ITパスポートの合格・不合格体験記42人を読んでわかった「受かる人」と「落ちる人」の違い【2026年版】

ITパスポート(iパス)はITの入門資格と呼ばれることが多く、ネットには1週間で合格をうたう動画や記事も目につきます。ところが、実際に受けた人の体験記を読むと、印象はかなり違います。
- 「ITパスポートは巷で言われるほど甘くない資格です」(orz.take.1)
- 「安易な気持ちで受験すると簡単に不合格になるでしょう」(らーゆ)
- 「完全に国家資格を舐めていました。」(40代のメガネ・590点で不合格)
この連載では、note・Qiita・Zenn・個人ブログ・掲示板に公開されている 2025年以降のITパスポートの体験記45本・42人分(1回目で合格した27人と、不合格を経験した15人)を読み込み、IPA(情報処理推進機構)の公式発表と突き合わせて、合格に効くやり方を10回に分けて整理します。
書いているのは、資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っているチームです。ITパスポートの問題を作る前に、受かった人と落ちた人が何をしていたのかを知りたくて、この42人分を一本ずつ読みました。受かった人の多くがやっていたのは、解いて、間違えて、解説を読んで、また解く、の繰り返しでした。私たちが400問すべてに解説をつけているのも、この理由からです。
第1回の今回は連載の入口として、「受かる人」と「落ちる人」を分けたポイント の全体像をまとめます。
ITパスポートは「受験者の半分以上が落ちる」試験になっている
まず数字から見ます。ITパスポートは、全国の会場でパソコンを使って受けるCBT方式の試験で、120分・100問の四肢択一 です。合格には 総合評価点600点以上(1,000点満点) に加えて、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野それぞれで300点以上 が必要です(IPA 試験内容・出題範囲)。
そして、合格率は年々下がっています。

令和7年度(2025年度)の合格率は 48.6%。受験者271,352人のうち合格者は132,012人で、受験者の半分以上が落ちています(IPA 令和7年度 年間応募者数等)。令和2年度の58.8%から 5年連続で下がって おり、公式の月次統計で確認できた範囲では、令和8年4月の合格率も48.2%でした(IPA 統計情報)。
入門資格だから、なんとなく受ければ受かる、という前提は、少なくとも今の数字とは合いません。
580〜595点、「1〜2問差」で落ちる人が多い
体験記を読んでいて目立ったのが、合格ラインのすぐ下で落ちている人の多さ です。1回目か2回目に580〜595点で不合格になった人が、15人中8人いました。
- 595点(マネジメント系440点)で不合格 → やり方を変えて635点で合格(学びも旅も、少しずつ)
- 590点で不合格(塩津龍平、40代のメガネ)
- 580点で不合格 → 1週間後に680点で合格。本人は「あと20点。1,2問の差でした。」と振り返っています(ORIGIN)
公式の統計でも、令和6年7月の1か月分(19,399人)の評価点の分布は、600〜649点が3,469人で最も多く、すぐ下の550〜599点にも2,595人 がいました(IPA 統計情報)。合格ラインの前後に人が集中している試験だということです。
なお、ITパスポートの採点は IRT(項目応答理論)という方式で、正答数と点数の換算式は公開されていません。「◯問正解すれば合格」とは言えないので、ギリギリを狙わず、余裕をもって合格ラインを超える準備 をしておくのが安全です。
受かる人に共通していた5つのこと
1. 問題演習を主役にしている
合格者でいちばん多かった型は、問題演習を主役にして、解く → 間違える → 解説を読む → また解く、を回す やり方です。参考書を読んだ人も、1〜2周で切り上げて早めに演習へ移っています。
42人のうち20人が、過去問をWeb上で1問ずつ解ける無料の問題集を使っていました。IT未経験から670点で合格した タツヤ さんは、参考書を1周したあとはそうした問題演習に移り、間違えた問題だけを重点的に復習しています。本人はその問題集を「合格に一番役立った教材」と書いています。約1週間で合格した super_fairy757 さんも、使ったのはほぼWeb上の問題演習だけで、参考書の通読もノート作りもしていません(基本情報技術者試験の勉強で基礎に触れていた、と本人は書いています)。

この「解く → 間違える → 解説を読む → また解く」は、スマホがあれば通勤や昼休みにも回せます。冒頭で書いた私たちのアプリ「ナレッジバンドル」では、全問に正解の理由と各選択肢の正誤の解説があり、「間違えた問題だけ」「未回答だけ」に絞って出題できます。解説の用語はタップすると専用の用語辞書が開くので、分からない用語が出ても参考書を開き直さずに確かめられます。忘れかけた問題は、忘却曲線にそって自動で出し直されます。
2. 「解けている感覚」を疑い、理由まで理解している
問題演習を繰り返すと、問題文を見ただけで答えが浮かぶようになります。合格者の中には、それが「理解」ではなく「答えの記憶」だと気づいて、やり方を切り替えた人がいました。
約3週間・46時間で665点(正式発表前の結果レポート上の点数)を取った nyangi719 さんは、2周目以降に「「解けている感覚」になっていることに気づき」、生成AIに質問しながら理由まで理解する勉強に変えています。問題ごとに解説を読んでも腑に落ちないときは、その問題をそのままAIに質問できる学習アプリもあり、「なぜその答えになるのか」を確かめる手間を減らせます。逆に、2か月かけて合格した nino-san さんは、期間が長くなって「「答えを覚えてしまう」状態になってしまった」ことを反省点に挙げています。
3. 新しい用語を、参考書とは別に確認している
2026年の受験記で特に多かったのが、参考書や過去問に載っていない新しい用語が出た という声です。
835点で合格した らーゆ さんは、最後の仕上げに IPA の最新シラバス(Ver.6.5)を確認しています。ほかにも、AI関連の新用語を解説する動画を直前に聞いた人、過去問題集の巻頭の用語集で最新トレンドを押さえた人がいました。
4. 弱点を数字で見て、その分野に集中している
ITパスポートは3分野それぞれに300点の基準があるため、どの分野が弱いのかを数字でつかむ ことが大切です。
前述の nyangi719 さんは、計算問題を除いた設定で マネジメント系だけ10年分・約160問を1日で 解き、苦手を得意分野に変えました。595点で落ちた 学びも旅も、少しずつ さんは、復習が甘かったことや弱点を数字で見ていなかったことを敗因に挙げ、2回目は教材も勉強時間も増やさずに635点で合格しています。本人は合格の理由を「やり方を変えたからだと思っています。」と書いています(この記事は学習サービスへのアフィリエイトを含みます)。
5. 過去問で合格ラインを超えてから申し込んでいる
合格者の中には、過去問や模擬試験で合格ラインを超えたのを確かめてから 申し込んだ人が複数いました。IT企業に勤めて1か月目で合格した 村中仁斗 さんは、過去問で合格ラインを超えてから申し込み、1週間で合格をうたう動画について「サムネイルに騙されないでください」と書いています(この記事はAmazonアソシエイトを含みます)。
ただし、過去問で8割取れていても本番は緊張などで点数が落ちた、という合格者もいます(ren)。本番は「過去問と同じ問題」ばかりではないので、合格ラインぴったりではなく、余裕をもって超えておく のが目安です。
落ちる人・苦戦した人に共通していた5つのこと
1. 「簡単」「1週間で受かる」を信じて、準備が足りない
不合格の原因でいちばん多いのが、単純な準備不足です。勉強時間を数字で書いていた不合格者3人は、約12時間・16時間くらい・約20時間 と、いずれも20時間以下でした。
地方金融機関で働く きのこmama さんは、テキストをほぼ読まずに受けて不合格になり、「ITパスポートは、ノー勉だとさすがに落ちる。」と書いています。その後、苦手分野と計算問題に絞って勉強し直し、約1か月後に630点で合格しました。
2. 古い版の参考書・過去問題集を使っている
ITパスポートは出題範囲(シラバス)がたびたび改訂されます。生成AIの項目が加わったのは Ver.6.2 で、2024年4月の試験からです(IPA)。現行は2026年1月に公開された Ver.6.5 です。
- 中古のテキスト2冊(シラバス5.0と記載のもの)で受けて不合格になった じゅん・くるーにー さんの教訓は「テキスト、参考書は最新のものを買いましょう!」
- 「あと1問」で落ちた 田中太郎 さんは、2年前に買った過去問題集を使っていたことを敗因に挙げ、「古い過去問を使っていた」と書いています
- 590点で落ちた40代のメガネさんが買った参考書は、令和8年に受けたのに令和7年度版でした
3. 過去問の答えを覚えて「理解したつもり」になる
受かる人の2つ目の型の裏返しです。3回目で合格した 私の人生@まだ途中 さんは、1〜2回目の不合格を「今思えば、答えを覚えていただけでした。」と振り返っています。590点で落ちた塩津龍平さんも、解説を読んで「理解したつもりになっていました。」と書いています。
3回目で640点を取って合格した Sala さんの言葉が、この失敗をよく表しています。
「「聞いたことがある」と「分かっている」は違う。」
4. 1分野だけが極端に低い
公式FAQにあるとおり、「分野別評価点のうち一つでも300点未満の分野があると、合格基準を満たしません」(IPA FAQ)。体験記では、3分野のどれでも 足を引っ張った例がありました。
- マネジメント系が275点で不合格(きのこmama さん)
- テクノロジ系が370点。本人は「敗因は明確でした。テクノロジ分野です。」(Liliscend)
- 得意なはずのストラテジ系がいちばん低かった(40代のメガネさん)
仕事でなじみのある分野は油断しやすく、苦手な分野は後回しにしやすい。3分野の点数をそれぞれ見る ことが欠かせません。
5. 見直しをせずに早く退出する

580点で落ちた まっし さんが最大の後悔として挙げたのは、「30分時間を余らせて退出してしまったこと」でした。「最も適切なもの」「誤っているもの」といった問われ方を見直していれば結果は違ったかもしれない、と振り返っています。
合格者の側からも、「見直しは絶対にやった方がいいです」(nino-san)という声があります。1回目に570点で落ちた かとう さんは、2回目は最初の60分で一通り解き、残り60分で最初から見直して合格しました。
勉強時間は、合格者の中央値が50時間・不合格者は20時間以下
合計の勉強時間を数字で書いていた人だけを並べると、次のようになります。

合格者9人は 約23時間〜100時間超 に散らばっていて、ちょうど真ん中(中央値)は 50時間 でした。「おおよそ50時間程度だと思います。」と書いた ジョブホッパー宮崎 さんのように、約50時間で合格した人が3人います。一方、数字を書いていた不合格者3人は、全員20時間以下 です。
もちろん、時間だけで合否は決まりません。4日や約1週間で合格した人もいますが、IT企業で2年半働いていた、基本情報技術者試験の勉強で基礎に触れていた、といった前提を本人が書いています。約1週間で合格した super_fairy757 さん自身も「誰でも1週間で受かる、とは思わない」と書いています。IT未経験からなら、50時間前後を一つの目安に計画を立てる のが現実的です。勉強時間と期間別のスケジュールは、第3回でくわしく扱います。
2026年に受けるなら:12月27日までと、9月28日までのサイト停止
今年ITパスポートを受ける人は、次の3点を必ず押さえてください。
- 申込サイトは9月28日(月)10:00まで止まっています。 iパス専用サイトはシステムメンテナンス中で、受験申込・日程変更・確認票のダウンロードもできません(IPA)。申し込みは再開後になります。
- 9月28日以降の新規申込で選べるのは、2026年12月27日までの試験日です。 12月28日から、システム入れ替えのため試験は一時休止します。会場によってはそれより前に終わる場合もあり、2027年1月以降の実施は「2026年秋頃」に発表される予定です(IPA)。
- 2027年度から新しい試験制度になります。 今の制度は2026年度の試験で終わる予定で、新しいiパスは2027年度春頃に始まる予定です(IPA)。新制度の配点や合格基準はまだ公表されていません。
年内に今の試験で受けるなら、今の教材(シラバス Ver.6.4〜6.5 に対応した版)で対策します。12月に入ってから不合格になると、12月27日までに受け直せる日程は限られ、その先は新制度での受験になる可能性があります(公式にそう書かれているわけではなく、上の発表からの推測です)。
体験記では、都内の土日は1〜2週間前だと満席だった、最寄りの会場が11月まで埋まっていた、という声もありました。受けると決めたら、サイトが再開したら早めに日程を押さえる のがおすすめです。
この連載で扱うこと(全10回)
第2回以降は、今回挙げたポイントを1回ずつ掘り下げます。
- 第1回(今回): 体験記42人から見えた「受かる人」と「落ちる人」の違い
- 第2回: 試験の全体像と2026年の変更点(120分100問のうち採点されるのは92問、合格基準、受験料、12月28日からの休止)
- 第3回: 勉強時間は何時間必要か。合格者の実数から逆算する3週間・1か月・2か月のスケジュール
- 第4回: 教材選びで失敗しない。シラバス Ver.6.5 への対応・解説の質・復習の仕組みで選ぶ基準
- 第5回: 時間配分と当日の解き方。1問72秒・見直しボタン・電卓なしのCBTで落とさない
- 第6回: 分野別の基準(300点)で落ちないために。マネジメント系の攻略と「1分野だけ低い」の防ぎ方
- 第7回: ストラテジ系の対策。法務・経営戦略・計算問題を落とさない
- 第8回: テクノロジ系の対策。セキュリティ・ネットワーク・データベース、擬似言語は捨てるべきか
- 第9回: 生成AI・新用語の対策と、2027年度の新試験で変わること
- 第10回: 落ちた人15人の原因と、直前1週間・前日・当日のチェックリスト、12月27日までの再受験計画
まとめ:ITパスポートは「甘く見た人」から落ちる試験
42人の体験記から見えたことを、ひと言ずつにまとめます。
- 合格率は 48.6%。受験者の半分以上が落ち、580〜595点の「1〜2問差」 で落ちる人が多い
- 問題演習を主役 にする(参考書を読むとしても1〜2周で切り上げる)
- 「解けている感覚」を疑い、答えではなく理由を覚える
- 新しい用語は参考書とは別に確認 し、教材は最新の版を使う
- 3分野の点数をそれぞれ見て、弱い分野に時間を回す
- 勉強時間は 合格者の中央値50時間。20時間以下では足りなかった人が多い
- 本番は 時間を余らせても退出せず、見直す
- 今年受けるなら 12月27日まで。申込はサイトが再開する9月28日10:00以降
次回の第2回では、120分100問のうち採点されるのは92問という仕組みや合格基準、受験料、そして12月28日からの休止まで、2026年のITパスポートの全体像をくわしく整理します。
ITパスポートの400問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

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※この記事は2026年9月25日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程、申込の受付状況は変わることがあるので、受験前に必ずIPA ITパスポート試験の公式サイトで確認してください(公式サイトは9月28日10:00までメンテナンス中です)。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。