G検定に落ちた人の原因と直前1週間チェックリスト

G検定 攻略シリーズも、今回の第10回が最終回です。この連載では、第1回で紹介したとおり、note・ブログなどに公開されている G検定の受験記44件と不合格体験記8件、合わせて52件 を読み込み、JDLA(日本ディープラーニング協会)の公式情報と突き合わせてきました。
最終回は、これまであまり正面から扱ってこなかった 不合格体験記8件 を読み解きます。合格率が8割前後の試験で、落ちた人は何を振り返っているのか。そこから逆算して、直前1週間・前日・当日のチェックリスト を作りました。最後に、連載全10回の要点を1行ずつふり返ります。
すでに一度落ちてしまった人にも、これから初めて受ける人にも、役に立つ内容にしたつもりです。
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、G検定の500問を「間違えた問題だけ」に絞って出せるようにしています。この回の後半で紹介する直前1週間の仕上げも、この「間違えた問題とあいまいな用語だけを繰り返す」が軸になります。
不合格体験記8件の顔ぶれ
まず、読み込んだ8件を並べます。2024年11月(G2024#6)より前の受験は、シラバスも問題数も今と違うため、旧 と書き添えました。
- もり さん: 2025年5月に正答率63%で不合格。その後1.5か月勉強して再受験
- fumoyuta さん: 2024年11月・2025年1月・3月・5月と4回不合格、2025年7月の5回目で合格
- さくらさくら日記: 2023年7月と2024年3月に不合格、2024年7月に合格(旧)
- G検定対策ブログ: 2026年1月に不合格、3月に合格(どちらも100分・145問の新形式)
- TXコンサルティング さん: 「不合格区分A」で不合格(受験時期の記載なし。原因の詳細は有料部分)
- 不合格談のまとめ記事: 5名分の不合格談の紹介(二次情報)
- Yusuke Takami さん: 2回不合格のあと合格(旧年度)
- 高橋裕哉 さん: 2019年7月に不合格(旧)
それぞれの記事で、本人が不合格の原因として挙げていることを整理したのが次の図です。

いちばん多かったのは 「丸暗記・理解が浅い」(5件)、次いで 「時間切れ・時間配分」と「検索・カンペに時間」(各3件) でした。第1回で「落ちる人に共通していた5つのこと」を挙げましたが、不合格体験記だけを並べ直しても、ほぼ同じ顔ぶれになります。
原因1:丸暗記では、表現を変えた問題に対応できない
さくらさくら日記の筆者は、1回目にテキストと問題集を「一通り読んで覚えたつもり」で受験し、不合格になりました。振り返りでは、本番は問題集と問題文の表現を変えて出題されていて、本質を理解しないままテキストを丸暗記しても合格できないようになっている、と書いています。
2回目の結果は、数理・統計が16%、法律・倫理・社会問題が35%でした。そこで苦手な分野を基礎から学び直して理解を補い、3回目で合格しています。本人の見積もりでは、合格までにかかった時間は約200時間、期間は実質1年です(旧シラバス期の話です)。
2026年1月に不合格になったG検定対策ブログの筆者も、落ちた原因を分析した記事に「暗記ではなく理解が必要だった」という題を付けています。1回目は約40時間、2回目までに約30時間を足して合格しました。
2019年に不合格になった高橋裕哉さんは、テキストを何度か読み直しても「なかなか頭に入ってこない」と書いています。読む回数を増やすより、問題を解いて「分かっていない所」を見つけるほうが先 というのは、第1回で紹介した合格者の型そのものです。
原因2:時間切れと、調べ物による時間のロス
G検定対策ブログの筆者は、1回目の本番で時間がまったく足りず、「残り10分で約40問をテキトーに回答し」たと書いています。合格した2回目との大きな違いとして挙げているのが、「解けない問題を考え続ける=他の得点を失う」と割り切ったことでした。
調べ物による時間のロスも目立ちます。旧年度のオンライン試験を受けたさくらさくら日記の筆者は、「参考書やググって調べるとすぐに2分~3分ロスします。」と書き、最後は慌てることになったと振り返っています。Yusuke Takamiさんも「不合格となった回はこのチートシート頼りで余計な時間をくってしまった」と書いています。
第6回で整理したとおり、試験中の資料参照を認める公式の記載は無く、会場試験では私物をロッカーに預けるため調べ物はできません。また、JDLAの利用規約第8条は問題の漏えい・送信を禁止しています(JDLA 利用規約)。「分からなければ調べる」を前提にした準備は、時間の面でも規約の面でも危うい と考えておくべきです。
原因3:準備期間が短すぎる
もりさんは、1回目について「思い立って急いで受験したこともあり」と書いています。勉強期間は2週間で、結果は正答率63%の不合格でした。不合格談のまとめ記事でも、2週間の勉強では難しかったという人が紹介されています。
第3回で見たとおり、10日ほどで合格した人もいますが、その人たちは毎日まとまった時間を確保していました。期間の短さそのものより、「短い期間に必要な量をこなせたか」 が分かれ目です。
不合格から逆転した人たち
4回落ちて、5回目で合格した例
fumoyutaさんは、2024年11月から2025年5月まで4回続けて不合格になり、2025年7月の5回目で合格しました。合格の秘訣として挙げているのは、「問題をよく読むということでした」。知らないと感じる問題でも、落ち着いて最後まで読み、「読み終わる頃に、消去法で答えを導く」解き方です。
興味深いのは、試験勉強らしい勉強をせず、直前にテキストを一読しただけで受けた5月・7月の結果が、問題集をこなして臨んだ3月の結果よりも「数字面では良かったのです」と書いていることです。ただし、それまでに長い時間をかけて勉強を積み上げていたことも書かれています。勉強しなくてよいという話ではなく、積み上げた知識を本番で取り出すには、問題文を落ち着いて読む力も要る という話として読むのがよさそうです。
fumoyutaさんは、「AIの社会実装に向けて」「AIの法律と倫理」は数字が作りやすく、機械学習やディープラーニングの4分野は作りづらかった、とも振り返っています。自分の得意・不得意は、結果の分野別の数字から見えてくる、ということです。
正答率63%から、1.5か月で再挑戦した例
もりさんは、1回目の反省から約1.5か月かけて学び直し、2025年11月8日に再受験しました。重要語句は単語帳にして通勤時間などに繰り返し、機械学習とディープラーニングの核心部分がはっきり伸びたと感じたそうです。記事の時点で結果は発表前でしたが、「知識が線でつながった」ことを、前回との違いとして挙げています。
1回落ちて、戦略を変えて合格した例
G検定対策ブログの筆者は、2回目に向けて問題集を別のものに切り替え、1回目に正答率が低かった分野を重点的に勉強しました。本番では、どこまで粘るかのルールを事前に決め、「考えれば解けるかもしれない」問題はチェックして後で戻る方法に変えています。第1回でも紹介したとおり、この筆者はG検定を「知識量の試験」というより「戦略の試験」だと振り返っています。
「区分A」で落ちたTXコンサルティングさんは、「不合格区分Aなのであともう少しで合格ではあったのですが」と書きつつ、合格者の体験談を読んで何とかなると思っていたものの、本番では「甘くないことを思い知らされました」と振り返っています。
不合格の通知で分かること、分からないこと
公式に確認できること
JDLAのFAQで確認できるのは次の点です(JDLA G検定のよくある質問)。
- 合否は、試験の2〜3週間程度で、受験サイトに登録したメールアドレスに届く
- 合格ラインと得点は開示していない
- 合否通知メールの再送は、試験日から1年以内に限られる
再受験割引のクーポンコードもこのメールに入っているので、合否通知メールは消さずに保存しておきましょう。
受験者が公開している結果メールの中身
分野別の得点率について、G検定のFAQには記載が見当たりませんでした。一方、受験者が公開している結果メールを見ると、不合格の場合には次の2つが書かれているようです(G検定対策ブログ・さくらさくら日記。公式の説明ではないので、形式が変わっている可能性があります)。
- 区分(A〜D): A=0〜10%、B=11〜20%、C=21〜50%、D=51%以上。G検定対策ブログに載っている説明文は「合格ライン到達まであと何問程度正答する必要があったかを、問題セット全体に対する割合で表したものとなります。」
- シラバスの分野別得点率: 大分類ごとの正答率(小数点以下切り捨て)
この説明どおりなら、区分Aは「あと問題全体の1割以内」、145問でいえばおよそ14問以内で合格ラインに届いた、ということになります。
分野別の得点率の使い方
体験記から読み取れる使い方は、次の3つです。
- 得点率が低い分野から手を付ける。G検定対策ブログの筆者は、1回目に正答率が低く、しかも出題が多かったと感じた分野を重点的に勉強しました。ただし、分野ごとの配点や出題数は公式に公表されていないので、「多く出た」は受験者の体感です
- 得点率が高い分野は、落とさない程度の復習にとどめる。fumoyutaさんのように、得意分野がはっきりしている人は少なくありません
- 極端に低い分野は、用語の意味から理解し直す。さくらさくら日記の筆者は、数理・統計16%を受けて、用語と計算方法を基礎から学び直しました。解説の用語をその場で辞書で引き、分からない問題はAIに質問できる教材なら、本を買い足さなくてもこの学び直しができます
再受験までの練習でも、同じ見方が使えます。私たちのアプリでも、本番形式テストを解き終えるたびに、いまの合格率と弱点カテゴリがグラフで出ます。結果メールで見えた穴が埋まってきたかを、次の本番の前に数字で確かめられます。
再受験割引は「2年以内・半額」、ただしオンラインの個人申込のみ
一度受験した人は、前回の受験日から2年以内なら、受験料が半額 になります。一般は13,200円が6,600円に、学生は5,500円が2,750円になります(JDLA G検定のよくある質問)。
- クーポンコードは合否通知メールの中に入っている(申し込んだのに受験しなかった人には別のメールで届く)
- 使えるのは オンライン試験の個人申込だけ。団体経由の申込と会場試験は対象外
- AI For Everyone 修了者の割引(30%引き)など、ほかのクーポンとの併用はできない
次のチャンスは、2026年第6回のオンライン試験 11月6日(金)・7日(土) です。申込期間は 10月29日(木)23:59まで で、この回は会場試験がありません(JDLA)。2027年もオンライン試験は年6回あり、第1回は1月16日(土)です(JDLA)。
直前1週間・前日・当日のチェックリスト

不合格の原因として多かった「理解不足」「時間切れ」「調べ物への依存」と、公式の注意事項をもとに、直前期にやることを1枚にまとめました。

いくつか補足します。
- 直前1週間は、新しい教材に手を広げない。間違えた問題とあいまいな用語だけを繰り返します。ナレッジバンドルでは「間違えた問題だけ」に絞って出題でき、あいまいな用語は解説からタップして専用の用語辞書で確かめられるので、通勤などのスキマ時間もこの仕上げに回せます。問題を回しすぎて答えを覚えてしまったと感じたら、正解した問題でも各選択肢がなぜ正しい・誤りなのかを解説で確かめ、説明できない問題はそのままAIに質問して理解を確かめる時間に切り替えます
- 通しの模試を、本番と同じ時間で1回は解く。第5回で紹介した「1周目75〜80分、見直し20〜25分」の配分を、本番前に一度体に覚えさせておきます
- 動作確認と操作マニュアルの確認は、JDLAが試験当日までに必ず行うよう求めています(JDLA)。受験は Windows か Mac のPCが推奨で、スマートフォンやタブレットは推奨されていません
- 当日、試験は開始時刻の10分前に表示され、途中で一時停止はできません。オンラインは100分で自動的に終了します(JDLA FAQ)。タイマーは止まらず、時間切れになってもそれまでの解答で採点されるので、空欄は残さないようにします(JDLA 操作マニュアル)
- 文字の大きさも見ておきましょう。2024年に合格したさくらさくら日記の筆者は、「本番の試験問題の文字は設定できます。」と書き、いちばん大きい文字で受験したそうです
連載全10回のふり返り
最後に、この連載で伝えてきたことを1回1行でふり返ります。
- 第1回: 合格率8割でも油断は禁物。受かる人は問題演習中心で、本番の時間配分を練習していた
- 第2回: 2026年からオンラインは100分・145問、1問約41秒。会場試験の合格率はオンラインより14〜17ポイント低い
- 第3回: 合格者の勉強時間は41〜60時間の帯が真ん中。10日・3週間・1か月の計画は、試験日からの逆算で作る
- 第4回: 教材は、解説の質・問題数・Gシラバス2024に対応した新しい版か・スキマ時間で回せるか・復習の仕組みがあるかで選ぶ。5つを満たすアプリなら、1つで理解から仕上げまで完結できる
- 第5回: 本番は「即答 → 仮の答え+★ → ★だけ見直し」。1周目80分・見直し20分で、空欄ゼロ
- 第6回: カンペの価値は「作る過程」にある。会場では使えず、検索は1回2〜3分かかる
- 第7回: 生成AIは勉強中の家庭教師に。答えは問題の解説や用語辞書と照らし合わせ、試験中に問題文は入力しない
- 第8回: 法律・倫理は後回しにしない。著作権法30条の4と、匿名加工・仮名加工の違いは必ず押さえる
- 第9回: ディープラーニングはCNN・RNN・Transformerを構造と用途で区別し、数理・統計は範囲を絞って割り切る
- 第10回: 不合格の原因で多いのは丸暗記と時間切れ。結果メールの分野別得点率を使い、再受験割引で次の回へ
まとめ:不合格は「どこを直せばよいか」が分かる経験
不合格体験記8件から見えたことをまとめます。
- 原因として多いのは 丸暗記・理解不足(5件)、次いで 時間切れと調べ物への依存(各3件)
- 逆転した人は、解き方のルールを変え、得点率の低い分野に集中し、理解を深めて 再挑戦していた
- 不合格の結果メールには、受験者の公開情報によると 区分(A〜D)と分野別得点率 が書かれている。メールは保存しておく
- 再受験は 2年以内なら半額。ただしオンラインの個人申込だけが対象
- 直前1週間は 手を広げず、通しの模試と動作確認。当日は 空欄ゼロ で終える
4回落ちても5回目で合格した人がいるように、G検定は何度でも挑戦できる試験です。落ちたときに届く数字は、次にどこを直せばよいかを教えてくれる材料でもあります。
G検定 攻略シリーズは、今回で最終回です。10回分の内容が、これから受ける人、もう一度挑戦する人の準備に役立てばうれしいです。
G検定の500問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、G検定のオリジナル問題500問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップでG検定専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
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- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
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※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ずJDLA公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。