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ITパスポートの時間配分と当日の解き方

公開 ・ ナレッジバンドル編集部

ITパスポートの時間配分と当日の解き方

ITパスポート 攻略シリーズの第5回です。この連載は、第1回で2025年以降に公開された合格・不合格体験記42人分を読み込み、IPA(情報処理推進機構)の公式情報と突き合わせて書いています。

今回のテーマは、試験当日の時間の使い方と解き方 です。勉強の中身と同じくらい、当日の動き方で点数は変わります。体験記には、知識は足りていたのに当日の動き方で落とした、と本人が振り返っている例がはっきり残っていました。

120分で100問なので、1問に使えるのは72秒です。私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていますが、アプリに本番形式のテストを入れているのは、この72秒の感覚を試験の前に一度つかんでおけるようにするためです。


120分で100問、1問あたり72秒

まず、試験の形を確認しておきます。ITパスポートは CBT方式・120分・100問(四肢択一) で、1問あたりの平均は72秒です(IPA 試験区分ページ)。中問はなく、すべて小問です。

72秒と聞くと余裕がありそうですが、体験記で書かれた所要時間はばらばらでした。

  • 約40分で解き終え、見直しをせずに終了して860点(福祉ITラボ。【PR】アフィリエイトのある記事)
  • 手間のかかりそうな計算問題をすべて飛ばし、約60分で退出して615点(からす)
  • 残り20分で終了して605点(orz.take.1)
  • 「試験時間ですが、意外とギリギリでした」(WithoutPickles)
  • 1年分を通しで解いたことがなく、時間配分がわからないまま時間いっぱいまで解いて不合格(きのこmama)

早く終わる人も、ぎりぎりになる人もいます。共通して言えるのは、時間が余っても足りなくても、本番の前に配分を決めておかないと迷う ということです。


当日の時間配分:1周目80分 → チェックした問題30分 → 空欄確認10分

体験記と、受験画面を説明している民間の解説をもとに、この連載では次の配分を目安にしています。

  1. 1周目(80分): 100問すべてに答える。1問48秒のペースです。すぐ分かる問題はその場で答え、迷った問題も仮の答えを選んでからチェックを付けて先へ進みます
  2. チェックした問題(30分): 1周目で後回しにした計算問題や、迷った問題に戻ります
  3. 空欄確認と見直し(10分): 答えていない問題がないかを一覧で確かめ、残りの時間で問題文を読み直します

会場には時計を持ち込めません。残り時間は画面に表示されるので(iパス FAQ)、画面の残り時間を目印にする のが現実的です。「残り100分で25問目」「残り80分で50問目」「残り60分で75問目」「残り40分で100問目」と、25問ごとに確かめると遅れに早く気づけます。

この配分は公式が示したものではなく、あくまで目安です。再受験で合格した かとう さんは、2回目は最初の60分で一通り解き、残りの60分で最初から見直して合格しました。1周目にかける時間は人によって違ってかまいません。大事なのは 見直しの時間を最初から予定に入れておくこと です。


見直しのチェック機能を使う

受験画面には、あとで戻りたい問題に印を付ける機能があります。民間の資格情報サイトの解説(2022年6月時点の画面)によると、「後で見直すためにチェックする」ボタンを押すと青いピンが付き、「解答見直し」ボタンから一覧を開いて、その問題に戻れます。

なお、これは民間の説明です。iパス専用サイトは2026年9月28日(月)10:00までメンテナンスで止まっていたため、公式の画面説明はこの記事では確認できていません。画面の細部は変わることがあるので、受験前にiパス公式サイトの案内も確認してください。

体験記でも、この機能を使った人がいます。

  • 「見直す」ボタンで後回しにし、計算問題も後回しにした(orz.take.1)
  • 「あとで見直す」フラグを立てた問題は、番号と内容をメモ用紙に書いておいた(Latte014)

チェックを付けた問題の番号をメモ用紙に書いておくと、2周目で「何に迷ったか」をすぐ思い出せます。


迷ったら飛ばす。ただし空欄にはしない

1問に時間をかけすぎないことは、合格者がよく書いていたコツです。2025年12月に合格した mmc さんは、本番で「「迷ったら一度飛ばす」を意識し」たと書いています。1回目に595点で落ちた 学びも旅も、少しずつ さんも、合格した2回目はわからない問題に時間を溶かさずに先へ進みました(【PR】アフィリエイトのある記事)。

ただし、飛ばすときに 空欄のまま進まない ことが大切です。前述の資格情報サイトの解説も、自信のない問題でもとりあえずどれかの選択肢を選んでおくよう勧めています。別の受験情報サイトも、残り5分になったら「解答状況」を開き、空欄がないようにすべて答えるよう勧めています。

四肢択一なので、何か選んでおけば正解の可能性は残ります。空欄のままだとその可能性がゼロになります。仮の答えを選んでからチェックを付ける を習慣にしておきましょう。


30分余らせて退出し、580点で不合格になった例

今回いちばん伝えたいのがこの体験記です。製薬会社に勤める まっし さんは、580点(ストラテジ615・テクノロジ510)で不合格でした。合格ラインの600点まで、あと20点です。

本人が最大の後悔として挙げたのは、「30分時間を余らせて退出してしまったこと」でした。「最も適切なもの」「誤っているもの」といった問われ方を丁寧に見直していれば、結果は変わったかもしれない、と振り返っています。自己分析はこうです。

「理解はできているのに、精度で落としている。」

ITパスポートは、解答を終えれば終了時刻の前でも退室できますが、一度退室すると戻れません(iパス 試験当日の案内)。採点はIRT(項目応答理論)という方式で、何問正解すれば何点になるかは公開されていません。それでも、合格ライン前後で落ちている体験記が多いことを考えると、見直しで拾える1問の重みは小さくありません。

逆に、見直しで救われた人もいます。知識ほぼゼロから2か月で合格した nino-san さんは、見直しで誤答を見つけたうえで、こう書いています。

「見直しは絶対にやった方がいいです」

40代後半で合格基準を超えた lapis さんも、見直しを終えたあと残り20分は退出せず、最後まで席にいました。時間が余ったら、それは見直しに使う時間 と考えておきましょう。


計算は会場のメモ用紙で手計算。時計もない

CBT会場では 電卓を使えません。会場が用意するメモ用紙とシャープペンシルを使い、自分の筆記用具は持ち込めません。メモ用紙には試験開始前に何も書けず、持ち帰りもできません(iパス 試験当日の案内、iパス FAQ)。

体験記でも、電卓がなく手計算だったと書いた人が複数いました(orz.take.1、村中仁斗)。ふだんの演習から電卓を使わず、紙に書いて計算する練習をしておくと本番で慌てません。

計算問題を後回しにするのは有効ですが、捨てきるかどうかは慎重に考えたほうがよいところです。1回目に計算問題の演習をほとんどせずに落ちた きのこmama さんは、合格したあとに「計算からは逃げられない、ということですね。」と書いています。計算問題をどう絞って対策するかは、第8回のテクノロジ系の回でくわしく扱います。


当日の持ち物と禁止事項

受験票は送られてきません。確認票は自分でiパスサイトからダウンロード して持っていきます。持ち物と、机に置けるもの・カバンにしまうものを1枚にまとめました。

  • 必ず持っていくもの: 確認票(印刷できなければ受験番号・利用者ID・確認コードの控え)、顔写真付きの本人確認書類(原本のみ)、机に置けないものをしまうカバン
  • 机に置けるもの: ハンカチ、ポケットティッシュ、目薬、水、確認票、受験者注意説明書、会場のメモ用紙とシャープペンシル
  • 水は 無色透明のペットボトル1本(1000ml以下)で、ラベルを剥がしたもの に限られます。お茶やスポーツドリンクは置けません
  • 時計(腕時計を含む)、電卓、携帯電話、ウェアラブル端末、電子辞書、参考書などは、すべてカバンにしまいます。しまっていないと不正行為の扱いになり、答案は採点されません

出典は iパス 試験当日の案内 と iパス FAQ です。体験記でも、飲み物は透明の水だけだった(Latte014)、荷物はすぐに預けるので最後のインプットは早めに済ませておく(mmc)、会場の建物を間違えて開始20分前に受付した(lapis)、会場がとても寒かった(WithoutPickles)といった声がありました。会場の場所は前日までに確認し、空調に備えて羽織るものを1枚持っていくと安心です。

遅刻した場合も、申し込んだ回の時間内なら入室できます。ただし終了時刻は延びません。


会場の予約は早めに。2026年は12月27日が最後

ITパスポートは全国の会場で通年実施されていますが、希望の日時がいつでも空いているとは限りません。

  • 都内の土日は1〜2週間前だと満席で、千葉の会場で受けた(村中仁斗。【PR】アフィリエイトのある記事)
  • 都内の土日が埋まっていて、他県で受けた(はね)
  • 最寄りの会場が11月まで満席で、予定より早く受けた(nyangi719)
  • 試験は1か月前くらいに予約しておくのがよい。席が意外と埋まっている(ren)

2026年はさらに事情があります。IPAの発表では、9月28日以降の新規申込で選べるのは2026年12月27日までの試験日 で、12月28日から試験は一時休止 します(会場によってはそれより前に終わります)。2027年1月以降の実施については「2026年秋頃」に発表する予定とされています(IPA 2026年5月以降の試験実施について)。

また、2027年度からは新しい試験制度に移る予定で、新しいiパスは2027年度春頃の開始予定です(IPA 見直しの検討状況)。新制度の配点や合格基準はまだ公表されていません。年内に今の試験で受けるなら、万一のときに再受験できる余地を残した早めの日程 を押さえておくのが安全です。

申込の細かいルールも押さえておきましょう(iパス 受験申込手順、iパス FAQ)。

  • クレジットカード払いなら試験前日の正午まで申し込めます。コンビニ払いは受験日の5日前まで
  • 日程の変更は試験日の3日前まで何回でもできます。ただし、申込日の2日後までに行う試験を申し込んだ場合は変更できません
  • キャンセル待ちはできません

本番前に、100問120分を1回は通しで解く

ここまでの配分は、読んだだけでは身につきません。1年分を通しで解かずに本番を迎え、時間配分がわからなかったことを敗因に挙げた きのこmama さんの例のとおり、100問を120分で通して解く練習 を、本番前に最低1回はしておきましょう。

通し演習では、次の3つを本番と同じにしておくと効果が上がります。

  • 時計を見ずに、残り時間の表示(スマホのタイマーなど)だけで25問ごとの進み具合を確かめる
  • 電卓を使わず、計算は紙に書いて解く
  • 迷った問題は仮の答えを選んで印を付け、最後に戻る

通しの練習には、冒頭でふれた私たちのアプリ「ナレッジバンドル」の本番形式テストも使えます。解き終えると合格率と弱点カテゴリがグラフで出るので、時間配分の確認と同時に、直前の数日でどのカテゴリを詰めるかまで決められます。間違えた問題は、全問についている解説で正解の理由と各選択肢の正誤を確かめ、「間違えた問題だけ」に絞って解き直しておきます。

なお、受験画面そのものは、IPAが無償で配布しているCBT疑似体験ソフトウェアで確かめられます。動作環境はWindows 11だけで、Macやスマートフォンでは使えません(iパス CBT疑似体験ソフトウェア)。


結果の出方:画面に出るのは点数だけ

試験が終わると自動で採点され、その場で画面に点数が表示されます。ただし、画面に出るのは総合評価点と分野別評価点で、「合格」「不合格」の表示はありません。結果は印刷して持ち帰ることもできません(iパス 試験当日の案内)。

簿記のCBTを受けたことのある lapis さんは、簿記と違って合否が出ず点数だけだったことに戸惑い、「この点数、覚えて帰るしかないの?」と書いています。実際には、受験後1年間は利用者メニューから試験結果レポートをダウンロードできます。

自分で見て基準(総合600点以上、かつ3分野それぞれ300点以上)を満たしていても、その時点ではまだ合格ではありません。合格者は経済産業大臣が決め、月ごとに発表されます(iパス FAQ)。2026年の例では、6月受験分の発表が7月22日、7月受験分が8月21日でした。合格証書は、発表の翌月に簡易書留で届きます。


まとめ:当日の動き方も「対策」の一部

  • 120分100問、1問平均72秒。1周目80分 → チェックした問題30分 → 空欄確認10分 を目安にする
  • 時計は持ち込めない。画面の残り時間で25問ごとに進み具合を確かめる
  • 迷ったら仮の答えを選び、チェックを付けて先へ。空欄のまま進まない
  • 時間が余っても退出しない。30分余らせて退出し580点で落ちた例 がある
  • 計算は会場のメモ用紙で手計算。ふだんから電卓なしで練習する
  • 水は無色透明のペットボトル1本だけ。時計・電卓・スマホはカバンへ
  • 会場は1か月前を目安に予約。2026年は12月27日が最後の試験日
  • 本番前に、100問120分の通し演習を1回は解く。時計を見ず、電卓なしで

次回の第6回は、総合600点を超えても落ちる 分野別の基準(各300点) がテーマです。評価対象が18問しかないマネジメント系の攻略と、「1分野だけ低い」を防ぐ方法を、実際に1分野で落ちた人の点数と一緒に見ていきます。


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※この記事は2026年9月25日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程、当日の持ち物のルールは変わることがあるので、受験前に必ずiパス公式サイトで確認してください。iパス公式サイトは2026年9月28日(月)10:00までメンテナンス中のため、その内容はメンテナンス前に保存された公式ページの写しで確認しています。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。

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