生成AIパスポートに落ちた7人の原因と直前チェック

生成AIパスポート攻略シリーズ、最終回の第10回です。この連載は、第1回で2025年以降に公開された体験記44本(38人分)を読み込み、GUGA(生成AI活用普及協会)の公式情報と突き合わせて進めてきました。
いまは10月試験の受験期間中です。受験期間は 10月31日(土)23:59まで で、最終日は24:00で強制終了します。すでに受けた人も、これから受ける人もいると思います。
最終回は、一度落ちた人7人が何を原因に挙げ、再合格までに何を変えたか を整理し、そこから直前1週間・前日・当日のチェックリストを作りました。最後に、G検定・ITパスポートとの違いと、連載全10回のふり返りをまとめます。
最終回なので、書き手のことも改めて。私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、この連載は、生成AIパスポートの問題を作るために体験記を読んだところから始まりました。再合格した人たちに共通していたのは、「なぜ正解か、ほかがなぜ違うか」を説明できるまで解いたことです。520問すべてに各選択肢の正誤の解説をつけているのも、同じ理由からです。
合格率8割でも、毎回約2割が落ちている
2026年8月試験は、受験者32,877名・合格率81.21%でした。2026年の合格率は78.84〜81.21%で、どの回も 約2割が不合格 です(GUGA 2026年8月試験 結果)。8月試験だけで、6,000人を超える人が落ちている計算になります。
不合格を経験した7人の中には、会社の制度で受けた人、AIのブログを運営している人、資格をいくつも持つ人もいました。auコマース&ライフの石崎さんは、記事のタイトルにこう書いています。
「合格率8割の試験に、会社のお金で落ちました」
生成AIを普段使っている人ほど油断して落ちやすい、というのがこの7人から見えたいちばんの特徴です。
不合格を経験した7人と、本人が挙げた原因
7人が自分で書いている原因を、1枚にまとめました。

多かった順に見ていきます。
原因1:普段使っているから大丈夫、という油断
いちばん多かったのがこれです。3人がはっきり書いています。
- 加藤です。 さんは、生成AIは普段から使っているから大丈夫だと油断し、知っているつもりのことも体系的に聞かれると答えられなかったと振り返っています。まとめの一文は「「使える」と「説明できる」は違う。」です。
- 50代で宅建・FP2級・簿記2級などを持つ 朝岡俊樹 さんは、2026年2月試験で不合格。そのときの 第5章(プロンプト)の正答率は35% でした。「“使っている”と“理解している”は、全然違う。」と書いています。
- 介護福祉士16年の キム・タック さんも、普段AIを使っているからとナメていたと書き、「なんとなく受けたら、僕みたいに落ちます」と締めています。
生成AIパスポートで問われるのは、使い方のコツではなく、仕組み・用語・法律・リスクを 言葉で説明できるか です。ここに、使い慣れている人ほどつまずく理由があります。
原因2:AIツールに任せて「理解したつもり」になる
石崎さんの場合は、想定問題集を学習させた Custom GPTs や Gem、スマホアプリ、AIの自動要約・問題生成に頼っていました。その結果を本人は「「理解したつもり」になるスピードだけが爆上がり」と表現しています。
AIを勉強に使うこと自体は、合格者にも多い方法です。違いは、AIのまとめを読んで終わるか、自分の頭で説明し直すか でした。
原因3:問題と答えの組み合わせで覚える
生成AIのブログを運営する nekosan(生成AIマスター) さんは、2025年6月試験で不合格でした。2択まで絞れても、問題文の言い回しが問題集と少し違うだけで確信が持てなかったといいます。原因は、問題集の周回で 問題文と答えの組み合わせを覚えていた こと。本人はこれを「知識の「揺れへの耐性」が足りていない」と書いています。
原因4:演習不足・準備不足
- 朝岡さんは、模擬試験をやらなかった ことと、アルファベットやカタカナの用語を「なんとなく」で流したことを挙げています(「アルファベットの羅列、カタカナの羅列。」朝岡俊樹)。
- キム・タックさんは、教材1冊を読んで少し問題を解いただけで、予定より早めに受けていました。
- エンジニアの 星影 さんは、ひと言「前回は純粋に勉強不足…」。
原因5:意味の取り違え
2026年8月試験で不合格だった だれか のん さんは、自分は意味を逆に取り違えて記憶することがある、と分析しています。結果の内訳を見て「「そんなに出来てなかったか!」の項目に驚きました」とも書いています。
再合格した6人が変えたこと
7人のうち6人は、再受験で合格しています。変えたことは、原因と対になっていました。
- 「なぜ正解か」を説明できるまでやる: nekosan さんは、なぜその選択肢が正解で、ほかが不正解かを説明できるかを基準にし、同じ問題集の反復ではなく 表現の違う問題 に多く触れるようにしました(2025年6月不合格 → 10月合格)。
- 用語を一問一答で反復する: 朝岡さんは、ChatGPT で一問一答を作って英語の専門用語を反復。1日1〜2時間の勉強で、2026年4月試験で合格しました。
- 章ごとの模擬問題を解く: 星影さんは、Gemini の Canvas で章ごとの模擬問題集を作って解き、正答率9割ほどで合格しています(2025年10月)。
- AIには答えではなく「弱点」を聞く: 加藤です。さんは、Claude に自分が何を理解できていないかを整理させて、弱点をつぶしました(2026年8月合格)。キム・タックさんも、問題演習を増やし、わからない用語は丸暗記せずAIに「なぜ間違えたか」を聞きつつ、AIが自信満々に間違えることがあるので鵜呑みにしなかったといいます。
- 間違えた概念を自分の言葉で書く: 石崎さんは、間違えた概念を手書きで書き出して反復。いちばん苦戦した範囲の正答率が 63.64% → 100% になりました(2026年4月不合格 → 6月合格)。
共通するのは、「読んだ・使った」から「説明できる」へ 基準を上げたことです。
これから受ける人がこのやり方をまねるなら、問題を解いたあとに 正解の理由と、ほかの選択肢がなぜ違うか まで確かめられる教材を使うのが近道です。私たちのアプリでは、全問に各選択肢の正誤の解説があり、解説の用語はタップで専用の用語辞書を引けます。それでも引っかかる問題は、そのままAIに質問できます。キム・タックさんの言うとおり、AIの答えを鵜呑みにせず、解説と突き合わせて使うのが安全です。解いて、解説で「なぜ違うか」を確かめ、用語を辞書で引き、間違えた問題だけを繰り返す。再合格した人たちが変えたことの多くは、この問題演習の繰り返しの中で済ませられます。
再受験の扱い:公式の明記は見つからなかった
不合格だった場合の再受験の決まり(回数の制限、次に受けられるまでの期間、割引など)は、公式の よくある質問 と 試験概要 を確認した範囲では 明記がありませんでした。「再受験」という言葉が公式に出てくるのは、2026年8月試験の最終日夜にアクセス集中の障害があり、対象者に受験期間の延長または再受験で対応した、という告知です(GUGA 2026-09-01)。
体験記では、石崎さん(4月→6月)、朝岡さん(2月→4月)、nekosan さん・星影さん(2025年6月→10月)の4人が、いずれも すぐ次の試験回 で受け直して合格しています。
10月試験の結果は、FAQでは「試験実施月の翌月中旬(目安:20日頃まで)」とされています。2027年の試験日程は、この記事を書いた2026年9月24日の時点では未発表でした。受け直すときは、公式サイトで最新の日程を確認してください。
結果の「章別正答率」の使い方
生成AIパスポートでは、点数や合格点は出ません。公式FAQは「合否に関する基準点や採点の詳細については開示しておりません」としています。その代わり、マイページの結果ページで 章ごとの正答率 を見られることが、多くの体験記に書かれています。
使い方は、次の3つです。
- いちばん低い章から勉強し直す: 石崎さんは苦戦した範囲を 63.64% から 100% に、朝岡さんは35%だった第5章を立て直して合格しました。
- 合格点の逆算には使わない: 1章あたりの問題数は9〜17問程度と推計されていて(Eto0 さんの Qiita による逆算で、公式の発表ではありません)、1〜2問で正答率が大きく動きます。実際、nekosan さんが公開した不合格時と合格時の章別正答率は、3章が70%→80%に上がった一方、5章は66.67%→55.56%に下がっていました。本人も「合否を分けたのはたった1章の変化だけ」と書いています(生成AIマスター 章別比較)。数字から合格ラインを割り出すのは無理があります。
- 合格した人も確認する: コエテコキャンパス の大橋礼さんは合格したものの、結果の内訳で2章が極端に低く、生成モデルの種類やChatGPTの歴史などの暗記をもっとやるべきだったと振り返っています。合格しても、低かった章は説明できない分野として見直しておく価値があります。
直前1週間・前日・当日のチェックリスト

7人の原因と、合格者の当日の工夫、公式の禁止事項・受験環境の条件から、チェックリストを作りました。受験期間中のいまから使えるように、1枚にしています。

いくつか補足します。
- 新しい教材に手を広げない: 直前期は、間違えた問題と、アルファベットやカタカナの用語だけに絞ります。用語は、自分の言葉で1行で説明できるかで確かめます。ナレッジバンドルでも「間違えた問題だけ」に絞って出題できるので、この絞り込みをそのまま復習に使えます。
- 60分を測って模試を1回通す: 一通り解くまでにかかった時間は、体験記に書いている人全員が40分以内でした。残りの時間は「見直す問題に登録」した問題に使います。登録を使い忘れて苦労した人もいます。
- 禁止事項を読み直す: 試験中の検索・資料の閲覧・AIツールへの問題送信・別端末の使用は、すべて禁止です。筆記具も机に置けず、デュアルディスプレイも使えません。当協会が取得した「ログ、映像、操作履歴等」に基づいて失格にできる、と明記されています(試験概要)。
- 最終日の夜を避ける: 一時停止はできず、最終日は24:00で強制終了します。8月試験では最終日夜に障害も起きました。
次に取る資格:G検定・ITパスポートとの違い
合格者のうち何人かは、次の資格に進んでいます。体験記で比べられていたのは、主にG検定とITパスポートでした。
G検定:範囲は「2〜3割」しか重ならない
G検定(JDLA)は、2026年のオンライン試験が 100分・145問程度 で、受験料は一般13,200円です(JDLA G検定)。生成AIパスポートの60分・60問と比べると、問題数は約2.4倍で、1問にかけられる時間も短くなります。
両方受けた人の声は次のとおりです。
- 情シスコンサルティングの筆者は、両者の範囲は「約2〜3割ほどしか重なっていなかった」と書いています。G検定はAIの歴史・機械学習のアルゴリズム・ディープラーニングの構造が中心で、時間も足りなかったとのことです(情シスコンサルティング)。この筆者は、生成AIパスポートに合格した翌週にほぼ無勉強でG検定を受けて不合格になり、2回目で合格しています。
- hanamarutask.blog の筆者は、G検定の知識量を10とすると「生成AIパスポートはその中の「4〜6」程度のイメージ」と表現し、初心者には「生成AIパスポート → G検定」の順を勧めています。
生成AIパスポートの知識がそのまま使えるのは一部です。G検定に進むなら、別の試験として勉強時間を取り直す つもりで計画を立てるのが安全です。次のG検定は、オンライン試験が2026年11月6日(金)・7日(土)、個人の申込は10月29日(木)23:59までです(JDLA G検定)。
ITパスポート:IT全般の国家試験
ITパスポートはIPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、CBT方式で随時受けられます。試験時間は120分・100問、四肢択一です(IPA ITパスポート試験)。範囲はIT全般の基礎で、AIはその一部です。
体験記では、トレノケート の筆者が、ITパスポートがIT全般なら生成AIパスポートはAI活用を前提にした共通理解、とたとえていました。株式会社エアー の記事は、ITの土台として先にITパスポートを受けるのもよい、としています。
どちらに進むかは目的次第です。AIの技術をもう一段深く知りたいならG検定、IT全般の土台を固めたいならITパスポート が、体験記と公式の形式から見た目安です。
連載全10回のふり返り
- 第1回:体験記38人から、受かる人と落ちる人の違い(油断・AI任せ・丸暗記)を整理した
- 第2回:試験の全体像。60分60問・年5回・合格率・受験料と団体割引・合格基準は非公開
- 第3回:勉強時間は、数字を書いた合格者9人の中央値が20〜30時間の帯。3日〜2週間のプラン
- 第4回:教材は、新シラバス対応・解説の質・問題数・スキマ時間で回せるか・復習の仕組みの5つの基準で選ぶ。基準を満たすアプリ1つで、解説・用語辞書・AIへの質問まで完結できる
- 第5回:当日の受け方と禁止事項。検索・AI・別端末は禁止、最終日の夜を避ける
- 第6回:第1・2章は、略語とモデル名の整理で得点できる
- 第7回:第3章は、RAG・AIエージェント・MCP・ディープフェイクの要点をつかむ
- 第8回:第4章は、著作権・個人情報・AI事業者ガイドライン・AI新法を文章で説明できるように
- 第9回:第5章は、Temperature・Top-p・Few-Shot などプロンプトの基本で落とさない
- 第10回:不合格7人の原因と、直前チェックリスト、次に取る資格(この記事)
まとめ:「使える」を「説明できる」に変える
- 不合格の原因で多かったのは 普段使っているから大丈夫、という油断
- AIのまとめを読むだけ、問題と答えの組み合わせで覚えるだけでは、言い回しが変わると外す
- 再合格した人は、自分の言葉で書く・なぜ正解かを説明する・表現の違う問題に触れる に変えた
- 結果の 章別正答率は、次に勉強する順番を決める材料。合格点の逆算には使わない
- 当日は禁止事項を守り、最終日の夜を避けて、見直す問題への登録を使う
10月試験の受験期間は10月31日(土)23:59までです。落ち着いて、自分の言葉で説明できる知識を持って臨んでください。
生成AIパスポートの520問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、生成AIパスポートのオリジナル問題520問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップで生成AIパスポート専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
- 解説を読んでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問。Google検索もワンタップ
- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
- 本番形式テストで、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認
- 広告なし。全教材は無料体験できます
生成AIパスポートのほか、100以上の資格・検定(レビュー中含む)が1つのアプリで使い放題です。アプリ内の教材追加画面で「生成AIパスポート」と検索してください。
※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程は変わることがあるので、受験前に必ずGUGA公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。