GX検定ベーシックの試験概要:60分50問・合格基準70%

「GX検定 攻略シリーズ」の第2回です。第1回では、2025年以降に公開されたGX検定の体験記26人分を読み込み、受かる人と苦戦する人の違いを整理しました。
第2回の今回は、勉強を始める前に知っておきたい 試験そのものの全体像 をまとめます。試験時間と問題数、合格基準、自宅で受けるIBT方式のルール、結果の出方、受験料と申込締切まで、公式サイトの情報と体験記の記述を突き合わせて確認しました。
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、GX検定のオリジナル問題を500問用意しました。過去問が公開されていないこの試験では、演習に使う問題をどこで確保するかも、勉強を始める前に知っておきたい仕組みの一つです。
GX検定は2025年から2026年にかけて、試験時間の延長、シラバスの大幅改定、運営会社の社名変更と、変わったことが続いています。古い記事の情報のまま準備すると、ずれが出ます。まずは「いまの試験」を正しく押さえておきましょう。
ひと目でわかるGX検定ベーシックの試験概要
最初に、全体を1枚にまとめました。

- 試験時間と問題数: 60分・多肢選択式50問程度
- 合格基準: 得点率70%を基準(受験状況により前後する)
- 受験料: 6,600円(税込)。決済後のキャンセル・返金はなし
- 受験資格: どなたでも受験できる。年齢制限もない
- 受け方: 自宅や会社のPCで受けるIBT方式。約2週間の受験期間の中で、好きなタイミングに受ける
- 結果: 試験最終日の約2週間後にメールで届く
- 有効期限: なし(ただし2年に一度の受け直しを推奨)
出典は GX検定 ベーシック(公式) と よくある質問 です。ここから、ひとつずつくわしく見ていきます。
試験の形式:60分で50問程度、4択から1つ選ぶ
試験時間は「60分」。45分と書いた記事は古い
ベーシックの試験時間は 60分、問題は 多肢選択式で50問程度 です。1問あたりに直すと、60分÷50問で約72秒になります。
注意したいのは、2024年までの体験記や対策記事には「45分・50問」と書かれているものが多いことです。主催者のメディアに載った合格体験記にも、今は60分に改定されたという注記が付いています。検索で出てくる古い記事の数字をそのまま信じないようにしましょう。
時間の余裕については、体験記の声がそろっています。2026年8月下旬に受験した上田晃穂さん(記事には有料パートとAmazonアソシエイトのリンクあり)は、60分に50問なので時間も見直しの余裕も十分だったと書いています(note)。90点で合格した つみたろ さんも、時間はかなり余裕があり、見直しも十分できたと振り返っています。時間との勝負になる試験ではありません。
問題は「最も不適切なもの」か「最も適切なもの」を選ぶ形
公式のシラバス・例題ページに載っている例題(5問)は、4つの選択肢から「最も不適切なもの」または「最も適切なもの」を1つ選ぶ形です(シラバス・例題)。
「不適切なものを選ぶ」問題は、正しい選択肢を3つ見抜かないと答えにたどり着けません。体験記でも、用語の意味がわからないと選択肢を外せない、という声が複数ありました。丸暗記より、用語の意味を説明できるレベルの理解が必要 な試験だと考えておきましょう。当日の解き方は第9回でくわしく扱います。
出題範囲はシラバスの6章。過去問は公開されない
出題範囲は「シラバスより出題」で、現行は2025年8月の回から使われている改訂版(全6章)です。章立ては、脱炭素化の背景とGXの概念/脱炭素政策の枠組み/世界の動向/日本政府の動向/企業の取組/脱炭素技術とイノベーション、の6つ(シラバス PDF)。各章の攻略は第5回から第8回で1章ずつ扱います。
また、公式FAQには「過去問題の公開の予定はありません。」と明記されています(よくある質問)。公式サイトの例題は5問だけなので、過去問を何年分も回すという定番の勉強法が使えません。演習は、シラバスの範囲に沿ったオリジナル問題でこなすことになります。
私たちのアプリ「ナレッジバンドル」のオリジナル問題も、全問に解説が付いていて、解説に出てくる用語はタップすると専用の用語辞書で確かめられます。教材の選び方の基準は第4回で整理します。
合格基準は「70%」。ただし前後する
公式サイトの合格基準の書き方は、次のとおりです。
「得点率70%を基準としていますが、受験状況により前後します。」
50問なら35問前後の正解が目安になる計算ですが、「前後します」とある以上、35問ちょうどを狙うのは危険 です。実際、体験記には70点ちょうどで合格した人(eumoru)もいれば、業務でCO2排出量の計算・報告をしている人が「大変難しかったですが、」と書き、70点台前半で合格した例(Arichi)もあります。
合格率も回によって大きく変わります。通算では74.51%(受験12,936人・合格9,519人)ですが、回ごとに見ると最低53.88%(2024年第4回)から最高90.91%(2024年第3回)まで振れていて、2025年第4回は55.85%でした(開催実績)。振れる理由は公式に書かれていません。2026年第2回・第3回の結果は、9月26日時点でまだ公表されていません。
「7割以上受かるなら簡単」とは言えない、ということです。問題演習で8〜9割取れる状態まで仕上げた、という合格者が多いのはこのためでしょう。基準が前後することを考えると、本番形式で解いて、いまの正答率とどの分野が弱いのかを数字で見ておくと安心です。
受け方:自宅や会社のPCで受けるIBT方式
テストセンターはない。受験期間の中で好きな時間に受ける
GX検定ベーシックは IBT方式 です。自分のパソコンとネット環境を使い、約2週間の受験期間の中で、自宅や会社など好きな場所・時間に受けます。申込フォームには、CBT方式やテストセンターでの受験には対応していないと書かれています(申込フォーム)。
受験システムは運営会社の「SkillCheck AI」で、各回の開始日の1週間前に、受験方法の案内がメールで届きます。職場の会議室で受けた体験記(Chiary・記事は一部有料)もあります。

用意するもの(必須環境)
公式の「受験環境」ページで、次のものが必須とされています(受験環境)。
- Webカメラ付きのPC(ノートPC推奨)。Windows 11 か macOS 14 Sonoma 以降、メモリ8GB以上、最新の Edge か Chrome。タブレットは不可
- スマートフォン(iOS12以降/Android8以降)。身分証の登録にだけ使い、試験中は使えない
- 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・在留カードのいずれか)
- 個室。カメラに他の人が映り込まない空間。公園やカフェなどでは受けられない
- 回線の目安は下り12Mbps/上り5Mbps。事前のネットワークチェックは全員必須
ノートPCが推奨されるのは、受験前にPCを持ち上げて周りの様子を撮影するためです。体験記でも、部屋の中・机の上・机の下を撮影して提出した(こまつ)、受験前に360°カメラで写し、試験中もカメラとブラウザ画面が録画されていた(eumoru さん)という記述があります。
会社のPCで受ける人は要注意です。公式は個人所有のPCでの受験を推奨していて、企業貸与のPCはセキュリティ対策の関係で通信がうまくいかないおそれがあるとしています。上田さんも、会社のVPN接続では受験できない場合があると書いています。
つみたろさんは、部屋の物を別室へ移し、クローゼットの服まで隠したそうです。「試験内容より受験環境の方が不安」という本音は、これから受ける人にも参考になるはずです。
自宅でも「調べながら」は禁止。電卓も使えない
自宅で受けられるので「本やネットで調べながら解ける」と思われがちですが、GX検定はオープンブックではありません。公式FAQにはこうあります。
「正確な評価を行うため、WEBで検索したり、手元の書籍などで調べながら受験する行為は禁止です。」
(よくある質問)
受験中のルールで、特に押さえておきたいのは次の点です(受験環境)。
- 机の上に置けるのは PC・A4白紙1枚・筆記用具だけ。電卓を持ち込めるのはアドバンスト・スペシャリストだけで、ベーシックは電卓も使えない(携帯電話やPCの電卓も不可)
- マウスカーソルが試験画面の外に出ると警告が出て、10秒以内に「試験に戻る」を押さないと強制終了。復帰も再受験もできない
- デスクトップ通知にカーソルが触れても画面離脱になる。受験前にPCの通知はすべてオフに
- 試験を始めたら 離席できない。飲み物も手元に置けない。外部モニターの接続、イヤホン・ヘッドホン・帽子も不可
- Webカメラとマイクで常時録画・録音され、試験後も録画が精査される
規約違反が見つかった場合は、試験中・試験後にかかわらず受験結果が無効になり、受験料の返金も今後の再受験の機会もないとされています。生成AIで勉強する合格者は多いのですが、それはあくまで試験の前の話です。試験中は、自分の頭に入っている知識だけで解く と考えて準備しましょう。
当日の準備のチェックリストは、第9回でまとめます。
結果と合格証:点数はその場、合否は約2週間後
体験記によると、解き終わるとその場で得点が表示されます。上田さんは受験直後の表示で正答率84%を確認し、「正答率84%でしたので合格しているはずです」と書いていました。
ただし、正式な合否は後日のメールです。公式FAQでは、試験最終日から2週間後を目安に、申込時のメールアドレスに結果が届くとされています。上田さんの場合は、2026年8月下旬に受験し、9月10日に合格のメールが届きました。2026年第4回の合否発表は12月10日の予定です。
合格すると、次のものがもらえます(よくある質問)。
- 名前と受験回を書いた 合格証(郵送はなし)
- 合格回が入った ロゴデータ(png・ai)を Google ドライブで受け取れる
有効期限については、公式FAQに「更新制ではなく、有効期限もありませんが、2年に一度の更新を推奨しております。」とあります。GXの政策や制度は毎年のように変わるので、知識の鮮度を保つための受け直しが推奨されている、と受け止めればよいでしょう。
なお、ベーシック単体ではオープンバッジ(デジタルの資格証明)は付きません。ベーシック・アドバンスト・スペシャリストの3つすべてに合格すると、「GX検定 マスター」のオープンバッジがもらえます。
「脱炭素アドバイザー ベーシック」とは:国家資格ではない
GX検定ベーシックは、環境省の認定制度 脱炭素アドバイザー ベーシック の認定資格です。合格すると「環境省認定制度 脱炭素アドバイザー」という呼称を名刺に書けます(環境省 脱炭素アドバイザー資格のご紹介)。
ここで誤解しやすいのが「国家資格かどうか」です。環境省のページのよくある質問では、「国家資格ではありません。」とはっきり書かれています。環境省が資格を運営するのではなく、民間の資格をガイドラインに基づいて認定する制度で、この資格がないとできない業務(業務独占)もありません。
また、脱炭素アドバイザー ベーシックに認定された資格はGX検定のほかにもいくつかあり、環境省は資格ごとに合格率や難易度は異なるとしています。ほかの資格との違いは、連載の最終回(第10回)で比べます。
GX検定の級の構成
GX検定は、ベーシック・アドバンスト・スペシャリストの3つのレベル別検定と、「GX検定 BIZ」の4つで構成されています(GX検定について)。
- ベーシック: 誰でも受験可。60分・50問程度・6,600円。脱炭素アドバイザー ベーシック
- アドバンスト: 「カーボンニュートラル実践講座(中級編)」の受講が受験資格。90分・計算問題あり・12,100円。脱炭素アドバイザー アドバンスト
- スペシャリスト: 「カーボンニュートラル実践講座(上級編)」の受講が受験資格。90分・23,100円。脱炭素シニアアドバイザー
- BIZ: 対応講座(GX推進講座)の受講者向け。改訂が予定されていて、開催日は未定
「実践」という名前の級はありません(「実践」は講座名です)。また、アドバンストの受験にベーシックの合格は必須ではありません。最初の一歩としては、誰でも受けられるベーシックから、という人がほとんどです。
受験料と申込:6,600円、返金はなし
受験料は 6,600円(税込) です。2024年第2回までは5,500円でしたが、なりすまし防止対策の強化とシステム変更のため、2024年第3回から今の金額になりました。決済後のキャンセル・返金は一切できないので、受験期間内に受けられる日程かどうかを確かめてから申し込みましょう。
会社で受ける人向けの制度もあります。同じ法人で10名以上が同じ回に申し込むと団体受験になり、担当者が受験者の合否をまとめて受け取れます(団体受験)。団体の申込締切は個人より早く、2026年第4回は10月23日(金)17:00です。体験記でも、受験料が会社負担だった人や、全社員に推奨されていて不合格なら受験料が自腹になる、という職場の人がいました。会社の制度がないか、先に確認しておくとよいでしょう。
2026年第4回と2027年の日程

GX検定ベーシックは年4回、各回約2週間の受験期間があります(開催スケジュール)。
- 2026年第4回(次回): 受験期間 11月11日(水)12:00〜11月25日(水)17:00/個人の申込締切 10月28日(水)12:00/合否発表 12月10日
- 2027年第1回: 2月3日〜2月17日/申込締切 1月20日 12:00
- 2027年第2回: 4月7日〜4月21日/申込締切 3月24日 12:00
- 2027年第3回: 8月4日〜8月18日/申込締切 7月21日 12:00
- 2027年第4回: 11月3日〜11月17日/申込締切 10月20日 12:00
申込締切は、いずれも受験期間が始まる約2週間前の水曜日の正午です。夕方や夜ではないので、最終日に申し込むつもりの人は時間に気をつけてください。
運営は株式会社Beyont(旧スキルアップNeXt)
GX検定を運営しているのは、株式会社Beyont(旧スキルアップNeXt) です。2026年7月29日に株式会社スキルアップNeXtから社名を変えました(商号変更のお知らせ)。GX人材育成サービス「スキルアップGreen」の中で検定を運営していて、公式サイトは green-transformation.jp です。
公式サイトのお知らせや環境省の認定資格一覧、体験記などには旧社名の「スキルアップNeXt」が多く残っています。同じ会社なので、混乱しないようにしましょう。
まとめ:GX検定ベーシックの全体像
- 試験は 60分・50問程度の多肢選択式。時間には余裕がある
- 合格基準は 得点率70%が基準だが、前後する。合格率も回で54〜91%と振れる
- 自宅や会社のPCで受けるIBT方式。カメラ付きPC・スマホ・本人確認書類・個室が必須
- 自宅でも 調べながら解くのは禁止。机にはPC・A4白紙1枚・筆記用具だけ、電卓も不可、カーソル10秒ルールあり
- 点数はその場、合否は約2週間後にメール。有効期限はない
- 環境省認定制度「脱炭素アドバイザー ベーシック」の認定資格。国家資格ではない
- 受験料 6,600円。次回は 11月11日〜25日、申込締切は10月28日(水)12:00
次回の第3回では、「GX検定ベーシックの勉強時間は何時間必要か」を扱います。体験記で合計時間を書いていた合格者の実数と、11月の試験から逆算した1週間・3週間・1か月のプランをまとめます。
GX検定の500問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、GX検定のオリジナル問題500問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップでGX検定専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
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※この記事は2026-09-26時点の公開情報をもとにしています。試験の制度・日程・受験料は変わることがあるので、受験前に必ずGX検定公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。