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メンタルヘルス・マネジメント検定I種の試験の仕組み:合格基準(105点と論述25点)・合格率・II種との違い【2026年版】

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

メンタルヘルス・マネジメント検定I種の試験の仕組み:合格基準(105点と論述25点)・合格率・II種との違い【2026年版】

メンタルヘルス・マネジメント検定 I種 攻略シリーズの第2回です。第1回では、I種を受けた33人の合格・不合格体験記を読み込み、「論述で落ちる人」と「受かる人」の違いを整理しました。

第2回の今回は、その前提になる 試験の仕組み を、大阪商工会議所の公式情報だけでまとめます。I種は II種・III種と同じ検定の上位コースですが、合格の決まり方がまったく違います。とくに「合計105点以上」と「論述25点以上」という 2つの基準 を正しく理解していないと、勉強の配分を間違えます。

私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、I種では選択問題の形式の500問を用意しています。論述がちょうど25点なら、選択で必要なのは80点です。本番形式のテストで合格率と弱点カテゴリを表示するようにしているのは、この80点との距離を試験の前に数字で見られるようにするためです。


I種の試験形式:選択2時間と論述1時間の二本立て

I種(マスターコース)は、選択問題と論述問題の2つの試験を、同じ日の午後に続けて受けます(大阪商工会議所 試験のご紹介、受験要項)。

  • 選択問題: 100点・2時間。4つの選択肢から1つを選ぶマークシート式。問題数は50問で、大問が9つ(第29〜39回の公式の模範解答から数えた集計)
  • 論述問題: 50点・1時間。選択問題のあと、少し休憩をはさんで別に行う
  • 集合時刻: 前半(選択)が13:30、後半(論述)が16:00
  • 合計: 150点満点

論述について、主催者の説明は「実務を遂行するうえで必要な知識とその応用力、総合的判断力などを問います」の一文だけです。問題の数、字数、採点のしかたは公式には書かれていません。論述の模範解答も発表されず、答案の公開や採点・合否についての質問にも応じないとされています(受験要項、個人申込)。

体験記では、大問2問・設問4問ほどで、1問は250〜350字ほどという声が多いものの、これはあくまで受験者の記録です。論述の形式は、連載の第6回でくわしく扱います。

試験は全国15都市(札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡)の会場で、紙と鉛筆で受けます。オンライン受験(IBT)やテストセンター(CBT)の方式は、2026年度の公式資料のどこにもありません。企業が日程を決めて行う「団体特別試験」も、I種は対象外です。


合格基準は「合計105点」と「論述25点」の二重基準

I種の合格基準は、公式に次のとおり書かれています(試験のご紹介)。

  • 選択と論述の 合計が105点以上
  • ただし、論述が25点以上

ポイントは、選択問題だけの基準点は無い ことです。そのかわり、論述の点数によって、選択で必要な点数が変わります。105点から論述の点数を引いた分を、選択で取らなければなりません。

  • 論述25点なら、選択は 80点以上 が必要
  • 論述30点なら、選択は75点以上
  • 論述35点なら、選択は70点以上
  • 論述24点以下なら、選択が100点でも不合格

II種・III種は「70点以上で合格」なので、I種も「7割取れば受かる」と考えがちです。合計105点は150点の7割にあたりますが、論述の25点が別に必要なので、同じ感覚では受かりません。

体験記で見た「二重基準」の実例

この基準の厳しさは、体験記にはっきり表れています。

  • 論述が1点でも足りないと不合格: 2025年11月の回を受けた社労士の nyankichi さんは、選択90点に対して論述22点。合計は112点で105点を超えていましたが、論述が25点に届かず不合格でした。「原稿用紙はすべて埋めたのに22点。」と振り返っています。
  • 論述を超えても、合計が足りないと不合格: 人事部員の mynote_k さんは、1回目の受験で論述の基準は超えたものの、「全体であと1点足らず・・・」で不合格でした(2回目で合格)。
  • 論述28点でも選択で落ちる: rakentaa さんは2025年の回で論述28点を取りましたが、「選択問題が11点足りませんでした」。本人は「選択問題に対して「おごり」があったんだと思います。」と書いています。
  • 選択が80点未満でも、論述が高ければ受かる: 2022年の回に合格した 上田晃穂 さんは、選択76点・論述36点の合計112点でした。

人事労務の担当者で合格した こか さん(論述対策の note を販売している筆者です)は、「論述の24点と25点では雲泥の差です!」と書いています。24点なら、選択が何点でも不合格だからです。

目安は「選択80点・論述25点以上」

論述の点数を明記していた合格者7人の点数は、26・28・30・35・36・39点と「合格最低点+2点」でした。25〜30点のぎりぎりで合格した人が多い ことが分かります。論述は採点基準が公開されておらず、手応えと点数がずれやすいので、「論述は30点取れるはず」という前提で選択を手薄にするのは危険です。

現実的な目安は、選択で80点以上を確保し、論述は25点を必ず超える ことです。なお、選択1問あたりの配点は公式に書かれていません。50問で100点なので、均等なら1問2点ですが、これは推定です。

選択の80点は、「たぶん取れる」ではなく「毎回取れる」状態にしておきたいところです。そのためには、間違えた問題を放っておかず、なぜ違うのかを選択肢ごとに確かめる復習が効きます。私たちのアプリでも、全問の解説で選択肢ごとの正誤を確かめられ、本番形式のテストで合格ラインとの距離と弱点のカテゴリをグラフで確認でき、間違えた問題だけを絞り込んで解き直せます。選択の復習をスキマ時間に回せれば、まとまった時間を論述の練習に使えます。


合格率は約2割。16回分でも最高21.3%

I種の合格率(合格者÷当日の受験者)は、公式のデータで確認できる第9回(2010年)から第39回(2025年)までの16回で、10.8%〜21.3% の範囲でした(結果・受験者データ。第27回以前は2020年のページの保存版で確認)。

  • 第9回(2010年): 10.8%
  • 第19回(2015年): 11.7%
  • 第29回(2020年): 21.3%
  • 第33回(2022年): 17.6%
  • 第37回(2024年): 20.9%
  • 第39回(2025年): 19.4%(当日の受験者1,710人のうち合格331人)

直近6回(第29〜39回)は17.6〜21.3%で、合計すると受験者9,453人・合格者1,878人、平均約19.9% です。およそ 5人に1人 しか受からない試験だと考えてください。

もう一つ見ておきたいのが、申込者と当日の受験者の差です。第39回は申込者2,111人に対して、当日受けたのは1,710人でした。計算すると、申し込んだ人のおよそ2割が当日に来ていません。年1回の試験なので、申し込んだ以上は受けに行ける状態を作ることが大切です。


II種との違い:対象・形式・基準・合格率

I種と II種の違いを、公式情報で並べます(試験のご紹介、受験要項)。

  • 対象: I種は人事労務管理スタッフ・経営幹部、II種は管理監督者(管理職)
  • 目的: I種は社内のメンタルヘルス対策の推進、II種は部門内・上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進
  • 到達目標: I種は、自社の人事戦略を踏まえてメンタルヘルスケアの計画、産業保健スタッフや専門機関との連携、従業員への教育・研修を企画・立案・実施できること。II種は、部下の不調を防ぎ、不調が見られたときに安全配慮義務に沿って対応できること
  • 形式: I種は選択100点(2時間)+論述50点(1時間)、II種は選択100点(2時間)だけ
  • 合格基準: I種は合計105点以上かつ論述25点以上、II種は70点以上
  • 実施回数: I種は年1回(11月)だけ、II種は年2回(11月・3月)
  • 受験料(公開試験): I種は11,550円、II種は7,480円(どちらも税込。別に申込システム利用手数料495円)
  • 出題範囲: I種は9章、II種は7章の構成。どちらにも「ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識」の章がある

合格率は、同じ日に行われた11月の回どうしで比べると、差がはっきりします。

II種は回によって46〜61%と上下しますが、I種はどの回も2割前後です。同じ日の同じ会場で、I種の合格率は II種の半分以下にとどまっています。

「選択はII種と大きく変わらない、難しいのは論述」という声

体験記を読むと、I種の難しさは選択問題より論述にある、という声が目立ちます。

  • 1級FP技能士の たなぼう さんは、「選択問題の難易度はというとⅡ種に毛が生えた程度」
  • bold_broom さんは、「Ⅱ種とⅠ種と難易度はそんなに変わらない」
  • 一方で、産業保健師の nice_prawn さんは「難易度はⅠ種が群を抜いて高いです。」、会社員の 一人語り さんは II種を「仏」にたとえ、「1種は「鬼神」の顔をしていた。」と書いています

II種の知識は土台になります。2024年3月にII種を受け、その年の11月にI種に合格した ひぐ さんは、「Ⅱ種の試験範囲とⅠ種の試験範囲は重なっているところも多く」と書いています。ただし、どれだけ重なるかを公式が示した資料はありません。II種・III種を受けずに、いきなりI種に合格した人もいます。受験資格の制限は無く、どのコースからでも受けられます。

そもそもI種を受けるべきか

I種の価値については、受験者の意見が割れています。I種に合格した しゅり さんは「正直なところ、2種まで取れれば問題ない気がします」と書き、精神科の産業医であるおおた産業メンタルラボの筆者も、3コースを受けたうえでII種で十分だという結論を書いています。

判断の分かれ目は、公式の到達目標のとおり、社内のメンタルヘルス対策の計画を立てて動かす側かどうか です。人事労務・産業保健の担当者で、計画・研修・連携を担うならI種の範囲がそのまま仕事に重なります。部下を持つ管理職として必要な知識なら、II種が目的に合っています。


同じ日にII種とI種を併願できる

公式の受験要項には「Ⅰ種とⅡ種、Ⅱ種とⅢ種を同日に受験することも可能」とあります(受験要項)。11月の回は、II種が午前(10:00集合)、I種が午後(13:30集合)なので、1日で両方を受けられます。3月の回は II種・III種だけです。

実際に、2021年11月にI種と II種を同じ日に受けて両方合格した witty_mango さんのような例もあります。

どちらがよいかは目的で決まります。I種の合格が目的なら、I種だけに集中するのが素直です。II種を受けると午前の2時間を使い、そのあとに選択2時間と論述1時間が続くので、論述の前に疲れがたまります。一方、I種の合格率は約2割なので、「確実に何か一つ持ち帰りたい」人には II種の併願にも意味があります。

なお、第41回(2026年11月1日)の申込は9月17日に締め切られています。併願を考えるのは、来年受ける人です。


受験料・日程・結果の発表

  • 受験料: 11,550円(税込)+申込システム利用手数料495円(個人申込)
  • 実施: 年1回、11月の公開試験だけ。2026年度は 第41回・2026年11月1日(日)。申込は2026年9月17日で締め切られています
  • 結果: 第41回のI種は、WEBでの成績照会が 2027年1月8日(金)10:00から、合格証の発送が 2027年1月15日(金)。II種・III種(12月)よりひと月ほど遅くなります
  • 来年の日程: I種は11月だけなので、次に申し込めるのは2027年11月の回です。日程はまだ発表されていません。公式FAQには、次年度の日程は「3月下旬から4月以降」にホームページで案内するとあります(よくあるご質問)
  • 持ち物: 受験票、HBかBの黒鉛筆またはシャープペンシル、プラスチック消しゴム、身分証明書。時計は通信機能の無い腕時計だけで、スマートフォンは時計としても使えません(受験要項)

年1回しかないので、落ちると次は1年後です。2026年11月1日に受ける人は、ここから約5週間が勝負になります。


合格しても「称号」は無い

意外と知られていないのが、合格後の扱いです。

  • 合格者全員に合格証(カード)が届く。合格証明書は有料(1通1,320円)で発行できる
  • 名刺に「メンタルヘルス・マネジメント®検定試験●種合格」と書くことは、申請なしで認められている(よくあるご質問)。名刺以外の印刷物や講座名に使うときは申請が必要
  • 「○○士」のような独自の称号は、公式に記載がない
  • 有効期限や更新の制度は無い
  • 国家資格ではなく、商工会議所法に基づく検定試験
  • I種の合格者だけが登録できる「I種合格者フォーラム」があり、メールマガジンなどが届く

つまり、I種は「名乗るための資格」ではなく、社内のメンタルヘルス対策を企画できる知識を持っていることの証明 です。受ける目的をはっきりさせておくと、勉強の途中で迷いにくくなります。


まとめ:I種は「論述25点」と「選択80点」の両方を取る試験

  • 形式は 選択100点(2時間)+論述50点(1時間)。会場受験だけで、年1回・11月だけ
  • 合格基準は 合計105点以上かつ論述25点以上。論述25点なら選択80点が必要
  • 論述24点以下は、選択が満点でも不合格。論述の模範解答・採点基準は非公開
  • 合格率は直近6回で 平均約19.9%。同じ日のII種の半分以下
  • 選択はII種と大きく変わらないという声が多く、差がつくのは論述
  • 同じ日にII種(午前)とI種(午後)を併願できる
  • 受験料は11,550円+手数料495円。合格しても称号は無く、名刺に「●種合格」と書ける

次回の第3回では、「勉強時間は100時間?」をテーマに、合格者が書いていた勉強時間の実数と、本番まで約5週間の人・来年受ける人それぞれの逆算プランを見ていきます。


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※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ずメンタルヘルス・マネジメント検定試験 公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。論述の形式についての記述は、公式には公表されていないため、受験者の体験記にもとづいています。

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