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メンタルヘルス・マネジメント検定I種の合格・不合格体験記33人を読んでわかった「論述で落ちる人」と「受かる人」【2026年版】

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

メンタルヘルス・マネジメント検定I種の合格・不合格体験記33人を読んでわかった「論述で落ちる人」と「受かる人」【2026年版】

メンタルヘルス・マネジメント検定 I種(マスターコース)の合格率は、ここ数年ずっと 約2割 です。同じ11月の回のII種の合格率が、ここ数年5〜6割前後なのに比べると、はっきり狭き門です。

受けた人の言葉も、その難しさを物語っています。

  • 「難易度はⅠ種が群を抜いて高いです。」(nice_prawn2607)
  • 「1種は「鬼神」の顔をしていた。」(一人語り)
  • 「論述の24点と25点では雲泥の差です!」(こか。論述対策のnoteを販売している筆者です)

この連載では、note・アメブロ・個人ブログ・企業ブログに公開されている I種の受験者33人の体験記(合格・不合格・結果不明を含む)を読み込み、主催の大阪商工会議所の公式情報と突き合わせて、I種の攻略法を全10回に分けて整理します。毎日21時に1本ずつ公開していきます。

書いているのは、資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っているチームです。I種の選択問題の形式で500問を作る前に、受かった人と落ちた人が何をしていたのかを知りたくて、33人分の体験記を一本ずつ読みました。読んで分かったのは、アプリで扱える選択問題よりも、手書きの論述で合否が分かれた人が多いということでした(アプリには論述の練習は入っていません)。

第1回の今回は全体像として、「論述で落ちる人」と「受かる人」を分けたポイント をまとめます。


まず押さえたい、I種の仕組み

I種は、II種・III種とは試験の形がまったく違います(大阪商工会議所「試験について」)。

  • 選択問題: 100点・2時間。4択のマークシートで50問
  • 論述問題: 50点・1時間。選択問題のあと、休憩をはさんで別枠で行う
  • 合格基準: 合計 105点以上、かつ 論述 25点以上

この「かつ」が重要です。論述が24点なら、選択が満点でも不合格です。そして論述がぎりぎり25点だった場合、合計105点に届くには 選択で80点 が必要になります。論述と選択の両方に基準があるのと同じことです。

しかも、論述の 模範解答は発表されず、採点基準や字数も公式には示されていません。答案の開示や採点についての問い合わせにも応じないとされています(大阪商工会議所 受験要項)。論述の形式や採点について以下で書くことは、すべて体験記や民間の情報によるものです。

合格率の推移は次のとおりです。

直近の第39回(2025年11月2日)は、実受験者1,710人のうち合格331人で 19.4% でした(大阪商工会議所 結果・受験者データ)。2020年以降の6回は17.6〜21.3%の間に収まっていて、「5人に1人」がほぼ定位置です。同じ回のII種は47.8%でした。

I種は 年1回、11月の公開試験だけ で実施されます。今年の第41回は 2026年11月1日(日)。申込は9月17日で締め切られています。また、出題の基準になるテキストが今年 第6版(2026年6月発行)に改訂され、第41回から第6版の内容で出題されます(大阪商工会議所)。今年は出題範囲が変わる年だということです。


33人の体験記の内訳

今回読み込んだ33人の内訳は、合格25人、不合格のみ3人、結果不明5人です。2023年以降に受験した人が24人です。

不合格の記録は9件(筆者8人)ありました。一度落ちてから合格した人の過去の記録も含みます。このうち、本人が「論述が原因」と書いているものが5件、「選択が原因」が2件、原因の記載なしが2件です。

I種の合否は、ほぼ論述で決まる。これが33人を読んだ最初の結論です。ただし、あとで見るとおり「選択で落ちた」例もあります。


受かる人に共通していた5つのこと

1. 勉強時間の大半を論述にあてている

合格者の中には、論述を最優先にした人が目立ちます。2024年に合格した しゅりさん は「勉強時間の8割は論述対策だった気がします。」と振り返っています。論述の勉強を1か月ほど続けたところ、選択問題の過去問も満点になっていたそうです。前述のこかさんも、論述と選択の比は約8:2だったと書いています。

論述の勉強はテキストの内容を「自分で書ける」レベルまで覚えることなので、選択問題の力も一緒に上がる、という声が複数ありました。

2. テキストの「番号付き・箇条書き・表」を丸ごと覚えている

2024年に合格した おざわさん は、論述の過去問を見て、いくつかのポイントを挙げさせる形の問題が多いことに気づき、テキストの番号付きの箇所や表になっている箇所を、書いたり音読したりして覚えました。

135点(論述39点)で合格した ねぎさん も、テキストで列挙できる事柄をノートに書き出し、赤シートで隠して覚えています。

3. キーワードを書き出してから文章にしている

採点はキーワードがいくつ書けているかで決まる、と考える合格者が多くいました。cool_violet5789 さんは「論述問題はとにかくワード重視!」と書いています。

具体的な手順としては、設問を読んだらまず問題用紙の余白にキーワードを並べ、それをつないで文章にする、という形がよく出てきます。こかさんは、指定字数の3〜5%ほど(400字なら約15個)のキーワードを拾い出してから書いていました。

4. テキストの図を、何も見ずに描ける

元保健師の ツシマ さんは、復職のステップなどテキストの図表を、概略だけでも何も見ずに描けるようにしていました。NIOSH職業性ストレスモデルの図を、何も見ずに描けるようにしたり、何度も書き写したりした合格者も2人います。2025年に論述26点で合格した yy_mogu さんの回では、実際に図表を説明する問題が出ています。

5. 下書きせずに直接書き、空欄を作らない

論述は1時間しかありません。ツシマさんは「下書きに時間をかけている場合ではありません。」と書き、下書きに清書前提で書くことを「検定最大のトラップ」と呼んでいます。1級FP技能士の たなぼう さんも「下書きはせず解答用紙に直接記入しました。」と書いています。

そして、分からない設問も空欄にしない。2024年に合格した ひぐ さんは「書いたもん勝ち!の精神でいきました。」と振り返っています。論述は24点と25点で合否が分かれるので、1点でも拾いにいく姿勢が合格者に共通していました。


落ちる人・苦戦した人に共通していた5つのこと

1. 埋めたのに、設問に答えていない

意外なのは、全部埋めたのに落ちたという記録があることです。社労士の nyankichi0529 さんは、2025年の回で選択90点を取りながら、論述22点で不合格になりました。「原稿用紙はすべて埋めたのに22点。」と書いています。

産業保健師の nice_prawn2607 さんも、1回目は時間いっぱいまで書き切ったのに不合格でした。本人は「記述対策が甘かった」と分析し、答案が設問に答えておらず、抽象的で、キーワードが足りなかったと振り返っています。空欄を作らないことは大前提ですが、埋めること自体は目標になりません。

2. 本番と同じ時間・字数で書く練習をしていない

2025年に合格した keen_chimp586 さんは、本番の論述で最後の問題が半分ほど空欄になりました。「そこでやっと論述問題の対策不足に気づいたのである。」と書き、何分で何文字書くかという本番形式の練習をしていなかったことを反省しています。

3. 準備期間が短すぎる

rakentaa_0729 さんは、1回目は準備期間2か月で論述10点でした。一方で、nice_prawn2607 さんは1回目も2回目も2週間の短期集中で、1回目は不合格、2回目は合格しています。同じ期間で結果が分かれたことから、本人は 期間よりやり方の差 だと分析しています。

4. 選択問題を軽く見る

論述ばかりに目が向くと、今度は選択で落ちます。rakentaa_0729 さんは2回目の受験で論述28点を取りましたが、選択問題が11点足りずに不合格でした。「選択問題に対して「おごり」があったんだと思います。」と振り返っています(rakentaa_0729)。

人事部員の mynote_k さんも、1回目は論述の基準を超えながら「全体であと1点足らず・・・」で不合格になり、2回目で合格しました(結果の記事)。先ほど計算したとおり、論述がぎりぎりなら選択は80点が要ります。

5. 予想と違う形式が出て崩れる

しゅりさんは過去問の事例型を予想していましたが、本番は「事例がない論述問題でした…」。2019年に合格した臨床心理士は、論述の1問が専門外の「キャリアカウンセリングの社内構築」だったと書いています(とちぎグッドメンタル&キャリア)。心理や医療の専門家でも、I種で問われる、会社の仕組みとしてのメンタルヘルス対策の論点で詰まることがある、ということです。


論述の点数は「25〜30点のぎりぎり」が多い

体験記の中で、論述の点数を書いていた合格者は7人でした。そのうち数値がわかる6人を並べると、次のようになります。

26点のyy_mogu さんは「論述26点で危なかった!!!!」、30点のツシマさんも「割とギリギリ」と書いています。もう1人の 一人語り さんは合計が「合格最低点+2点」で、論述の点数は書いていませんが、こちらもぎりぎりの合格です。

7人中4人が、基準の25点から5点以内、または合計が最低点すれすれでした。合格者でも論述で高得点を取れているわけではなく、「25点を確実に超える」ことが現実的な目標 だと言えます。


合格者の勉強時間は「100〜120時間」が真ん中

2023年以降の合格者で、勉強の合計時間を書いていたのは5人です。

  • 約90時間(1か月・1日3時間)
  • 100時間
  • 約100〜120時間(約5か月)
  • 約150時間(3か月)
  • 350時間

真ん中(中央値)は 100〜120時間 です。2週間〜1か月で合格した人もいますが、II種の知識がある人、産業保健師、人事の実務経験者、2回目の受験の人にかたよっていました。


本番の11月1日まで、約5週間でやること

この記事を読んでいる時点で申し込みを済ませている人は、本番まで約5週間です。体験記から逆算すると、優先順位は次のとおりです。

  1. 論述の過去問を、今週中に一度見る: おざわさんの言葉どおり「まずは逃げずに過去問を見よ!」。論述の過去問に手を付けたのが試験2週間前で遅かった、という反省は複数ありました
  2. 番号付きの要素・手順・表になっている項目を覚える: 論述で列挙を求められたときに、そのまま書ける形にする
  3. 時間と字数を測って手書きする: 使えるのは鉛筆・シャープペンと消しゴムだけです。方眼ノートや原稿用紙で、1時間で書き切る練習をしておく
  4. 選択問題は問題演習で80点を目指す: 章ごとの正答率を記録して、弱い章の問題を解説を読みながら解き直す

選択問題の演習は、通勤や昼休みなどのスキマ時間に回すと、机に向かえるまとまった時間を論述の手書きに残せます。私たちのナレッジバンドルでは、本番形式のテストで弱点のカテゴリをグラフで確かめ、間違えた問題だけを繰り返し解けます。全問に正解の理由と各選択肢の正誤の解説があり、解説の用語はタップすると専用の用語辞書が開くので、本を別に開かなくても、解きながら理解まで進められます。選択で80点を確実に取る準備と、論述の練習を両立しやすくなります。

注意点が1つあります。これまでの試験問題は、すべて第5版以前のテキストの時期に出題されたものです。過去問をどれだけ解いても、第6版で新しく加わった内容まではカバーできません。今年は、過去問に加えて新しい範囲の内容を確認しておくことが、とくに大切です。

5週間の具体的なスケジュールは第3回で、論述の書き方は第6回でくわしく扱います。


来年受ける人へ

I種は年1回なので、今年申し込んでいない人の次の機会は 2027年11月 の回です。日程は未発表で、公式FAQでは次年度の日程は3月下旬から4月以降に案内するとされています(大阪商工会議所 よくあるご質問)。

来年の人にとって、時間は味方です。選択問題の知識は、毎日のスキマ時間に少しずつ積み上げられます。解説の用語をタップすると専用の用語辞書が開き、忘れかけた問題を忘却曲線にそって自動で出し直してくれるアプリを使えば、1年かけて知識を定着させやすくなります。そのうえで、論述の練習は数か月前から始めるのが理想で、精神科医・産業医の 井上智介 さんは半年以上前から始めることを勧めています。II種の知識は土台になるという声が多いので、2027年3月21日の第42回(II種・III種のみ)でII種を先に取っておくのも一つの道です。

一方で、精神科の産業医である おおた産業メンタルラボ の筆者は、I種・II種・III種の3つとも受けた結論として、II種で十分だと書いています。I種は人事労務の立場で社内の対策を企画・立案する人向けのコースです。自分の仕事にどちらが必要かを考えてから決めても遅くはありません。


まとめ:I種は「論述25点」をどう確実に越えるかの試験

33人の体験記から見えたことを、ひと言でまとめます。

  • 合格率は約2割。合否はほぼ 論述25点の足切り で決まる
  • 受かる人は 勉強の大半を論述 にあて、テキストの列挙項目と図を書ける形で覚えている
  • 論述は キーワードを並べてから、下書きせずに直接書く。空欄は作らない
  • ただし 埋めただけでは点にならない。設問に答えているかが問われる
  • 論述がぎりぎりなら 選択は80点 が必要。選択も軽く見ない
  • 勉強時間の真ん中は 100〜120時間

連載の第2回では、「105点と論述25点」という二重の合格基準を、合格率の推移やII種との違いと一緒にくわしく見ていきます。


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※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ず大阪商工会議所の公式サイトで確認してください。論述の形式・採点については公式に公表されておらず、体験記と民間の情報によるものです。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。

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