ITパスポートの勉強時間は何時間?合格者9人の実数

「ITパスポートは何時間勉強すれば受かるのか」。検索すると、30時間、50時間、100時間、180時間と、サイトによって答えがばらばらです。
この連載は、2025年以降に公開されたITパスポートの合格・不合格体験記42人分を読み込み、IPA(情報処理推進機構)の公式情報と突き合わせて、合格に効くやり方を10回に分けて整理しています。連載第3回の今回は、体験記に書かれた勉強時間の「実数」 から、どれくらいの時間をどう割りふればよいかを逆算します。
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、ITパスポートの400問は、机に向かえない日でもスキマ時間に1問ずつ進められる形にしています。限られた時間を積み上げるには、細切れの時間も勉強に回せるかどうかが効いてくる、と体験記を読んで考えたからです。
合計時間を書いた合格者9人の中央値は50時間
42人のうち、勉強時間の合計を数字で書いていた合格者は9人でした。短い順に並べると次のとおりです。
- 約23時間(5日間で合格・605点)
- 30時間くらい(860点)
- 36時間27分(1回目595点で不合格、2回目に635点で合格)
- 46時間(約3週間・時間管理アプリで記録)
- 約50時間(約1か月)
- 約50時間(約8週間・670点)
- おおよそ50時間(毎朝の朝活)
- 88〜103時間(本人の換算)
- 100時間以上(610点)
真ん中にあたる5番目は 50時間。範囲は約23時間から100時間超まで、4倍以上の開きがあります。

いちばん多かったのは「50時間前後」の3人です。IT知識ゼロの社会人として約1か月・約50時間で合格した東京自習会のしゅりさん、資格は普通免許だけで平日0.5〜1時間・休日1〜2時間を約8週間続けたタツヤさん、子育てをしながら毎朝5時〜6時半の朝活で積み上げたジョブホッパー宮崎さんです。宮崎さんは合計について「おおよそ50時間程度だと思います。」と書いています。
期間の組み方は3人とも違いますが、合計はそろって50時間前後でした。「何か月やるか」より「合計で何時間積むか」で考えたほうが、計画は立てやすくなります。
数字で書いた不合格者3人は、全員20時間以下
一方、勉強時間を数字で書いていた不合格者は3人。約12時間、16時間くらい、約20時間 で、3人とも20時間以下でした。そして、20時間未満で合格したと数字で書いた人は、今回の42人の中にはいませんでした。
3人の中身を見ると、時間が短いだけではありません。
- じゅん・くるーにーさん(約10日・約12時間前後)は、中古テキストを使い、受験時点より古いシラバスのものだったと書いています。過去問の演習サイトでは一度も合格点を出せないまま本番を迎えました。
- 塩津龍平さん(16時間くらい・590点)は、過去問では点が取れていたのに本番で落ちました。敗因として「理解したつもりになっていました。」と振り返っています。
- 田中太郎さん(約20時間)は、試験の2週間前から週4日ほどの勉強で、敗因として「古い過去問を使っていた」ことを挙げています。
時間の短さに、古い教材 と 過去問の点数を過信したこと が重なっていました。20時間を切る計画は、今回の体験記を見るかぎり分の悪い賭けです。
4日・1週間・18日で受かった人には前提がある
とはいえ、体験記には短期間で合格した人もいます。ただし、本人たちがそれぞれ前提を書いています。
- 4日で合格しためぐさんは、公務員からIT業界に転職して2年半。それでも結果は「ぎりっぎり」で、テクノロジ系が足を引っ張ったと書いています。
- 約1週間で合格したsuper_fairy757さんは、会社員20年ほどで、先に基本情報技術者試験の勉強をして1度不合格になっていました。本人が「誰でも1週間で受かる、とは思わない」と書いています。
- 18日で試験結果レポート上の合格基準に届いたアイリーンさんは、Web開発に少し触れていた人です(記事の時点では正式な合格発表の前)。
- 5日間・約23時間で合格したorz.take.1さんも、点数は605点。「本当に首の皮一枚つながりました」と書いています。
「1週間で合格」という動画やタイトルについて、約1か月・本人換算で88〜103時間かけて合格した村中仁斗さんは「サムネイルに騙されないでください」と書いています(この記事には教材のアフィリエイトリンクがあります)。IT業界での経験や、ほかのIT資格の勉強歴がない人が、短期合格の日数だけをまねるのは危険です。
民間の目安「180時間」と、体験記の50時間の差
民間のサイトが出している目安は、体験記の実数よりかなり長めです。なお、IPAは勉強時間の目安を公表していません。
- ある資格予備校: ITの知識が無い場合は約180時間(1日2時間で約3か月)
- ある参考書の出版社サイト: 初心者〜IT知識が少ない人で50〜70時間。ただし先輩合格者の声から、50時間くらいでは合格ギリギリと見ている
- あるオンライン講座: 自社の合格者アンケート(IT初心者の属性で48件)では、70.8%が100時間未満で合格
体験記の中央値50時間は、出版社サイトの「50〜70時間」の下の端にあたります。180時間とは3倍以上の差です。
この差をどう読むか。注意したいのは、体験記の50時間は「受かった人の自己申告」 だという点です。9人の中には605点・610点といった合格ラインすれすれの人もいます。つまり50時間は「これだけやれば安心」という数字ではなく、「合格した人の真ん中」 です。
そこでこの記事では、次のように整理します。
- ITの仕事や勉強の経験がほとんどない人: 合計50〜60時間 を計画の基準にし、過去問の正答率が伸びなければ上乗せする
- IT業界にいる人、基本情報などの勉強歴がある人: 50時間より短くできる余地はある。ただし20時間を切る計画は避ける
- 180時間は「余裕を持って合格する」ための上限側の目安と考え、最初から180時間を前提にして期間を延ばしすぎない(理由は後で述べます)
期間別のスケジュール:3週間・1か月・2か月
合計50〜60時間を、期間に合わせて割りふった例が次の図です。

どの期間でも、流れは同じ3段階です。体験記で最も多かった「問題演習を主役にする」合格者のやり方を、3つの段階に整理しました。
- 全分野を1周: 解説つきの問題を分野の順に解き、正解の理由と各選択肢の正誤を読んで全体の地図を作る。細部は覚えきらなくてよく、わからない用語はその場で調べる
- 分野別の過去問: 問題演習のサイトやアプリの分野指定で解き、ストラテジ・マネジメント・テクノロジそれぞれの正答率を記録する
- 通し演習・弱点・新用語: 100問120分の通し演習を最低1回。弱い分野を埋め、直前は生成AIなどの新用語を確認する
この3段階は、机に向かえない日にも進めたいところです。ナレッジバンドルでは、全問に正解の理由と各選択肢の正誤の解説があり、解説の用語をタップすると用語辞書が開くので、本を別に用意しなくても①の1周目から理解まで進められます。②では「間違えた問題だけ」「未回答だけ」に絞って解き直せ、③では本番形式のテストで合格率と弱点カテゴリがグラフで出るので、どこに時間を足すべきかも数字で決められます。

3週間プラン(1日2〜2.5時間・合計約50時間)
体験記では、約3週間・46時間のnyangi719さんと、朝活で約50時間の宮崎さんがこの型です。nyangi719さんは最初に令和8年度の過去問を解いて53.0%から出発し、令和6〜8年度の過去問を2周、模擬試験モードを9回解いています。
- 1週目: 解説つきの問題で全分野を1周(1日2時間強)
- 2週目: 分野別の過去問。苦手な分野を1日かけてまとめて解く日を作る
- 3週目: 通し演習と弱点の補強、新用語の確認
毎日2時間以上を3週間続ける必要があるので、仕事や家庭の予定が詰まっている人には厳しい計画です。
1か月プラン(平日1.5時間・休日3時間・合計約55〜60時間)
IT知識ゼロから約1か月・約50時間で合格したしゅりさんの型です。しゅりさんは、動画で全体像をつかみ、過去問アプリをひたすら解いて、間違えたところを確かめる流れを繰り返しました。反省点として、最初に全体の計画を立てずに分野を行ったり来たりしたことを挙げています。
- 1〜10日目: 解説つきの問題で全分野を1周
- 11〜22日目: 分野別の過去問。3分野の正答率を週ごとに記録
- 23〜30日目: 通し演習、弱点、新用語
社会人にとって、いちばん組みやすい長さです。
2か月プラン(平日45分・休日1.5時間・合計約55時間)
平日30分〜1時間、休日1〜2時間で約8週間・約50時間だったタツヤさんの型です。タツヤさんは過去問の演習で、間違えた問題だけを重点的に復習しました。
- 1〜3週目: 解説つきの問題で全分野を1周
- 4〜6週目: 分野別の過去問
- 7〜8週目: 通し演習、弱点、新用語
1日の負担は軽い反面、最初の3週間で覚えたことを後半に忘れやすいので、2周目の過去問で前半の分野にも必ず戻ります。どこにいつ戻るかを自分で管理するのが面倒なら、忘却曲線にそって復習問題を自動で出してくれるアプリに任せるのも一つの手です。
長すぎる勉強にも落とし穴がある
「時間は多いほど安心」とも言い切れません。期間が長くなりすぎて苦労した例もあります。
nino-sanさんは2か月かけて合格しましたが、学習期間が長くなり、後半は「「答えを覚えてしまう」状態になってしまった」と書いています。もう少し早く受ければよかった、という反省です。同じ過去問を何周もすると、問題文を見ただけで答えの番号が浮かぶようになり、正答率が上がっても実力が伸びていないことに気づきにくくなります。正解した問題でも、ほかの選択肢がなぜ誤りなのかを説明できるかどうかで確かめると、この状態に早く気づけます。
不合格を2回経験した私の人生@まだ途中さんも、1回目は勉強開始から試験まで半年かけていました。敗因を「今思えば、答えを覚えていただけでした。」と振り返っています。
ぽかぽかさんは、育児と時短勤務の中で試験日を5回くらいリスケし、合格まで8か月かかりました。日程変更は試験日の3日前まで何回でもできますが、延ばせるからこそ期限がゆるみます。
長期化を防いだ例もあります。1か月半で合格したわどさんは、試験日を先に決めて 取り組んでいます。180時間を前提に3か月、4か月と計画を延ばすより、50〜60時間を1〜2か月に収めて試験日を先に押さえるほうが、体験記の結果とは合っています。
2026年12月27日から逆算する:申込はいつまでに
2026年は、ここに大きな締切があります。
- iパス専用サイトは 9月28日(月)10:00までシステムメンテナンス中 で、受験申込・日程変更・確認票のダウンロードもできません(IPA)。申込は再開後になります
- 9月28日以降の新規申込で選べるのは、2026年12月27日までの試験日 です。12月28日からは試験が一時休止 し、会場によってはそれより前に終わります(IPA)
- 2027年1月以降の実施は「2026年秋頃」に発表予定。2027年度からは新しい試験制度 になり、新しいiパスは2027年度春頃に始まる予定です(IPA)。新制度の配点や合格基準はまだ公表されていません
12月27日(日)を最終日として逆算すると、次のようになります。
- 2か月プラン: 遅くとも10月下旬に始める
- 1か月プラン: 遅くとも11月下旬に始める
- 3週間プラン: 遅くとも12月上旬に始める
ただし、これはあくまで「ぎりぎり」の計算です。体験記では、都内の土日は1〜2週間前だと満席だった(村中さんほか)、最寄りの会場が11月まで埋まっていた(nyangi719さん)という声があります。12月は駆け込みで混むことも考えられます。
もう一つ大事なのが再受験です。iパスには 再受験の待機期間がありません(受験日の翌日から次を申し込めます。iパス FAQ)。1回目を11月中に受けておけば、万一落ちても12月27日までにもう一度挑戦できます。反対に、12月に落ちると次は新制度での受験になる可能性が高いと考えられます(IPAの発表からの推測で、確定ではありません)。
年内に今の試験で受けるなら、9月28日の申込再開後、早めに試験日を押さえ、1回目は11月中を目安にする。これが今年のいちばん安全な組み方です。
まとめ:合計50〜60時間を、期限の中に収める
- 合計時間を書いた合格者9人の中央値は 50時間(約23〜100時間超)
- 数字で書いた不合格者3人は 全員20時間以下。古い教材と過去問の過信も重なっていた
- 4日・1週間の短期合格には、IT実務や基本情報の勉強歴という 前提 がある
- 民間の180時間は余裕を見た数字。IT初心者は 50〜60時間 を基準に、正答率を見て上乗せする
- 期間は3週間〜2か月。長すぎると 答えを覚えてしまう・リスケで延びるという落とし穴がある
- 2026年は 12月27日が最終日。申込は9月28日10:00の再開後、1回目は11月中を目安に
次回の第4回は、教材選びです。古本や旧版で失敗した体験記から、教材を選ぶときに見るべき5つの基準と、本を別に用意せず問題演習で仕上げる進め方を整理します。
ITパスポートの400問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

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- 本番形式テストで、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認
- 広告なし。全教材は無料体験できます
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※この記事は2026年9月25日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程、申込の受付状況は変わることがあるので、受験前に必ずIPA公式サイトとiパス公式サイトで確認してください。勉強時間は各体験記の本人の記載によるもので、体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。