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ITパスポートの分野別足切りで落ちない方法

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

ITパスポートの分野別足切りで落ちない方法

ITパスポート攻略シリーズの第6回です。この連載では、2025年以降に公開された合格・不合格体験記42人分を読み込み、IPAの公式情報と突き合わせて、合格に効くやり方を整理しています。

今回のテーマは 分野別の基準(各分野300点) です。総合点ばかりを気にしていると見落としやすいのですが、体験記を読むと、総合点はあと少しだったのに1つの分野に足を引っ張られた、という落ち方がどの分野でも起きています。しくみを確認したうえで、評価対象がいちばん少ないマネジメント系の攻略と、「1分野だけ低い」を早めに見つける方法をまとめます。

この連載を書いている私たちは、資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っています。本番形式のテストのあとに、合格率だけでなく弱点のカテゴリをグラフで出すようにしているのは、この1分野だけ低い状態を、本番の前に自分で見つけられるようにするためです。


分野別基準のしくみ:600点を超えても不合格になる

ITパスポートの合格基準は、次の4つをすべて満たすことです(iパス 試験内容・出題範囲)。

  • 総合評価点が600点以上(1,000点満点)
  • ストラテジ系の分野別評価点が300点以上(1,000点満点)
  • マネジメント系の分野別評価点が300点以上(同)
  • テクノロジ系の分野別評価点が300点以上(同)

公式FAQは、総合600点以上で1分野だけ300点未満だった場合について、こう答えています。

「合格基準を満たすには、総合評価点が600点以上であるとともに、すべての分野別評価点が300点以上である必要があります。分野別評価点のうち一つでも300点未満の分野があると、合格基準を満たしません。」

(iパス FAQ。iパス専用サイトは9/28のメンテナンス明け以降に開けます)

評価対象は92問、マネジメント系は18問しかない

試験は120分・100問ですが、採点に使われるのは 92問 です。残りの8問は、今後出す問題を評価するためのもので、どれがそうなのかは公表されていません。92問の分野別の内訳は次のとおりです(試験要綱 Ver.5.6)。

  • ストラテジ系: 32問
  • マネジメント系: 18問
  • テクノロジ系: 42問

「◯問正解で300点」とは言えない

採点はIRT(項目応答理論)という方式で、試験要綱でも問題ごとの配点割合は「IRTによる」とされ、1問◯点という決まった配点はありません。つまり 正答数を点数に換算する式は公開されていません。同じ正答数でも、どの問題に正解したかで点数は変わり得ます。

そのため「マネジメントは◯問取れば大丈夫」と言い切ることはできません。確実に言えるのは、マネジメント系は評価対象が18問と少ないぶん、1問あたりの重みが他の分野より大きくなりやすい ということです。民間の解説でも、マネジメント系は出題数が少なく後回しにされやすいため足切りのリスクがいちばん高い、と指摘されています。ストラテジとテクノロジが満点でもマネジメントがごく少ない正答数なら不合格になり得る、という例示もあります(問数の目安はその解説の推定で、IRTのため公式の換算ではありません)。


1分野で落ちた人たち:マネジメントだけではない

では実際に、分野別の点数で苦しんだ人はどのくらいいたのか。体験記のうち、分野別の点数を本人が公開していた不合格者をまとめると、次のようになります。

300点を割って落ちた例(F4)

分野別基準そのもので落ちたのが きのこmama さん(F4)です。合格編の記事の中で、1回目の不合格を「前回マネジメント分野275/300のせいで落ちた」と書いています。

1回目はテキストをほとんど読まず、計算問題の演習もほぼしないまま受験しました。2回目に向けて過去問の演習サイトで分野ごとの出来を見たところ、マネジメント分野の中でも プロジェクトマネジメントが突出して苦手 だとわかったそうです。そこから実質7日間、苦手のマネジメントを集中的に解き、計算問題を特訓して、約1か月後に630点で合格しています。本人のまとめは「計算からは逃げられない、ということですね。」でした。

300点は超えたが、1分野に引っ張られた例

図を見ると、F4以外は300点を割っていません。それでも落ちたのは、1つの分野の低さが総合点を600点の下に引きずり下ろした からです。

  • F3(マネジメント440): 学びも旅も、少しずつ の筆者は、ストラテジ535・テクノロジ605に対してマネジメントが440で、総合595点。「あと少しでも落ちは落ち。」と書いています。2回目は弱点を数字で見て、どの分野も大きく崩さないようにして635点(マネジメント625)で合格しました。教材も勉強時間も増やしておらず、「やり方を変えたからだと思っています。」とのことです(この記事は筆者が生成AIで作成・編集したと明記しており、学習サービスへのアフィリエイトがあります)。
  • F13(テクノロジ370): Liliscend さんは、ストラテジ450・マネジメント500に対してテクノロジが370。「敗因は明確でした。テクノロジ分野です。」と分析しています。
  • F15(テクノロジ420→465): 掲示板に相談を投稿した もちさん は、1回目545点、2回目580点。どちらもテクノロジがいちばん低く、「テクノロジは知らない言葉もあり」と書いています。
  • F2(ストラテジ400台): かとう さんは1回目570点で、ストラテジ系が400点台でした。2回目はストラテジを意識して見直し、600点超で合格しています。
  • F11(得意なはずのストラテジが最低): 40代のメガネ さんは590点で不合格。民間時代に技術士などを取った経歴があり、ストラテジは得意なつもりでしたが、ERP・CRMといった略語の暗記を後回しにした結果、3分野でいちばん低かったそうです。

ほかにも、点数は画像のみですが、じゅん・くるーにー さん(F1)は「特にマネジメント系が酷い」と振り返っています。

ここから言えるのは、足を引っ張る分野は人によって違い、「得意なはず」の分野でも起きる ということです。マネジメントだけ気をつければよい、という話ではありません。逆に、300点を超えていれば分野の低さそのものは失格理由になりません。たとえば ほひ さん(T19)はストラテジ475でも、マネジメント780で補って610点で合格しています。


マネジメント系18問の頻出テーマ

とはいえ、評価対象が18問と少なく、1問の重みが大きいマネジメント系は、最初から計画に入れておきたい分野です。範囲はシラバスの大分類3つ(開発技術・プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント)だけで、出る論点もかなり決まっています。

令和8年度の公開問題(100問中、マネジメント系は20問)では、ITガバナンス・内部統制、WBS、概算見積り、プロジェクト憲章、最短日数の計算、サービスデスク、問題管理、SLA、システム監査、アジャイル(反復型)が出ました(論点の分類は民間の過去問解説サイトによる)。それぞれ、シラバスVer.6.5の説明に沿って要点をまとめます(シラバス Ver.6.5)。

プロジェクトマネジメント

  • プロジェクト憲章: プロジェクトの立ち上げ時に、目的や概要を正式に認めるための文書。「プロジェクトを始めるときに作るもの」と押さえる
  • WBS: プロジェクトの作業を細かい単位に分解して、階層で整理したもの。「作業の分解」と出てきたらWBS
  • 最短日数の計算(アローダイアグラム): 作業のつながりを矢印で表した図から、全体が終わるまでの最短日数を求める問題。いちばん長くかかる経路(クリティカルパス)の日数が、全体の最短日数 になる

計算のイメージを簡単な例で示します(説明のための例で、実際の出題ではありません)。作業A(3日)と作業B(5日)を同時に始め、両方が終わってから作業C(2日)に入るとします。Cは、遅いほうのBが終わる5日目まで始められないので、全体の最短日数は 5+2= 7日 です。経路を全部書き出して、いちばん長いものを選ぶ、という手順さえ覚えれば、電卓なしでもメモ用紙で解けます。

サービスマネジメント

  • ITIL: サービスマネジメントのフレームワーク(運用のよい実践例をまとめたもの)
  • SLA(サービスレベル合意書): サービスの内容と、合意した品質(稼働時間・対応時間など)を、提供者と顧客のあいだで取り決めた文書
  • サービスデスク: 利用者からの問合せを一つの窓口(SPOC)で受け付ける機能。令和8年度は、サービスデスクの効率化を計算させる問題も出ています
  • インシデント管理と問題管理: インシデント管理は「とにかく早くサービスを元に戻す」、問題管理は「根本原因を突き止めて再発を防ぐ」。この違いは定番のひっかけです

システム監査・内部統制

  • システム監査: 独立した立場のシステム監査人が、情報システムのリスクに適切に対応できているかを検証・評価し、保証や助言をする。流れは、監査計画の策定 → 監査の実施(予備調査・本調査・評価・結論)→ 監査報告とフォローアップ
  • 内部統制: 組織が健全かつ効率的に運営されるように、自ら作って運用する仕組み。業務プロセスの明確化、職務分掌(担当を分けること)、ルールの設定、チェック体制が柱
  • ITガバナンス: 経営陣が、ITの利活用のあるべき姿(IT戦略と方針)を示し、実現させる活動

開発技術

  • アジャイル: 短い期間で開発と見直しを繰り返し、変化に素早く対応する開発手法。スクラム(スプリント・プロダクトバックログなど)、ペアプログラミング、テスト駆動開発などの用語とセットで出る
  • ウォーターフォールモデル(工程を順番に進める)との違いを説明できるようにしておく

仕事で会議やスケジュール管理をしている社会人なら、プロジェクト憲章やSLAはイメージしやすいはずです。一方、F4のきのこmamaさんのように プロジェクトマネジメントの計算だけが極端に苦手 というケースもあるので、最短日数と見積りの問題は必ず手を動かして解いておきましょう。インシデント管理と問題管理のように似た用語は、問題を解いて間違えたときに、解説で各選択肢のどこが違うのかを確かめるのがいちばん早く覚えられます。


「1分野だけ低い」を本番前に見つける方法

分野別の点数は、本番の画面ではじめて知るものではありません。練習の段階で分野ごとに正答率を見ていれば、前もって気づけます。

3分野の正答率を別々に記録する

いちばん確実なのは、分野を指定して解き、正答率を分野ごとに記録することです。

  1. 週に1回、ストラテジ・マネジメント・テクノロジをそれぞれ同じ問題数(たとえば各20問)だけ解く
  2. 分野ごとの正答率を、日付と一緒に記録する
  3. 3分野のうちいちばん低い分野を、翌週の重点にする
  4. 100問の通し演習でも、総合点だけでなく分野ごとの正答率を出す

この記録を手作業で続けるのが面倒なら、道具に任せる手もあります。ナレッジバンドルでは、本番形式のテストを解くと合格率と弱点カテゴリがグラフで出るので、自分で表を作らなくても「どこが低いか」が見えます。見つかった弱点は「間違えた問題だけ」に絞って解き直し、忘却曲線にそって自動で出される復習で定着させる、という流れを1つのアプリの中で回せます。

目安として、民間の解説では、5割(500点)付近を安全圏の目安とする考え方が紹介されています。ここから、どれか1分野の正答率が5割を切っていたらその分野を優先する、というのが一つの目安になります。ただしIRTのため、正答率がそのまま点数になるわけではありません。あくまで「分野のバランスが崩れていないか」を見るための物差し として使ってください。

F3の筆者が2回目で変えたのも、まさに弱点を数字で見ることでした。F4のきのこmamaさんも、過去問の演習サイトで分野別の出来を見て、プロジェクトマネジメントという弱点を特定しています。

マネジメントを1日で固めた例(T14)

マネジメント系は範囲が狭いので、短期間でまとめて固めることもできます。2026年9月に受験した nyangi719 さん(T14。記事時点では正式発表前で、試験結果の画面上で665点・各分野620〜640点)は、計算が苦手だったので、過去問の演習サイトの計算問題なしの設定で マネジメント分野だけを過去10年分、約160問、1日かけて集中的に演習 したそうです。間違えた問題や知らなかった用語はノートにまとめています。

本人は「この「1つ得意分野を作る」作戦は、自分に合っていたように思います。」と振り返っています。結果は3分野とも600点台で、どの分野も崩れていません。

ただし、T14さんのやり方では計算問題を外しています。F4さんのように計算で落とした例もあるので、計算問題は別の日にまとめて練習する とよいでしょう。


2026年に受ける人へ:日程と新制度

9月28日以降の新規申込で選べるのは、2026年12月27日までの試験日 です。12月28日からはシステム入れ替えのため試験が一時休止になり、会場によってはそれより前に終わります(IPA)。

また、2027年度からは新しい試験制度になり、分野が「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に組み直される予定です(IPA)。新制度でも分野別の基準が残るのか、配点や合格基準はどうなるのかは、まだ公表されていません。年内に今の試験で受けるなら、今回紹介した3分野のバランスを意識した対策がそのまま使えます。


まとめ:総合点より先に、3分野の「底」を見る

  • 合格には 総合600点以上に加えて、3分野とも300点以上 が必要
  • 評価対象は92問で、マネジメント系は18問と最少。IRTのため換算式は非公開で、「◯問で合格」とは言えない
  • 1分野で苦しんだ例は、マネジメント(F4・F3)、テクノロジ(F13・F15)、ストラテジ(F2・F11)と どの分野にもある
  • マネジメント系は、WBS・プロジェクト憲章・最短日数・SLA・サービスデスク・システム監査・内部統制・アジャイルが定番。範囲が狭いので 短期間で固められる
  • 分野を指定して解き、3分野の正答率を毎週記録する。弱い分野は間違えた問題だけを解き直す

次回の第7回は、ストラテジ系を取り上げます。法務(取適法・著作権と生成AI)、経営戦略、計算問題、そして略語の覚え方を、ストラテジで苦しんだ人の体験記と一緒に見ていきます。


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※この記事は2026年9月25日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ずiパス公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。

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