GX検定ベーシックの勉強時間は何時間?中央値20時間

GX検定ベーシックの対策を10回に分けてまとめる連載の、第3回です。第1回では、2025年以降に公開された体験記26人分を読み込み、受かる人と苦戦する人の違いを整理しました。
今回のテーマは 勉強時間 です。「何時間やれば受かるのか」「11月の試験に今から間に合うのか」。体験記に書かれた実際の数字をもとに答えを出し、2026年第4回(受験期間 11/11〜11/25)から逆算した3つのプランを示します。
先に結論を書いておきます。
- 合計時間を数字で書いた合格者5人の 中央値は20時間
- 知識ゼロから受かった人は 約30時間、業務知識がある人は 10〜20時間
- 期間は 1週間〜1か月半。平日1日30分〜1時間を続けた人が多い
- 差がついたのは時間の長さより 「問題演習にどれだけ時間を回したか」
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、GX検定の500問を用意する前に、この体験記の勉強時間を一人ずつ数えました。差が時間の長さより問題演習の量で出ていたので、アプリでは500問すべてに正解の理由と各選択肢の正誤の解説を付け、1周目から問題を解きながら覚えていける作りにしています。
合格者5人が書いた勉強時間は「中央値20時間」
26人の体験記のうち、ベーシックに合格して 合計の勉強時間を数字で書いていた人は5人 でした。少ないと感じるかもしれませんが、多くの体験記は、期間や勉強した場面(通勤時間など)しか書いていないためです。

5人の中身を見てみます。
- 約20時間・82点: 薬剤師から LCA の仕事への転職を控えた ゼロから学ぶLCA さん。8月1日から23日まで、1日約60分を約3週間続けました。
- 20時間程度・90点: つみたろ さん。仕事終わりと休日を使って約2週間。それでも感想は「何もしなければ普通に落ちそうな難易度だった。」です。
- 約30時間・84点: 勉強前の知識が「ほぼゼロ」だった こまつ さん(記事にアフィリエイトリンクあり)。約1か月かけています。
- 10〜20時間・90点以上: 建築設備の設計者で、GX の知識を業務で多少使っていた 秋翔設計 の筆者(記事にアフィリエイトリンクあり)。受験の約1か月前から、主に通勤電車で勉強しました。
- 約1時間: 生成AIだけで合格した いけがみおさむ さん。ただしこの1時間は、Gemini の DeepResearch でシラバスから解説レポートや用語集、予想問題を作る手順にかかった時間です。できたレポートを読んで覚えた時間は含まれていません。
5人を並べると、真ん中(3番目)は20時間。20時間前後に3人が集まっています。
ただし、5人という数はとても少ないので、「20時間やれば受かる」という保証ではなく 「計画を立てるときの目安」 として使ってください。民間の資格情報サイト 資格インデックス も初学者の目安を20〜40時間としており、体験記の数字はその下側に寄っています。主催者の運営メディアに載った合格体験記も、異業種から約20時間・約1か月で合格したという内容でしたが、こちらは講座を売る側の媒体である点を差し引いて読む必要があります(GX DiG)。なお、主催者の公式サイトには、勉強時間の目安は見当たりませんでした。
期間で見ると「1週間〜1か月半」、1日30分〜1時間が多い
時間の合計ではなく、期間だけを書いた合格者も含めると、準備期間は次のように分かれます。
- 大体1週間: ひうな さん(86点・記事にアフィリエイトリンクあり)
- 約2週間: つみたろさん(90点)
- 約3週間: ゼロから学ぶLCA さん(82点)
- 約1か月: こまつさん(84点)、秋翔設計の筆者(90点以上)、やつづか えり さん(94点)
- 1か月半ぐらい: 通勤時にアプリを解いただけという Equinox さん
1日あたりの時間を書いた人は、やつづかさんが30分、ゼロから学ぶLCA さんが約60分、後で紹介する2回目で合格した人が30分〜1時間でした。94点を取ったやつづかさんは「1日30分くらいの勉強を1ヶ月続けました。」と書いています。
GX検定ベーシックは、平日に30分〜1時間を3〜4週間続ければ、20時間前後に届く 試験だと言えます。まとまった休みを取らなくても、仕事と両立して準備できる量です。
一方で、ひうなさんのように「大体1週間の準備期間で合格を掴むことができました」という人もいます。再エネの仕事をしている ねね さんも「ベーシックは1~2週間くらいで取得できるレベル」と書いています。ただ、ねねさん自身は業務で再エネに関わっている人で、ひうなさんも問題アプリを全問正解になるまで回すという密度の高いやり方でした。1週間で受かった人の数字を、知識ゼロの人がそのまま当てはめるのは危険 です。
知識ゼロと業務知識ありで差が出るのは「用語」
知識ゼロから約30時間、業務知識ありで10〜20時間。この差はどこから来るのでしょうか。
体験記を読むと、知識ゼロの人が時間を取られているのは 専門用語そのもの です。GX検定のシラバスには、IPCC・SSP・GWP・TCFD・ISSB・SSBJ・SBT・Scope3・PPA・DACCS など、略語や似た名前の制度が大量に並びます(シラバス・例題)。体験記でも、70点ちょうどで合格した人や94点で合格した人が、アルファベットの略語や似た用語の区別を難しかった点に挙げています。
こまつさんは、約30時間の内訳を細かく書いています。
- eラーニング講座の視聴: 7時間
- 問題アプリの1周目: 10時間
- 間違えた問題の復習: 2時間
- アプリの2周目: 7時間
- 講座を見直して定着: 4時間
30時間のうち、問題を解いて復習した時間が19時間。全体の6割以上を問題演習に使っています。本人も「アプリを2周しておいて本当に良かったです。」と振り返っています。知識ゼロの人は、用語に一度ふれて意味をつかむ時間が必要なぶん、合計が長くなると考えるとわかりやすいでしょう。解説を読みながら問題を解き、知らない用語をその場で確かめるようにすれば、この「用語にふれる時間」も問題演習の中でまかなえます。
ただし、業務知識があれば短時間で楽に受かる、とも限りません。会社で CO2 排出量の計算と国への報告を担当している Arichi さんは、ベーシックとアドバンストの両方に合格したものの「それぞれ、70点台前半でしたので、」と書き、「大変難しかったですが、」と振り返っています。GX検定は、自分の業務の周りだけでなく、世界の動向や日本の政策まで広く問われるからです。3週間で合格したゼロから学ぶLCA さんも、分野別の正答率で世界の動向が42%にとどまり、「国内外動向がひどい!」と書いていました。
業務知識がある人も、自分の仕事と遠い章(世界の動向・日本政府の動向など)にだけは時間を多めに取る のが安全です。
時間より「中身」:苦戦した人は何に時間を使ったか
勉強時間を考えるうえで見落とせないのが、時間をかけても苦戦した人がいる ことです。
9日間の勉強で不合格だった人
アメブロ「Miso Life」の筆者は、ゴールデンウィーク11日間のうち9日を e-Learning・暗記・復習に使い、2025年5月にベーシックを受けて不合格でした。本人は「70点は取れると思い込んでいた私が愚か。」と書いています。時間数の記載はありませんが、9日間を勉強にあてても届かなかった例です。その後、この筆者はベーシックを受け直さず、理解や計算が中心のアドバンストに合格しています。
20時間以上かけても1回目は不合格だった人
体験談サイトに載った30代男性の投稿(資格講座のリアル体験談)は、1日30分〜1時間の勉強を続け、通算の学習時間はプロフィール欄の選択肢で「20時間〜50時間未満」でした。合格者の中央値と同じか、それ以上です。それでも2024年11月の1回目は不合格でした。
本人の分析は、動画を繰り返し見て「理解できているつもりになっていました。」というもの。そして「実際に問題を解く練習が不足していました。」と書いています。2回目は模擬問題の時間を増やし、正解以外の選択肢も確認するやり方に変えて、3か月後の回で合格しました。
時間が取れず、範囲を絞って70点ちょうど
2026年8月に受けた eumoru さんは、体調不良で時間が取れず、テキストの第1章と第2章を中心に勉強しました。結果は70点で合格。本人は「テキストの第1章と第2章の勉強でギリギリ合格できた」としつつ、「やはり全範囲を勉強するのが大事だと思う。」と書いています。
また、仲野ひさよ さんは、テキストの大事なところをノートに書き写す方法では覚えられず、途中で耳で聞く勉強に切り替えて「耳とメモの両方でギリギリ試験に間に合った」と振り返っています。
4人に共通するのは、時間の量ではなく、時間の使い方で苦しんだ ことです。
- 動画や読むだけの勉強に時間を使い、問題を解く時間が少なかった
- 範囲の一部に時間を集中させた
- 自分に合わない覚え方のまま時間が過ぎた
計画を立てるときは「合計何時間か」と同じくらい、「そのうち何時間を問題演習に回すか」 を決めておくことが大切です。こまつさんの例のように、全体の半分以上を問題演習と復習にあてるのが一つの目安になります。
11月の試験から逆算する3つのプラン
ここからは、次回の2026年第4回に向けた具体的な計画です。日程は公式サイトで次のように発表されています(開催スケジュール)。
- 受験期間: 11月11日(水)12:00〜11月25日(水)17:00(期間内の好きなタイミングで自宅などから受験)
- 個人の申込締切: 10月28日(水)12:00
- 合否発表: 12月10日(木)
受験期間が2週間あるので、まず 自分の受験日を決める ところから始めます。下の図では、受験期間最初の土曜日である11月14日に受ける例で、3つのプランを並べました。

受験日を期間の前半に置いたのは、自宅受験ならではの事情があるからです。GX検定ベーシックは Webカメラ付きのパソコン・本人確認書類・スマートフォン・個室がそろわないと受けられません(GX検定 ベーシック)。最終日近くに予定していると、機材や部屋の都合がつかなかったときに逃げ場がなくなります。
1か月プラン(知識ゼロから・約30時間)
こまつさんの時間配分(半分以上を問題演習と復習にあてる)をもとに、最初から問題を解いて進める形にしたプランです。10月15日に始めて、1日1時間を目安にします。
- 10/15〜10/25(1周目・約11時間): 解説を読みながら、シラバスの第1〜6章の問題を一通り解く。正解できなくてよく、わからない用語はその場で確かめるだけで、覚えきろうとしない
- 10/26〜11/8(2〜3周目・約14時間): 自力で解けるかを確かめる周。間違えた問題は、解説で正解の理由と、ほかの選択肢がなぜ違うのかまで確認する
- 11/9〜11/13(仕上げ・約5時間): 間違えた問題だけを解き直す。政策の数値や年表、略語を見直す
- 11/14: 受験
このプランは、1周目から問題を解いて、解説で覚えていく組み立てです。そのぶん、解説の質が大事になります。冒頭で書いたとおり、私たちのアプリ「ナレッジバンドル」では全問に正解の理由と各選択肢の正誤の解説が付いていて、解説に出てくる略語はタップすると専用の用語辞書で確かめられます。別に本を用意しなくても1周目から理解まで進められ、仕上げの期間は「間違えた問題だけ」に絞って出題できます。1日1時間を、通勤や昼休みのスキマ時間に分けても進められます。

1周目の11日間で、申込の締切(10/28)より前に「この試験なら続けられる」という手応えがつかめるはずです。申込は、始めてすぐに済ませておくと迷いがなくなります。
3週間プラン(用語を少し知っている・約20時間)
ゼロから学ぶLCA さんの「周ごとに目的を変える」やり方を、問題演習に当てはめたプランです。LCA・GHGプロトコル・Scope1〜3 を少し勉強済みだった人が、1日約60分・約3週間で82点を取っています。3回まわすそれぞれで、目的を変えていたのが特徴です。
- 1週目(10/24〜10/30): 解説を読み込む周。正解・不正解より、各選択肢の正誤の理由と用語の意味を確かめる
- 2週目(10/31〜11/6): 正式名称・数値・目標年・Scope の取り違えを意識しながら、自力で解く
- 3週目(11/7〜11/13): 間違えた問題だけを解き直して、弱いところを復習する
資格インデックスが示す3週間の計画も、1週目に用語の整理、2週目に用語の反復と制度どうしの関係、3週目に模擬問題と弱点の復習という、同じ流れです。ゼロから学ぶLCA さんの反省を取り入れるなら、2週目に 世界の動向と日本の政策を、表や時系列で整理する時間 を足しておくとよいでしょう。
1週間プラン(業務知識がある・約15〜20時間)
ひうなさんのやり方をもとにした短期プランです。1日2〜3時間を確保できる人向けで、解説を読み込む周を取らず、最初から自力で解いていきます。
- 11/7〜11/11(問題演習): 解説のある問題を、間違いがなくなるまで繰り返す。わからない言葉は、解説や用語集でその場で確かめる
- 11/12〜11/13(仕上げ): 本番と同じ50問程度を通しで解いて、正答率と弱い分野を確かめる。間違えた問題を直前に見直す
- 11/14: 受験
注意点が2つあります。1つは、このプランを始める11月7日には、申込の締切(10/28)がすでに過ぎている ことです。1週間で仕上げるつもりの人も、申込だけは10月中に済ませておかなければなりません。もう1つは、1週間で合格した人は、業務知識がある人か、問題アプリをやり込んだ人だという点です。本番形式で通しで解いて正答率と弱い分野を数字で見ておくと、この判断がしやすくなります。問題演習で8〜9割取れる状態にならないなら、受験日を期間の後半(11/21〜11/25)にずらして、足りない日数を足してください。
今日から6週間あるなら、最初にやっておきたいこと
この記事の公開日(9月28日)から11月14日までは、約6週間あります。1か月プランを始める前でも、次の2つは今のうちに済ませておくと効きます。
1つ目は、シラバスに目を通すこと です。やつづかさんは試験1週間前にシラバスの項目を一つずつ調べて用語をまとめ、94点で合格しましたが、それでも「もっと前から目を通しておけばよかったと思います。」と書いています。シラバスは公式サイトでいつでも見られます(シラバス・例題)。どの章にどんな用語が並ぶかを先に知っておくと、1か月プランの1周目が速くなります。
2つ目は、公式サイトの例題5問を解いてみること です。GX検定は過去問が公開されない試験なので、この例題が出題の形を知るいちばん確かな手がかりになります。最も不適切な(または適切な)ものを1つ選ぶ形の問いに、今の知識でどこまで答えられるかを見れば、自分がどのプランに当てはまるかの判断材料になります。
まとめ:20時間を目安に、半分以上を問題演習へ
- 合格者5人の勉強時間の 中央値は20時間。知識ゼロなら 約30時間、業務知識ありで 10〜20時間
- 期間は1週間〜1か月半。平日30分〜1時間を3〜4週間 続ければ20時間に届く
- 業務知識があっても、世界の動向や日本の政策など、仕事から遠い章 で点を落とすことがある
- 苦戦した人は、時間の量より 使い方(読むだけ・範囲を絞る)でつまずいていた。半分以上を問題演習に
- 2026年第4回は 申込締切 10/28(水)12:00、受験期間 11/11〜11/25。受験日を先に決め、期間の前半に置く
連載の第4回では、今回のプランを何で進めるかを取り上げます。過去問がない試験で教材を選ぶときの基準(解説の質・問題数・情報の新しさ・スキマ時間で回せるか・復習の仕組み)と、問題演習だけで理解まで進める進め方を整理します。
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※この記事は2026年9月26日時点の公開情報をもとにしています。試験の日程・受験料・キャンペーンは変わることがあるので、受験前に必ずGX検定の公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。