G検定の勉強法は「生成AIを家庭教師に」

G検定の受験記44件と不合格体験記8件、合わせて52件を読み込んで、合格に効くやり方を整理している連載の第7回です。
今回のテーマは 生成AIを使った勉強法 です。第1回で「受かる人に共通していたこと」の4つ目に挙げたとおり、生成AI(対話型のAI)を勉強に使った話は、52件のうち15件ほどで出てきました。とくに2025年以降の合格記で急に増えています。
AIの試験の勉強を、AIに手伝ってもらう。2026年3月に合格した 成瀬つばさ さんは、その感想をこう書いています。
「AI資格の勉強を、AIに手伝ってもらう。とても相性が良かったです。」
ただし、使い方を間違えると、覚える内容そのものが間違っていたり、試験のルールに触れたりするおそれもあります。今回は、合格者が実際にどう使っていたかを4つの型に分けて紹介し、そのまま使えるプロンプト例と、やってはいけないことまでをまとめます。
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、G検定の500問は、解いている問題をそのままAIに質問できるようにしています。合格者がしていた「解説を読んでも分からない → AIに聞く」という使い方を、問題を解いているその場でできるようにするためです。
合格者の使い方は、4つの型に分かれる
体験記に出てきた使い方を整理すると、ほぼ次の4つに分かれました。
- かみくだいて解説させる(分からない用語・解説を、理解できるまで説明してもらう)
- 予想問題を作らせる(公式の過去問集が無いぶんを補う)
- 要約させて暗記カードにする(覚えたい要点をスキマ時間に回す)
- 似た用語の比較表を作らせる(名前が似たモデルや手法を並べて違いを見る)
どれも、生成AIに「答えを出させる」のではなく、自分が理解して覚えるための材料を作らせる 使い方です。順番に見ていきます。
1. かみくだき解説:「理解できるまで」聞ける家庭教師
いちばん多かったのが、問題の解説が分からないときに、生成AIに説明し直してもらう使い方です。
2025年に10日間で合格した akkTYO さんは、子育て中でスマホのアプリで勉強していました。用語の定義ならアプリの解説で足りたものの、概念や仕組みを問う問題は数行の解説では分からなかったため、生成AIを使って、理解できるまで解説してもらったと書いています。
社労士の SRのR さんは、問題集1冊を解きながら、生成AI(本人は「チャッピー先生」と呼んでいます)に「チャッピー先生にわからない所を納得いくまで質問する」やり方で勉強を進めました。
書かれた解説は、説明が1通りしかありません。生成AIなら、分かるまで言い方を変えて何度でも聞き直せる。ここが「家庭教師」と呼ばれるゆえんです。
この「解説を読んでも分からない → AIに聞く」の往復は、問題を解いているその場でできると手間がかかりません。私たちのアプリでは、全問にある解説(正解の理由と各選択肢の正誤)を読んでも引っかかった問題を、そのままAIに質問できます。問題文を打ち直したり、別のアプリに貼り付けたりする必要がなく、解説の中の用語はタップするとG検定専用の用語辞書が開きます。
2. 予想問題の生成:過去問が無い試験の穴を埋める
G検定には公式の過去問集がなく、JDLAが公開している例題は20問だけです(JDLA 例題)。そこで、生成AIに予想問題を作らせる合格者が何人もいました。
2026年5月に会場試験で合格した study.jz5.jp の筆者は、こう書いています。
「過去問が公開されていない試験なので、AIに予想問題と解説を作ってもらいながら勉強しました。」
この筆者は、最初は基礎的な問題から始めて、解けるようになったら難しめに作り直す、苦手な分野だけを集中して出題させる、といった調整を重ねたそうです。「難易度を段階的に上げられるのがAIならではの強みです。」とも書いています。
2025年に合格した Rcat999 さんは、自作のAIチャットで問題を作っていました。「シラバスを参照し、生成AIを使うことで無限に問題を生成することができます。」とあります。シラバスを参照させる のがポイントで、出題範囲から外れた問題ばかり解く心配が減ります。
3. 要約→暗記カード:「作る過程」でも覚える
52歳の元SEで、2026年3月に合格した atchy さんは、勉強した内容の節ごとの要約を生成AIに作らせ、それをもとに単語帳アプリで穴埋め問題を作り、通勤中に回していました。
atchy さんは、穴埋め問題を作る作業そのものについて「自分で内容を理解していないと問題を作れないので」、インプットと暗記の仕組みが同時にできると書いています。第1回で紹介した、カンペは本番で見るより作る過程で覚えられたのが一番の効果だった、という声と同じで、手を動かしてまとめ直すことに価値がある わけです。
前述の SRのR さんも、生成AIとの会話をもとに別のAIツールで問題データを作り、単語帳アプリに取り込んでスキマ時間に見返していました。
4. 比較表:似た名前の用語をまとめて整理する
G検定では、「〇〇Net」のように名前が似たモデルや、英字3文字の略語がたくさん出てきます。atchy さんも、似た名前や略語を苦手な点に挙げていました。
こうした用語は、1つずつ覚えるより、並べて違いを見たほうが頭に入ります。2025年9月に合格した まなてぃの旅日記 の筆者は、生成AIに次のように頼んでいました。
「隠れ層とプーリング層の違いを小学生にもわかるように説明して。そして表にして」
この筆者はこの学び方を「AIにAIを教えてもらう」と表現しています。note では表をそのまま載せられないので、この連載でも比較は図で示していますが、自分のノートなら生成AIに作らせた表をそのまま貼っておけます。

4つをつなぐと、ひとつの学習サイクルになる
2026年5月に会場試験で合格した GMOペパボのたてけん さんは、生成AIに質問するときに、ただ聞くだけでなく、AIに聞き、回答をメモにまとめてもらい、メモが溜まったら四択問題を作ってもらって解く、という流れで使っていました。
「聞く→メモに残す→問題で復習、のサイクルが回ると定着が早いです。」
合格者の使い方をひとつの流れにまとめると、次のようになります。

大事なのは、3番目の 「問題の解説と突き合わせて裏取りする」 です。生成AIの説明が、手元の問題の解説(正解の理由・各選択肢の正誤)と食い違っていないかを確かめます。また、生成AIとの会話はあとから探しにくいので、覚えるべきことは メモか暗記カードに移しておく のが実用的です。
そのまま使えるプロンプト例
体験記の使い方をもとに、そのまま使える頼み方の例を用途別にまとめます。〔 〕の部分を自分の用語に置き換えてください。
かみくだき解説
- 〔用語〕を、G検定の受験生向けに、中学生にもわかる言葉で説明してください。身近なたとえ話を1つ入れてください。
- 次の問題集の解説が分かりません。どこでつまずきそうかを先に示してから、順を追って説明してください。〔解説文を自分の言葉で要約したもの〕
- 〔用語〕について、よくある誤解を3つ挙げて、それぞれ何が違うのかを説明してください。
予想問題の生成
- Gシラバス2024の〔分野名〕から、4択問題を5問作ってください。正解と、各選択肢が正しい・誤りである理由も付けてください。
- さっきより少し難しくして、もう5問作ってください。
- 私が間違えた〔用語〕に関係する問題だけを、言い回しを変えて3問作ってください。
要約→暗記カード
- 次の文章を、覚えるべき用語と定義の組に分けて、1行ずつ書き出してください。〔自分のノートの内容〕
- 上の組を、用語を空欄にした穴埋め問題にしてください。
比較表
- 〔用語A〕と〔用語B〕と〔用語C〕の違いを、「何をするものか」「得意なこと」「代表的な使い道」の3点で表にしてください。
- 名前が似ていて混同しやすい〔分野名〕の用語を挙げ、見分けるコツを1行ずつ付けてください。
市販の教材の文章を大量に貼り付けるのではなく、自分のノートや、自分の言葉で要約したもの を材料にするのがおすすめです。自分でまとめる時点で、すでに一度覚える作業をしているからです。
生成AIの答えは、必ず裏取りする
生成AIに教えてもらうときに、いちばん気をつけたいのが 答えそのものの誤り です。総務省の情報通信白書は、生成AIのリスクとして次のように書いています。
「生成AIは事実に基づかない誤った情報をもっともらしく生成することがあり、これをハルシネーション(幻覚)と呼ぶ。」
白書は、完全に抑えられるものではないので、利用者が答えの正しさを確かめることが望ましい、とも述べています(総務省 令和6年版 情報通信白書)。
G検定の勉強では、次の3つを習慣にしておくと安全です。
- 説明が分かったら、同じ内容を問題の解説で確認する。食い違ったら、AIの説明をうのみにせず、どちらが正しいかを確かめる
- 作らせた予想問題の「正解」も疑う。自分の答えと違ったら、似た内容の問題とその解説で確かめる
- 法律・ガイドラインは一次資料を見る。どの版の話をしているのかを確認する
3つ目には理由があります。法律やガイドラインは改訂が続いており、たとえばAI事業者ガイドラインは第1.2版(2026年3月31日)まで公表されていますが、どの版が出題の基準になるのかは、公式の発表では確認できませんでした(経済産業省 AI事業者ガイドライン 第1.2版)。生成AIは古い版の内容を答えることも、最新の版の内容を答えることもあるので、話がどの版に基づいているのか を意識して読む必要があります。
前述の study.jz5.jp の筆者も、時事的な問題や法令・ガイドラインのように動きの早い分野は、AIにWeb検索をさせてから予想問題を作らせていました。
やってはいけないこと:試験中に問題文を入力する
もうひとつ、はっきり書いておきたいのが 試験中の使い方 です。
JDLAの利用規約 第8条は、禁止事項として、試験問題の全部または一部について「漏えいにつながる一切の行為、またはそのおそれのある行為」を挙げ、その形式として保存・複製・配布・送信・公開などを並べています(JDLA 利用規約)。問題文を生成AIに入力することは、この「送信」に当たるおそれがあります。
52件の体験記の中には、オンライン試験の最中に生成AIを使ったと書いているものもありました。しかし、規約に触れるおそれがある以上、この連載では勧めません。そもそも1問あたり約41秒(オンライン)しかない試験で、問題文を入力して答えを待つ時間はほとんどありません。会場試験では私物をすべてロッカーに預けるので、使うこと自体ができません(JDLA FAQ)。

生成AIは 試験の前、勉強中に使うもの と割り切りましょう。本番で頼れるのは、勉強中に生成AIと一緒に理解し、自分の頭に入れた知識だけです。
まとめ:生成AIは「答えを出す係」ではなく「理解を助ける係」
52件の体験記から見えた、生成AIの上手な使い方をまとめます。
- 分からない解説は、理解できるまで言い方を変えて説明させる
- 過去問が無いぶん、シラバスに沿った予想問題を作らせ、難易度を上げていく
- 要約は 暗記カードに移し、作る過程でも覚える
- 似た用語は 比較表にして並べて覚える
- 答えは 必ず問題の解説と突き合わせて裏取り する。法律・ガイドラインは版を確認する
- 試験中に問題文を入力しない(利用規約 第8条の漏えい・送信に触れるおそれ)
次回の第8回は、生成AIと並んで新しいシラバスで重みが増した 法律・倫理 を取り上げます。著作権法30条の4、個人情報の匿名加工と仮名加工の違いなど、落としやすい論点を整理します。
G検定の500問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、G検定のオリジナル問題500問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップでG検定専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
- 解説を読んでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問。Google検索もワンタップ
- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
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※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ずJDLA公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。