った手書き練習 で仕上げる
次回の第5回では、選択問題で80点を取るために、大問ごとの問題数と過去問の回し方 を、公式の模範解答PDFから数えたデータと合格者のやり方で整理します。
メンタルヘルス・マネジメント検定I種の500問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、メンタルヘルス・マネジメント検定I種のオリジナル問題500問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップでメンタルヘルス・マネジメント検定I種専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
- 解説を読んでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問。Google検索もワンタップ
- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
- 本番形式テストで、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認
- 広告なし。全教材は無料体験できます
メンタルヘルス・マネジメント検定I種のほか、100以上の資格・検定(レビュー中含む)が1つのアプリで使い放題です。アプリ内の教材追加画面で「メンタルヘルス・マネジメント検定I種」と検索してください。
※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。教材の版・発行日・価格や講座の内容は変わることがあるので、購入・受講の前に各出版社・主催者のページと大阪商工会議所の公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。