第一種衛生管理者の勉強時間 合格者8人の実数は中央値55時間

第一種衛生管理者の勉強時間は、検索すると約100時間、30〜150時間など、サイトによってばらばらの数字が出てきます。では、実際に受かった人は何時間勉強していたのでしょうか。
「第一種衛生管理者 攻略シリーズ」の第3回です。この連載では第1回で、2024年以降に受験した人の体験記30人分(合格27人・結果待ち1人・不合格2人)を読み込みました。今回はその中から、勉強時間を実際に何時間と書いていた合格者8人の数字を取り出し、期間だけを書いた人、少なすぎて落ちた人の例と並べて、試験日から逆算するプランまでをまとめます。
私たちは資格の問題集アプリ「ナレッジバンドル」を作っていて、第一種衛生管理者の480問を用意するときに、この8人の数字も数えました。真ん中は55時間。1日1時間なら2か月近くかかる量で、机に向かえる時間だけでは足りない人が多いはずです。アプリで1問ずつ解けるようにし、「間違えた問題だけ」に絞って解き直せるようにしているのは、この55時間を通勤や昼休みの数分ずつに分けて積み上げられるようにするためです。
合計時間を書いていた合格者は8人、中央値は55時間
合格者27人のうち、勉強の合計時間を本文に数字で書いていたのは8人だけでした。短い順に並べると次のとおりです。
- なすび筋さん: 約35時間
- akkomさん: 37時間20分(約2か月)
- うにさん: 約40時間(約2か月)
- 高卒ライン工の資格攻略ノートさん: 50時間ほど(約1か月半)
- 忠犬人事の読書録さん: 約60時間(約2.5か月)
- sugu_onaka_sukuさん: 70時間(2か月半)
- 第一種衛生管理者vlogさん: 約100時間、本人いわく「正確には120時間ほどでした」(約8週間)
- ピースケさん: 約138時間(約50日)

いちばん短い人が約35時間、いちばん長い人が約138時間。8人の真ん中(中央値)は、4番目の50時間と5番目の60時間の間の 55時間 です。8人中5人が60時間以下、6人が70時間以下でした。
akkomさんは記録をつけていた人で、「総学習時間は37時間20分でした」と分単位で書いています。7月6日に申し込んでから勉強を始め、9月5日に受験しているので、期間はおよそ2か月です。
ただし、ここで数えたのは 8人だけ です。27人の合格者の多くは合計時間を測っておらず、8人が合格者全体を代表しているとは言えません。「8人の実数ではこうだった」という参考として読んでください。
期間だけを書いた人は「2週間」から「9か月」まで
合計時間は書かず、期間や1日の目安だけを書いていた合格者もいます。期間と1日の時間を掛け算すると誤差が大きくなるので、ここでは書いてあったとおりに並べます。
- 約2週間: HSP秘書のルミさん(「私の勉強期間は約2週間でした」)
- 約1か月: 1日平均1時間程度で、スキマ時間にアプリで問題を解いた人
- 約1か月半: 1日多くても2時間、勉強できない日もあったという人など
- 約2か月: 産業医・理学療法士・労務担当など複数
- 実質3か月: 教材を1冊も買わずに合格した人
- 9か月: 家事育児の合間に、1日30分できればよいほうという人
最短の約2週間と最長の9か月では、期間に20倍近い開きがあります。第一種衛生管理者は、短期集中でも、少しずつ長くでも受かっている 試験です。どちらが正しいというより、自分の生活で確保できる時間から期間を決めればよい、ということになります。
民間の目安「約100時間」と比べると
民間の対策サイトでは約100時間(関連業務の経験者は50〜80時間)という目安がよく出てきます。サイトによって30〜150時間と幅があり、協会が公式に示している目安の時間はありません。
8人の実数と比べると、100時間を超えたのは2人で、残りの6人は70時間以下でした。民間の「100時間」より短い人のほうが多いことになります。
ただ、短く済んだ理由を「もともと詳しかったから」とは言い切れません。約40時間のうにさんは、製造業の技術職で残業が月60時間ほどあり、関連知識はほぼゼロだったと書いています。一方で、人事・総務系の分野が初めてだったピースケさんは約138時間をかけています。同じ「初めての分野」でも、40時間の人と138時間の人がいるわけです。
差を生んでいたのは時間の長さより、時間の中身 でした。これは後の節で見ます。
少なすぎると落ちる: 10〜20時間と「当日だけ」
時間が短すぎて落ちた例もはっきりあります。
ちょびぱやさんは、申し込みから受験まで約3か月ありながら、勉強は無料の動画を見ただけで「10〜20時間くらいしか使っていません」と書いています。問題を解くアウトプットをしないまま受験し、結果は不合格。本人は「落ちるべくして落ちた感じです。」と振り返り、これから受ける人には少なくとも50時間前後を勧めています。
むんへんさんは、2024年8月・2024年12月・2025年8月と3回不合格になり、2026年5月の4回目で合格しました。勉強は毎回、試験当日の数時間だけ。本人は自分を「反面教師」と呼び、「2~3カ月前からコツコツ勉強するのが一番確実です」とまとめています。
8人の最短が約35時間だったことと合わせると、30時間を切るような準備は危ない、というのが体験記から言えることです。

時間より効いていたのは「問題を解く時間」の割合
短い時間で受かった人に共通していたのは、読む時間を早めに切り上げて、問題を解く時間を多くとっていたことです。
約35時間で合格したなすび筋さんは、テキストを覚えようとせず1周だけして、紙の過去問から途中で「スマホの過去問一問一答サイト」に切り替えました。すぐに解説が見られ、分野別に解けて、正答率が見えるから、という理由です。苦手な分野ほど回数を増やし、「苦手だった関係法令:20周」と書いています。正答率は初回30%前後から、約10時間後に40%、約35時間後に70%前後まで上がりました。試験2週間前の時点ではまだ40%だったそうで、時間をかけた分だけ正答率が遅れて伸びる 様子がよく分かります。
ほかにも、演習中心で受かった人は珍しくありません。
- 現役労務OL☆リナさん: 「私はアプリを中心に、とにかく問題を解きました。」テキストは1回読んだ程度で、約1か月・1日平均1時間程度
- Marathon Learnerさん: 通勤の約30分を「電車=問題演習の時間、と割り切りました。」
- 高卒ライン工の資格攻略ノートさん: 「テキストはほとんど使いませんでした。」合計50時間ほど
反対に、ちょびぱやさんの10〜20時間はすべて動画を見るインプットでした。同じ時間でも、問題を解いたかどうかで結果が分かれています。
問題演習の時間を増やすなら、スキマ時間が使えるかどうかが大きく効きます。私たちのアプリでは、全問の解説で正解の理由と各選択肢の正誤を確かめられ、解説の中の用語はタップすると専用の用語辞書が開くので、本を別に用意しなくても理解まで進められるようにしています。解いた問題は忘却曲線に合わせて復習に出てくるので、「前回どこまでやったか」を覚えておく必要もありません。
試験日までの期間別プラン
ここまでの数字をもとに、試験日までの期間ごとのプランを整理しました。合計時間は民間の目安をもとにした想定で、各週の中身は協会の公表試験問題3回分の出題傾向から組み立てた編集部の整理です。

2週間(合計30〜40時間の想定)
体験記では約2週間で合格した人もいますが、1日2〜3時間は必要になる計算です。最初の3日で本番と同じ44問を時間を計って解き、5つの範囲ごとの得点を出して、今の弱点を知ります。そのあとは毎回のように出るテーマ(関係法令の人数や頻度の数字、労働生理の血液・腎臓・体温調節・消化器)に絞り、最後の2日で全範囲をもう1周します。
1か月(合計40〜60時間の想定)
8人の中央値55時間がちょうど入る期間です。1週目は解説つきの問題で全範囲を1周します。解けなくてかまいません。解説と用語を読みながら「何が問われるか」の地図を作る週です。2週目は関係法令の数字をまとめて覚え、3週目は範囲別に解いて、間違えた選択肢を「なぜ誤りか」で整理します。4週目は本番と同じ3時間・44問の通し演習を2回以上行います。
2か月(合計60〜100時間の想定)
仕事が忙しい人や、関連分野が初めての人向けです。法改正の影響を受けにくい労働生理から始め、労働衛生、関係法令の順に1周します。後半は間違えた問題を繰り返し、選択肢の正誤の理由まで言えるようにします。
どのプランでも、最後に確かめるのは 5つの範囲それぞれで40%以上、合計で60%以上 取れているかです。7問しかない有害業務以外の2範囲は、2問しか取れないと足切りになります。
試験日から逆算して、申し込む日を決める
第一種衛生管理者の試験は年に数回ではなく、各地の安全衛生技術センターや試験場で 毎月 行われています(協会 日程)。たとえば2026年10月は、東京試験場で1・5・6・7・13・15・22・25・27・29日、北海道で15・29日、近畿で1・29日です。次に受けられる日は、受けたいセンターの日程表で確認してください。
申し込みで気をつけたいのは締切です。オンライン申請は「試験日の2か月前(深夜0時00分00秒)から受付を開始します。受付期間終了は試験日の14日前(23時59分59秒)までです」と決められていて、しかも「受付期間中であっても定員に達した場合は受付を終了いたします。」とあります(協会 衛生管理者の紹介)。計算すると、10月15日の試験ならオンライン申請は10月1日まで、10月22日の試験なら10月8日までです。2026年5月からは、写真や添付書類のアップロード、手数料の支払いまでオンラインで完結するようになりました。
また、受験には労働衛生の実務経験を証明する 事業者証明書 が必要です。会社に書いてもらう時間も見込んでおきましょう。
逆算のしかたは次の3段階です。
- 自分が1週間に確保できる時間を数える(平日1時間・休日2時間なら週7〜9時間)
- 目標の合計時間(まずは中央値の55時間)を週の時間で割り、必要な週数を出す
- その週数の先にある試験日を日程表で選び、14日前より前に申し込む
受付は試験日の2か月前から始まるので、2か月プランなら、申し込める日が勉強を始める日 になります。akkomさんも申し込んだ日から勉強を始め、約2か月で合格していました。日付が決まると、1日の量も決まります。
なお、法改正にも少し注意が要ります。協会の公表問題は「令和8年1月1日以降に施行された法令に対応しておりません」と注意書きされており(協会 公表試験問題)、令和7年の労働安全衛生法改正のうち「個人ばく露測定等関係」は2026年10月1日に施行される予定です(厚生労働省)。古い問題や古い解説には、改正前の正誤のまま書かれているものがありえます。
まとめ: 55時間を「解く時間」で埋める
- 合計時間を書いた合格者8人の中央値は 55時間(約35〜138時間)。ただし8人は少なく、測っていない人のほうが多い
- 期間は 約2週間〜9か月 と幅が広く、自分が確保できる時間から決めてよい
- 民間の「約100時間」より短い人が多いが、10〜20時間や当日だけでは落ちている
- 差を生んだのは時間の長さより 問題を解いた時間の割合
- 試験は毎月あり、オンライン申請は 試験日の14日前まで。定員で早く締まることもある
次回の第4回は、何で勉強するかを決めるための「教材を選ぶ5つの基準」を、公表問題の限界と一緒に見ていきます。
第一種衛生管理者の480問をアプリで解くなら「ナレッジバンドル」

資格対策アプリ「ナレッジバンドル」には、第一種衛生管理者のオリジナル問題480問がすべて入っています。スキマ時間に1問ずつ解いて、間違えた問題だけを繰り返せます。
- 全問に解説つき。解説の用語はタップで第一種衛生管理者専用の用語辞書が開き、関連用語もたどれる
- 解説を読んでも引っかかったら、その問題をそのままAIに質問。Google検索もワンタップ
- 忘却曲線で復習を自動出題。「間違えた問題だけ」「未回答だけ」「ランダム」など出題の絞り込みも自由
- 本番形式テストで、いまの合格率と弱点カテゴリをグラフで確認
- 広告なし。全教材は無料体験できます
第一種衛生管理者のほか、100以上の資格・検定(レビュー中含む)が1つのアプリで使い放題です。アプリ内の教材追加画面で「第一種衛生管理者」と検索してください。
※この記事は2026年9月28日時点の公開情報をもとにしています。試験の日程・申込方法・受験資格は変わることがあるので、受験前に必ず安全衛生技術試験協会の公式サイトで確認してください。体験記の引用は各記事の原文から行い、リンク先に出典を明記しています。