生成AIパスポートの体験記38人を読んでわかった「受かる人」と「落ちる人」の違い|合格率・勉強時間【2026年版】

生成AIパスポートの合格率は、2026年8月試験で 81.21% でした。受験者は32,877名で、1回あたり過去最多です(GUGA 2026年8月試験 結果)。数字だけを見ると「10人受ければ8人受かる、やさしい試験」です。
ところが、同じ回で不合格になった人は、計算すると 約6,200人 います。合格率は初回の2023年10月から73〜81%台で推移しており、毎回およそ2割の人が落ちている 試験でもあります。
実際に落ちた人の体験記は、こんな書き出しで始まります。
- 「合格率8割の試験に、会社のお金で落ちました」(auコマース&ライフ 石崎さん)
- 「なんとなく受けたら、僕みたいに落ちます」(キム・タックさん)
この連載では、note・Qiita・Zenn・個人ブログ・企業ブログに公開されている 2025年以降の一次体験記44本(38人分) を読み込み、主催団体GUGA(一般社団法人 生成AI活用普及協会)の公式情報と突き合わせて、合格に効くやり方を全10回で整理します。38人のうち31人は1回で合格した人、7人は不合格を経験した人(うち6人は再受験で合格)です。
書いているのは、資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っているチームです。生成AIパスポートの問題を作るときに、受かった人と落ちた人が何をしていたのかを知りたくて、体験記を一本ずつ読みました。読んでいくと、受かった人の多くは「答えを覚える」より「なぜその答えなのかを説明できるようにする」ことに時間を使っていました。私たちが520問すべてに1問ずつ解説をつけているのも、この理由からです。
第1回の今回は全体像として、「受かる人」と「落ちる人」を分けたポイント と、合格者の勉強時間の実数をまとめます。
まず押さえたい、2026年の生成AIパスポート
- 形式: オンライン(IBT方式)で 60分・60問、四肢択一式(一部複数選択を含む)。パソコン・スマートフォン・タブレットで、受験期間中の好きな日時に受けられます(GUGA 試験概要)。1問あたりの時間は60秒です。
- 受験料: 一般11,000円、学生5,500円(税込)。
- 開催: 2026年から 年5回(2・4・6・8・10月) に増えました(GUGA)。
- シラバス: 2026年2月試験から新シラバスが適用され、RAG・AIエージェント(MCPを含む)・AI事業者ガイドライン第1.1版・AI新法などが加わりました(GUGA)。
- 合格基準: 公式FAQに「合否に関する基準点や採点の詳細については開示しておりません」とあります(GUGA よくある質問)。点数は出ず、章別の正答率がわかる形です。
合格率の推移は次のとおりです。

2023年10月の73.71%から少しずつ上がり、2026年は78.84%→79.35%→79.90%→81.21%と推移しています。それでも不合格率は毎回2割前後で、「受ければ受かる」試験にはなっていません。
もう一つ大事なのが、試験中の調べ物は全面禁止 という点です。自宅で受けるオンライン試験ですが、公式の禁止事項には、検索やチャットなどのアプリの使用、「試験問題を外部サービス、AIツール、検索サービス等に送信し、解答を取得する行為」、別端末の使用、画像検索などが並び、ログや映像、操作履歴にもとづいて失格にできると書かれています(GUGA 試験概要)。デュアルディスプレイも使えません。頭に入っている知識だけで60問を解く試験 だと考えてください。
受かる人に共通していた6つのこと
合格した31人の体験記を並べると、やり方はかなり似ていました。
1. 読む時間は短く、問題演習を中心に回す
合格者に共通していたのは、読むことより 解くこと に時間を使っていた点です。問題を2〜3周し、間違えたところを埋めていく流れです。
2026年6月に合格した KyoroLab.net の筆者は、マンガの入門書で全体の雰囲気をつかんだあとは、スマホの問題集アプリで演習を重ねて合格しています(この人の解き方は3でくわしく見ます)。
2. 違う聞かれ方の問題にも触れる
合格者の中で目立ったのが、同じ問題の繰り返しだけで終わらせず、違う聞かれ方の問題にも触れている ことです。2026年4月に合格した リラーニングラボ の筆者は、別の問題集で違う聞かれ方に触れたことで、覚えたつもりになっていた部分に気づけたと書いています。
正答率90%を超えるまで解いた人もいました。同じ論点でも、問題の作り手が変わると聞かれ方が変わります。1種類の問題だけで仕上げないことが、本番の「見たことのない言い回し」への備えになります。
3. 正解の「理由」を説明できるまでやる
1で紹介した KyoroLab.net の筆者は、選択肢ごとに、なぜ正しいか・なぜ違うかを考え、たまたま正解した問題も復習していました。この人は本番を「模擬試験よりもかなり難しかった」と振り返りつつ、章別の正答率から逆算して60問中57問ほど取れていたと書いています。正解を当てる練習ではなく、理由を説明する練習 をしていたことが、難しく感じた本番でも崩れなかった理由だと読めます。
4. 略語・横文字をAIに噛み砕いてもらう
この試験には、VAE・GAN・Transformer・RLHF・RAGなどの略語やモデル名が大量に出てきます。pisuke9190さん は、CNN・RNN・VAEなどの略語をGeminiに高校生でもわかるように説明させた方法について、「一番これが効いたかもしれません。」と書いています。
ただし、後で触れるとおり、AIに任せきりにして失敗した人もいます。AIは「わからない言葉を噛み砕く家庭教師」として使い、答えや要約をそのまま覚える道具にはしない、というのが合格者の使い方でした。

5. スキマ時間は一問一答、机では時間を測って模試
一問一答や〇×のクイズ、解説動画は、通勤中や家事の合間に使っている人が多くいました。一方で、机に向かうときは 本番と同じ4択の模擬問題を、時間を測って解く 人が合格者に多く見られました。
〇×形式のクイズは手軽ですが、問題文も形式も本番と違うと指摘する合格者もいます(Eto0さん)。〇×は用語の確認には向いていても、4つの選択肢を読み比べる練習にはなりません。
スキマ時間にも4択で解きたいなら、冒頭で書いた私たちのアプリでも同じ練習ができます。全問に解説があり、正解の理由と各選択肢の正誤まで確認できるので、3で挙げた「理由を説明する練習」を通勤中にも続けられます。解説に出てくる略語はタップすると専用の用語辞書が開き、それでも引っかかったらその問題をそのままAIに質問できます。本を別に開かなくても、解説と用語辞書で理解まで進められる つくりです。
6. 法律・ガイドライン・権利を「文章で説明できる」まで
著作権・個人情報・AI事業者ガイドライン・AI新法などの章は、選択肢の言い回しが細かく、読み違えやすい分野です。QES の筆者は、リスク・権利・ガイドラインを文章で論理的に説明できるまで詰めてから、時間を測った模試に移っています。問題の文章量について、この筆者は「“正確に読むスピード”が意外と重要になります」とも書いています。
落ちる人・苦戦した人に共通していた6つのこと
不合格を経験した7人と、合格者が書いた「後悔」を並べると、つまずき方も似ていました。
1. 「普段使っているから大丈夫」という油断
不合格者の体験記で、いちばんはっきり出てくるのがこれです。生成AIを仕事で使っている人ほど、使っているからわかると考えて準備を軽くしがちです。
朝岡さんは不合格だった回で、第5章(プロンプト)の正答率が 35% でした。模擬試験をやらず、アルファベットやカタカナの用語をなんとなくで流していたと振り返っています。毎日ChatGPTを使っていても、Temperature や Top-p、Few-Shot といった用語の意味を問われると答えられない、というのがこの試験の落とし穴です。
2. AIツール任せで「理解したつもり」になる
前述の石崎さんは、想定問題集を学習させたカスタムGPTやGem、資格対策アプリ、AIの自動要約や問題生成に頼って勉強し、2026年4月の試験に落ちました。本人の言葉では「「理解したつもり」になるスピードだけが爆上がり」だったそうです。
6月の再受験では、間違えた概念を自分の手で、自分の言葉で書き出す方法に変えました。最も苦戦していた範囲の正答率は 63.64%から100% に上がっています。AIは説明役には便利でも、覚える作業そのものを代わってはくれない ということです。
3. 問題と答えの組み合わせを覚えてしまう
2025年6月に不合格、10月に合格した 生成AIマスター の筆者は、問題集を周回するうちに、問題文と答えの組み合わせを覚えてしまっていたと書いています。選択肢を2つまで絞れても、言い回しが問題集と少し違うだけで確信が持てず、外したそうです。本人はこれを、知識の「揺れへの耐性」が足りていない状態と表現しています。
4. 模擬試験をやらない・一問一答だけで済ませる
前述の朝岡さんは、模擬試験をやらずに受けて落ちました。2026年2月に正答率75%で合格した んのブログ の筆者も、一問一答ばかりやっていたため4択の模擬問題が難しく感じ、本番では模擬問題にない選択式が出て焦ったと書いています。本番には当てはまるものをすべて選ぶ複数選択の問題もあり、〇×や一問一答だけでは本番の形式に慣れられません。
5. 教材を絞りすぎ、同じ模試の反復で安心する
合格はしたものの苦戦した例として、コエテコキャンパスの大橋礼さん の体験記があります。テキスト1冊と気に入った動画だけに絞り、巻末の模試を10回ほど繰り返して最後は9割取れるようになりましたが、本番では第2章の正答率が極端に低かったそうです。本人は「「わかった気」になってしまっていたようです」と振り返っています。同じ問題を10回解けば、解けて当然です。正答率の高さが、理解の深さを表しているとは限りません。
6. 法律・ガイドラインを浅く済ませる
合格者の後悔で多いのが、法律・ガイドラインの章です。pisuke9190さんは第4・5章をもっと深掘りすべきだったと書き、@IT エンジニアライフのKyonさん は公的文書や法律の言い回しに引っかかったと書いています。Kyonさんの本番の感想は「思ったよりも難しいなと感じました」でした。
合格者の勉強時間は「20〜30時間」が真ん中
38人のうち、合格者で合計の勉強時間を数字で書いていたのは9人でした。

9人の真ん中(中央値)は 20〜30時間の帯 です。いちばん短かったのは「10時間弱」の人ですが、この人はITパスポートや情報セキュリティマネジメントなどを持つヘルプデスク経験者で、普段から複数の生成AIを使っていました(nozawanatsuさん)。11〜19時間の人はいませんでした。どれも自己申告で、正確には計っていないと断っている人もいます。
時間は書かず期間だけを書いた合格者は、1週間ほどから約2か月までと幅があり、約2週間と約1か月が多めでした。1日あたりは 平日30分〜1.5時間、休日1〜3時間 という人が多く、仕事をしながら無理なく続けられる量です。
なお、不合格者のうち1回目の勉強時間を数字で書いた人はいませんでした。代わりに書かれていたのは、教材を1冊読んで少し問題を解いただけで予定より早く受けた(キム・タックさん)、模擬試験をやらなかった(朝岡さん)といった、時間の長さより中身の薄さ です。20〜30時間を目安にしつつ、その時間を問題演習に多く割くことが大切です。演習では、解けた問題を何度も解き直すより、間違えた問題と自信のなかった問題に時間を回すほうが効きます。忘却曲線にそって復習を出し直してくれる仕組みや、「間違えた問題だけ」に絞って解ける機能を使えば、限られた時間を弱いところに集められます。
本番の60分は「読む力」の勝負
合格者の当日の記録を見ると、一通り解き終えるまでの時間は 全員40分以内(早い人は20分ほど)でした。時間切れで苦しむ試験ではありません。そのぶん問われるのは、長めの選択肢を正確に読む力です。
- 「生成AIパスポート試験はとにかく文章量との戦いです」(前述のEto0さん)
「適切なもの」と「不適切なもの」を選ぶ問題が交互に出ると、取り違えやすくなります。合格者は、迷った問題を「見直す問題に登録」して先へ進み、残り時間でまとめて見直していました。登録を使い忘れて苦労した、と書いている人もいます(あいと学ぶAI)。
10月試験の申込は 9月30日(水)23:59 まで
次の試験は 2026年10月試験 です(GUGA)。
- 申込期間: 2026年8月1日〜 9月30日(水)23:59
- 受験期間: 2026年10月1日(木)0:00〜10月31日(土)23:59
受験期間中は、その回に申し込むことはできません。10月に受けたい人は、9月30日までに申し込む必要があります。
もう一つ注意したいのが、受験期間の最終日の夜 です。2026年8月試験では、最終日の8月31日22:00〜23:10ごろにアクセス集中によるシステム障害が起き、対象者には受験期間の延長や再受験で対応したと公式に発表されています(GUGA)。試験は一時停止ができず、最終日は24:00で強制終了します。受験日は余裕を持って、最終日の夜は避けて 決めましょう。
今から申し込んで10月中旬に受けるなら、準備期間は約3週間です。合格者の多くが約2週間〜1か月、合計20〜30時間ほどで合格していることを考えると、まだ十分に間に合います。
まとめ:「使える」を「説明できる」に変える試験
38人の体験記から見えたことを、ひと言でまとめます。
- 合格率は8割でも、毎回約2割が落ちている
- 落ちた人に多いのは、「普段使っているから大丈夫」という油断 と AI任せ・丸暗記の勉強
- 受かった人は、読むより 問題演習を中心 に回し、違う聞かれ方の問題や時間を測った模試にも慣れている
- 正解の 理由を説明できるまで やり、法律・ガイドラインも後回しにしない
- 勉強時間の目安は 20〜30時間。時間より「問題演習の中身」が合否を分ける
- 10月試験の申込は 9月30日(水)23:59まで。最終日の夜の受験は避ける
連載の第2回では、生成AIパスポートの試験の全体像を、受験者数と合格率の推移、年5回の日程、受験料と団体割引まで含めてくわしく見ていきます。
生成AIパスポートの520問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、生成AIパスポートのオリジナル問題520問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップで生成AIパスポート専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
- 解説を読んでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問。Google検索もワンタップ
- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
- 本番形式テストで、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認
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※この記事は2026年9月24日時点の公開情報をもとにしています。試験の制度や日程、禁止事項は変わることがあるので、受験前に必ずGUGA公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。