メンタルヘルス・マネジメント検定I種 時間配分と論述の手書き練習

メンタルヘルス・マネジメント検定 I種 攻略シリーズの第9回です。この連載では、第1回でI種の受験者33人の合格・不合格体験記を読み込み、大阪商工会議所の公式情報と突き合わせて、合格に効くやり方を整理してきました。
第41回 I種は 2026年11月1日(日) です。本番まで、ちょうど1か月になりました。
今回は、試験当日の時間の使い方と、そのための「手書きの練習」を扱います。体験記を読んでいて強く感じたのは、論述で時間が余ったという人がほとんどいない ことです。
選択問題は時間が余り、論述は時間が足りない。この非対称をどう扱うかが、当日の作戦のすべてです。
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、I種では選択問題の形式の500問を用意しています。論述の手書きは、アプリでは練習できません。だからこそ選択の演習は通勤などのスキマ時間に1問ずつ回せる作りにして、机に向かえる時間を手書きの練習に残せるようにしています。
当日の時間割:選択2時間と論述1時間は別枠
まず公式の時間割です。I種は午後に行われ、前半が選択問題、後半が論述問題です(大阪商工会議所 受験要項)。
- 前半(選択問題): 2時間。集合時刻 13:30
- 後半(論述問題): 1時間。集合時刻 16:00
- どちらも集合時刻から試験の説明が約15分前後あり、問題・解答用紙が配られてから開始
- 「選択問題と論述問題の試験の間に若干の休憩を挟みます。」
試験が何時何分に始まり、何時から途中退出できるかは、公式サイトには書かれていません。2024年の回を受けた はなえみ さんは、自分の会場のタイムテーブルを「会場(教室)により数分のズレがあります。」と断ったうえで記録しています。それによると、選択問題は13:45〜15:45、退出できるのは14:15〜15:35でした。2022年に受けた こか さんの記録でも、選択は13:45開始、論述は16:15開始・17:15終了です。

ここで押さえておきたいのは、選択と論述が別枠 だということです。選択問題を1時間で解き終えても、余った1時間を論述に回すことはできません。mynote_k さんも、選択で途中退出した分の時間を論述に回せたらいいのに、と受験直後の記事でこぼしています。
選択問題:途中退出の実態と、余った時間の使い方
体験記では、選択問題を最後まで座って解いた人はほとんどいませんでした。
- 「選択問題は、14:50頃に退出しました。」(はなえみ。約55分で解き終え、見直してから退出)
- 「選択問題は時間が余るため、途中退出する人が多かったです」(ねぎ。本人も開始から約1時間で退出)
- こかさんは開始から75分、15時ごろに退出
- たなぼう さんは、たっぷり見直して約1時間半で退出し、見直しでマークミスを1問見つけています
2025年に受けた rakentaa さんによると、退出できるのは試験開始30分後からで、早い人は手を挙げてマークシートを提出し、教室を出ていくそうです。公式の注意事項には「試験中に一旦退出すると再入室できません。」とあります(受験要項)。
早く出ることより、見直しを終えてから出ること
周りが次々に退出すると、焦って自分も出たくなります。ここで思い出してほしいのが、I種の合格基準です。合計105点以上、かつ論述25点以上。論述が25点ぎりぎりなら、選択は80点必要になります。
2025年の回で論述26点で合格した yy_mogu さんは、論述の勉強時間がなくなると焦って早く退出し、見直しが雑になったと反省しています。自己採点では3問の間違いだったのが、実際は6問の間違いでした。rakentaa さんは、最も適切なものを選ぶのか、最も不適切なものを選ぶのかの読み違いで毎回点を落としていたと書き、2025年は論述28点で基準を超えながら、選択が11点足りずに不合格でした。
選択の余り時間の使い方は、次の順番をおすすめします。
- 全問を解き終えたら、マークのずれ(問題番号と解答欄)を確認する
- 「最も適切」「最も不適切」を問題ごとに指でなぞって読み直す
- 迷った問題を見直す。ただし、はなえみさんのように、見直しで迷って直すと大抵間違っていたという経験がある人は、根拠がない限り直さない
- それでも時間が余ったら退出し、論述の最後の暗記に移る
「適切/不適切」の読み違いは、当日の注意だけでは減りません。ふだんの演習から、設問の条件に印を付けてから選ぶ癖をつけておきます。私たちのアプリにも本番形式テストがあり、解き終えたあとに、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認できます。全問の解説で正解の理由と各選択肢の正誤まで読めるので、読み違えた問題はなぜ違うのかをその場で確かめられます。解説に出てくる用語はタップすると専用の用語辞書が開くので、選択問題の側は、本を別に読み込まなくても問題演習だけで理解まで進められます。論述の練習に時間を振るほど、選択は通勤中などのスキマ時間の問題演習で仕上げる形が現実的です。
休憩時間:論述前の「最後の暗記」に使う

途中退出してから論述の集合時刻までが、論述の前に使える最後の時間です。rakentaa さんの会場では、選択の終了から論述まで30分のインターバルがあり、早く退出した人たちが廊下で問題集やノートを見ていたそうです。
こかさんは、選択を終えた時点で思いのほか疲れていたので、先に20分ほど散歩や休憩をして、持ってきたチョコとお茶で回復してから復習に移っています。このとき見返したのは、選択問題で出なかった箇所 でした。選択で出たワードの定義を論述で書かせることはないだろう、という読みです。
ひぐ さんも、休憩中は、当日の選択問題で出たテーマと、過去3〜4年の論述で出たテーマは軽く見るだけにして、それ以外を重点的に見直しました。この方法で論述の大問2つとも的中したと書いています。
逆に、keen_chimp586 さんは、休憩中に選択の分からなかった部分を確かめたり、家族に連絡したりして時間を使ってしまい、「この時間をもっと有効活用できていればよかったと思う。」と振り返っています。同じ記事には「直前に見た文章が論述試験に出る」という経験も書かれています。
休憩を活かすための準備は、前日までに済ませておきます。
- 論述用の自作ノートやカードを 1冊・1束にまとめて 持っていく(会場であれこれ見比べ直す時間はない)
- 軽く食べられるもの・飲み物(公式に「試験時間中の飲食・喫煙はできません。」とあるので、口にするのは休憩中だけ)。おざわ さんも、小腹を満たせるものと勉強できるものを持っていくよう勧めています
- 体温を調整できる服。rakentaa さんは天気が良い日に薄着で行き、選択の最中に冷えて困ったと書いています。公式も「体温調整ができる服装でお越しください。」と呼びかけています
論述60分の手順例:こかさんの経過時間
論述の問題数・字数・採点基準は、主催者が公表していません。以下は 受験記に書かれた民間の情報 です。
体験記からわかる形式は、大問2問・設問は計4問程度(まーさん、keen さん、はなえみさん)。mynote_k さんの回は1問あたり「250字、350字、250字」程度の設問が並び、2022年に受けた モン さんは「1時間で1200字近くの文章を書くのは」大変だと書いています。
こかさんは、受験当日の note に経過時間を細かく残しています。これを図にしたのが次の配分です。

- 0〜5分: 事例文より先に設問を読み、思い浮かんだキーワードを下書き用紙に書き出す
- 5〜15分: 問題文(事例)を読み、キーワードを書き足す
- 15〜45分: キーワードをもとに、できる箇所から文章にする
- 45〜55分: どうしても分からなかった設問を、何とか埋める
- 55〜60分: 氏名・受験番号の記入を確認し、読み返して漢字の間違いを直す
別の手順を取った合格者もいます。じょにー さんは、キーワードを洗い出して順番を決めてから書く方法には反対で、「わたしは瞬発力が大事だと思いました。」と書いています。まず設問だけ読んで書けるかどうかを判断し、事例文は後回しにして、書けるものから書く。ただし、これは選択で80点以上取れる場合の話だと断っています。
2人に共通しているのは、事例文より設問を先に読む ことと、書ける設問から先に手をつける ことです。
下書きは「キーワードのメモ」まで
下書き用紙は配られますが、清書前提で文章を書く時間はありません。
下書き用紙や問題用紙に書くのはキーワードの箇条書きまでにして、文章は解答用紙に直接書く。これが体験記の多数派です。
全員が「時間が足りない」側だった
論述の時間について、余裕があったと書いた人は見つかりませんでした。
- まーさんは、メモ用紙にまとめる時間はなく、終盤は追い込まれながら書き込むので精一杯だった
- mynote_k さんは、時間が足りなくて全部は埋められなかった
- keen さんは、答えても100字以上余る設問と、半分ほど空欄の最後の設問が残った
- 2021年に合格した witty_mango522 さんも「本番では、あっという間に時間が過ぎ、見直しの時間はほぼありませんでした。」
ねぎさんは「論述問題は1時間しかないため、途中退席する方はほとんどいなかったです」と書き、はなえみさんの会場でも論述で途中退出したのは2〜3人でした。
時間が足りなくなる前提で、最後の10分で全設問に何かしら書いてある状態 を作るのが現実的な目標です。論述の基準は25点で、こかさんの合格体験記の言葉を借りれば「論述の24点と25点では雲泥の差です!」。分からない設問を空欄のまま出すのがいちばん大きな失点になります。
方眼ノート・原稿用紙で「字数」と「時間」を測る
本番の形式で書く練習をしていたかどうかで、当日の手応えが分かれています。keen さんは本番で論述の対策不足に気づき、「何分で何文字以内で記述する」練習をしていなかったことを最大のミスに挙げています。
合格者が使っていた道具は、どれも安いものです。
- 5mm方眼ノート: こかさんは、5mm方眼のノートで字数を数えながら書いた
- ドット入りルーズリーフ: ねぎさんは、バインダーにまとめたかったのでドット入りルーズリーフを使い、字数が分かれば原稿用紙でもいいと書いている
- 100均の方眼ノート: たなぼうさんは方眼ノートで練習したが、練習では最後まで指定の字数に届かなかった。それでも本番では、句読点で調整しないと字数オーバーするほど埋まった設問もあったという
- 原稿用紙: witty_mango522 さんは、予想問題を1回、原稿用紙に時間内で書いた。必要なワードを想起して、構成を考えて、時間内に書くという一連の練習は「やったほうが良い」と書いている
練習のやり方

本番まで1か月あれば、次の3段階で十分に間に合います。
- 自分の筆速を測る: 知っているテーマで、鉛筆かシャープペンで10分間書き、何字書けたかを数える
- 設問1つを時間を決めて書く: 過去問の論述の設問を1つ選び、字数を決めて書く。書き終えたら、使ったキーワードに印をつけて数える
- 60分の通し練習を週1回以上: 設問4つ程度を、こかさんの配分どおりに60分で書き切る。題材は過去の論述の設問のほか、第7回・第8回で挙げたテーマ(4つのケア、ストレスチェック、職場復帰支援など)で自分で作った予想設問でもよい
目安として、合計1,200字前後(モンさんの受験記)を、文章化に使える40分ほど(こかさんの配分の15〜55分)で書くとすると、1分あたり30字になります(計算)。ここから逆算して、自分の筆速がどれくらい足りないか・余るかを確かめておきましょう。
漢字を手で書く練習
パソコンで仕事をしていると、手書きで漢字を思い出せないことに本番で気づきます。
- おざわさんは「紙とペンを使って漢字を思い出す練習もした方がよいと思います。」と書き、本番では何か所かひらがなでごまかした
- こかさんは、下書きでは正しく書いていた「孤立」を、解答用紙で「狐立」と書いてしまった。漢字が思い出せないときは、思い出すより他の表現を探すほうが手堅いかもしれない、と振り返っている
- じょにーさんは、苦手な漢字を何度も手で書いて練習した
I種の論述で使いそうな語は、問題演習の解説によく出てくる語や、第8回で挙げた厚労省の指針・手引きの見出しから拾えます。事例性・疾病性、衛生委員会、安全配慮義務、職場復帰支援、ハラスメントなど、よく使う語を10〜20個選び、1日5分でいいので手で書く 習慣をつけておくと安心です。
持ち込めるものと、練習の筆記具
公式の受験要項で、当日に持参するものは次のように決まっています(受験要項)。
- 受験票
- 筆記用具: 「HBまたはBの黒鉛筆もしくはシャープペンシル、プラスチック消しゴムのみ」
- 身分証明書(氏名・生年月日・顔写真がそろったもの。電子の社員証や証明書は不可)
時計については「試験会場によっては時計がない場合があります。」とされ、使えるのは原則として情報通信機能のない腕時計だけです。スマートフォンや情報通信機能のある腕時計は、時計としても使えません。論述の配分を守るには手元の時計が欠かせないので、通信機能のないアナログかデジタルの腕時計を用意しておきます。
練習も、本番と同じ 鉛筆かシャープペンと消しゴム で行いましょう。ボールペンや万年筆に慣れていると、芯が折れる・消しゴムで紙がよれる、といった細かい違いが本番で響きます。yy_mogu さんは出発直前にシャープペンが見つからず、駅前で買ったそうです。筆記具は前日に鞄に入れておくのが確実です。
同じ日に II種も受ける人へ
公式には「Ⅰ種と Ⅱ種、Ⅱ種とⅢ種を同日に 受験することも可能です。」とあり、第41回の申込で両方を申し込んだ人もいるはずです(受験要項)。II種は 10:00集合・2時間、I種は13:30集合なので、午前にII種、午後にI種の選択と論述、という1日になります。witty_mango522 さんは2021年にこの形で両方に合格しています。
同日受験で気をつけたいのは、次の3点です。
- 試験は合計5時間。II種の2時間のあとに、I種の選択2時間と論述1時間が続く。論述は最後の1時間なので、そこで集中力を残せるかどうかが勝負になる
- 昼の過ごし方: II種は説明の15分前後を含めると正午を過ぎて終わる計算なので(公式の集合時刻と試験時間からの計算)、I種の集合までの時間は長くない。昼食は軽めにし、論述ノートを見返す時間を残す
- II種の途中退出も使える: II種で見直しを終えたら早めに出て、休憩とI種の準備に時間を回す
まとめ:時間の余る選択と、足りない論述
- 当日は 13:30集合で選択2時間、16:00集合で論述1時間。2つは別枠で、選択の余り時間は論述に回せない
- 選択は多くの人が1時間前後で退出する。ただし論述25点なら選択は80点必要。マークと「適切/不適切」の見直しを終えてから 出る
- 休憩は論述の最後の暗記に。選択で出なかったテーマを中心に、自作ノート1冊だけを見る
- 論述60分は、設問を先に読みキーワードを出す15分 → 文章化 → 最後の5分で確認。下書きはキーワードのメモまで
- 全員が時間の足りない側。全設問に何か書いてある状態 を目標にする
- 方眼ノートや原稿用紙で、字数と時間を測った手書き練習 を週1回以上。漢字も手で書く
- 筆記具は本番と同じ鉛筆・シャープペン・消しゴム。通信機能のない腕時計 を忘れない
次回の第10回は連載の最終回です。I種に落ちた人の体験記9件から原因を分析し、本番4週間前からのチェックリストにまとめます。
メンタルヘルス・マネジメント検定I種の500問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、メンタルヘルス・マネジメント検定I種のオリジナル問題500問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップでメンタルヘルス・マネジメント検定I種専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
- 解説を読んでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問。Google検索もワンタップ
- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
- 本番形式テストで、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認
- 広告なし。全教材は無料体験できます
メンタルヘルス・マネジメント検定I種のほか、100以上の資格・検定(レビュー中含む)が1つのアプリで使い放題です。アプリ内の教材追加画面で「メンタルヘルス・マネジメント検定I種」と検索してください。
※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の時間割や持ち物、注意事項は変わることがあるので、受験前に必ずメンタルヘルス・マネジメント検定試験 公式サイトと受験票で確認してください。論述の形式・字数・採点は公式には公表されておらず、本文の論述に関する記述は受験記に書かれた民間の情報です。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。